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信用調査会社と与信

世の中には、信用調査会社と言うものがある。
帝国データバンクが代表的な存在だろう。
そして、企業間と取引する場合、事前に「与信」というものを行うことがある。
今回は、この辺りのことを書き綴っていく。


与信とは?

企業の信用調査のようなもの。
信用調査会社が企業の信用調査を行い、その結果を依頼主に伝えるということだ。

信用調査会社が具体的にどのような調査を行い、評価付けをしているのか、私には分からない。

「評価を良くしましょうか?」

という怪しい業者から連絡が来ることもある。
若干、闇を感じる業界だ。

――― それでも、企業は与信と付き合わなければならない

現実には、殆どの企業は信用調査会社へ調査を依頼するからだ。
特に企業間取引を主とする会社は避けられないと思う。

与信を掛けられる

信用調査会社は、平気で「決算書を提供してください」と言ってくる。
上場企業でもない会社相手にだ。
私は、一度も決算書を提供したことはない。

困ったことに、大手企業と新規取引をはじめる時。
契約直前に、間が空くことがある。
沈黙のペンディングタイムだ。

――― そして、信用調査会社のエージェントから連絡が来る。

大手企業は、高確率で与信を掛けて来る。
感覚的に、取引額が数百万以上の新規取引の時は、ほぼ確実に与信を掛けられている気がする。

信用調査会社のエージェントは、しつこい。
情報提供を拒否した時のデメリットを振りかざしたりもする。

ただ、初回取引の時に与信を掛けたい気持ちは分かる。
後に記載するが、私も与信を掛けることがあるからだ。

だから、最低限の情報を提供する。
具体的には以下の通り。

・自社の開発した認知度の高い商品
・信用度の高い上場企業の取引先
・決算書の貸借対照表の一部

この辺りを情報を伝えると笑顔で帰っていくこと多い。

同じ信用調査会社だと、3回目くらいからは電話一本だ。
「前回から何か変更はありましたか?」という程度。
面倒だが、情報を最新に更新してもらった方が「与信を掛けられた時」にスムーズだ。
この辺りが信用調査会社との付き合い方の到着点だと思っている。

直接、決算書の提出を求める会社

大量の下請企業を持つ大企業は、各会社へ直接「決算書の提出」を求めることがある。
開業当初から「下請を仕事をやらない」と決めていた私は、この話を聞いて驚いた。

どうやら、決算書を含めて、自社独自の採点方式により、下請企業を評価、管理しているらしい。

某自動車メーカーの下請企業の評価システムは有名だが、そこに限らず、それなりの規模になれば下請企業の評価と管理は重要な業務の一つだ。
私の会社でも、似たようなことはしている。
ただ、決算書の提出を求めるような悪趣味なことはしない。

与信を掛ける

私の会社は「仕事をお願いする時」に信用調査会社の与信を掛けることは、殆どない。
しかし「仕事を請ける時」には、信用調査会社へ与信を掛けることがある。
これは、過去に「倒産」によって、売上を回収できなかった痛い経験があるからだ。

上場企業と取引を開始する場合は、必ず決算公告を確認する。
しかし、非上場企業の場合、その情報はない。
だから、信用調査会社へ与信をお願いすることになる。

ただし、信用調査会社の与信など、参考程度のもの。
信用調査の結果を信用し過ぎてはいけない。
あくまで「与信の一つ」だ。

・過去にどのような仕事をしたか?
・会社へ訪れた時、私への対応はどうか?
・仕事を担当してくれる人たちはどんな人か?
・会社の雰囲気や整理整頓状況はどうか?
・社長の人柄はどうか?

可能な限り、自分の目で見る。
この与信については、仕事を請ける時も依頼する時も同じだ。
このように自分の目で見るべき与信を怠ってはいけない。
むしろ、こちらこそが重要な与信と言える。
私は、私を会社に入れて話をしてくれない会社とは取引をしない。

契約書と与信

契約書を交わせば大丈夫だと考えている人がいる。
残念ながら、これは大きな間違いだ。
契約書と言うのは、相手の会社がしっかりしていなければ意味をなさない。

なぜか?
契約書通りに金銭のやり取りを強制することはできないからだ。
裁判で勝っても、払わない人は払わない。
仮に、面倒な手続きと費用まで使って「差し押さえ」をしても、無い袖からは何も出て来ない。

――― 無駄な時間と金を使って、泣き寝入り

現実は、そうなる。
企業間の金銭トラブルなど、誰も助けてくれない。
行政も警察も裁判所も全てだ。

というわけで、契約書だけでは足らない。
「与信」が必要だ。
そして、与信を掛けること、与信を掛けられること、共に上手く付き合っていくことが重要だ。


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