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「小説家のサガって何?」言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から(二十六)丸山健二
アカゲラとアオゲラの二種類のキツツキがしばしばやってきます。なんとも気紛れな訪問で、季節を問いません。
少しばかり見た目がいいからといって、必ずしも大歓迎というわけにはゆきません。それというのも決まって悪さをするからです。樹木の表皮の裏側に巣くっている虫をほじくり出したり、ドラミングによって縄張りを主張したり、異性を惹きつけたりする行為は一向に構わないのですが、しかし、幹に大きな穴をあけて巣
「生きたまま現世を超える?」言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から(二十)丸山健二
庭に集まってくるさまざまなハナバチたちの羽音の渦に巻きこまれて花殻を摘み取る作業が、おそらく誰にも理解できないであろう至福の時を与えてくれるのです。
不思議な感覚です。根気のいる単調な仕事がなぜこうした充足感を差し招くのでしょうか。傍目からすれば理解できないと思います。
掛け替えのないその気分をどう表現していいものやら、物書きのくせに、これがなかなか難しいのです。
癒しを帯びた安らぎ