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出し抜いて売り切る経営者たち

世の中には、顧客を出し抜いて、商品やサービスを売ろうとする人がいる。
今回はこの辺りについて書き綴っていく。

出し抜いて売り切る手口

一番多いのは「安く見せて売る」という手口だ。
もしくは「実物以上に良く見せて売る」という手口が多い。

出し抜いて売る場合、「肝心なことは、あえて説明しない」ということが殆どだ。

・安く買ったら肝心なものがオプションだった
・資料の写真にあったものが入っていない
・契約書をよく見返すと最低契約期間の縛りがあった
・サポートを受けようとしたら高額な費用を請求された

こういったことが普通にある。

たしかに、こういった手口を使えば、安く見せたり、良く見せたりすることはできる。
しかし、トラブルが多発するに決まっている。

だから、「売り切る」ということになる。
「売り逃げる」といった方が分かりやすいかもしれない。
最初に売った時点で、ある程度の利益を出している。
その後も追加分に関しては、ボーナスだと考えている。
つまり、最初に売った時点でひとまずの目標を達成しているわけだ。

――― トラブルは、承知の上。

法律上の問題があるケースは殆どない。
引っ掛かった結果は、自己責任だ。

相手は素人、こちらはプロ

プロが素人を騙すことは、難しいことではない。
その後のトラブルさえ恐れなければ、無双状態になることもできる。

本来、「売り逃げ」というのは、プロが自分のプライドに掛けてやらない行為だ。
しかし、プライドがない人は平気でやってしまう。

――― 騙して売ることは、誰でもできる。

これがプロの前提条件である。
するか、しないか、良心しだいだ。

騙されるより危ないこと

騙されないようにする。
この重要性は、説明するまでもない。
商品、サービスの説明を良く聞き、書類はしっかり目を通す。
質問があれば、記録に残る手段を利用し、保存しておく。
これが基本だ。

しかし、もっと危ないのは「自社の営業担当が売り逃げをしていないか?」という点にある。
もちろん、この場合、最終的な責任は経営者にある。
問題は、知らない内に「売り逃げ」をしてしまっていることだ。

経営者であれば、営業担当の評価とその後の結果をウォッチするべきだ。

・契約までの経緯はきちんと報告されているか?
・他の営業担当に比べて不自然に売上が多くないか?
・納品後のトラブル率は高くないか?
・製造、開発などの担当はどう思っているか?

経営方針や社風に問題がある可能性もある。

・ノルマ達成へのプレッシャーは適切か?
・顧客がリピートすることの重要性が理解されているか?
・売上以外の評価項目が整備されているか?

こういった点は、甘く見ていると本当に危ない。

経営を長く続けていると、知人が経営する会社の営業担当から「売り逃げ」に近いことをされることがある。
そういった時は、知人の経営者に連絡をして、事情を説明する。
そうすると、その経営者も「予期せぬ売り逃げ」であることが多い。

――― それでも、責任は経営者にある。

「売り逃げ」するのも、「売り逃げ」してしまうのも、明日は我が身。
どちらも普段から気を配っておくことが重要だ。


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