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恩を仇で返す経営者たち

最近はあまり使われなくなった言葉だが「恩を仇で返す」という言葉がある。
恩義ある人へ対して非情な行いを返してしまうことを指す。
今回はそんなことをする経営者について書き綴っていく。

恩を仇で返した実例

貸した部屋

倉庫として少しの間、一時的にマンションの部屋を借りたいという話が来た。
3か月程度だと言う。
本来、短期で貸すことはないのだが、知人だったため、貸した。
敷金、礼金、共益費、保証人などを立てずに貸してしまった。
3か月後、「いつまで部屋を借りるのか?」と聞いた。
「もうしばらく貸して欲しい」とのことだった。
それが気になった私は、貸した部屋を確認しに行った。
そして、その知人の会社で働く外国人が住み始めているのを確認した。

貸した駐車場

知人から「マンションの駐車場を貸して欲しい」という話が来た。
本来は駐車場だけを貸すことはしていなかったのだが、知人だったため、貸した。
そして、契約した。
しかし、その1か月後、解約の申し出があった。
結果、2か月で終わる契約となった。
どうやら、車庫証明をとるだけのために駐車場が必要だったらしい。

企画の持ち逃げ

ある仕事の依頼があり、まずは概算の見積の上、基本契約を行った。
その後、企画、設計のフェーズに入るのだが、そのフェーズが最終段階を迎えた頃、突然と連絡が途絶えた。
連絡がとれた後も「契約は無かったことにして欲しい」の一点張り。
そして、数か月後、その会社は新しい企画(事業)をはじめた。
それは、私の会社が企画、設計したものを他社にやらせたものだった。

ヘアサロン

これは、ヘアサロンを3店舗経営している知人の例。
ある店舗の店長が独立して開業することになった。
大卒で知識ゼロから採用した従業員。
随分可愛がっていたらしい。
しかし、独立して開業したのは、500mほど離れた場所。
そこへ、スタッフ3名を引き抜き、顧客名簿を持ち出した上で営業開始。
スタッフも顧客も激減したのは想像に容易い。

環境リサイクル業

ベンチャー起業から10年ほど経った知人の例。
その会社を辞めて、中堅どころの金属回収会社へ転職した従業員がいた。
その後、その金属回収会社が元会社と同じ企画(事業)をはじめる。
元会社の従業員2名を引き抜き、顧客も奪い始める。
さらに、関係特許を取得し、元会社へ特許侵害を訴え始めた。

恩を仇で返す人の特徴

これは大きく分けて2パターンあると思う

1.倫理観が崩壊した自己中心的な人
2.無知で悪いことだと気づいていない人

1の人は、まだ警戒できる。
しかし、2の人は本当に怖い。
本人に全く悪気がないからだ。

どちらにしろ、こういった仇に痛い目を見て、経営者は学習する。
はじめての取引では、与信をかける。
従業員は慎重に雇う。
従業員を丁寧に管理する。
顧問弁護士をつける。
契約書類を強くする。

――― そして、何よりも、人を見る目を養う。

これが一番重要だ。


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