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53歳で起業した父

こんにちは。10月10日は、父の70歳の誕生日です。
今日は父について書いてみたいと思います。

Skillmeの在宅ワーク講座を受けて父を尊敬できるようになった娘の話です。

父は高校卒業から35年公務員として勤め、その後開業しました。 
今から約20年前。当時の時流はまだ副業や開業よりも会社勤めが安心・安全だという時代でした。

我が家は3人家族で祖父母も他界していて、私も就職していたので父に自分の人生を見つめ直すチャンスが来たんだなと思いながらも、公務員だったら安定してるのなと不安感もありました。

その頃の私は前職をヘルニアで退職し、事務職に就くため訓練校に通っていたので、父の開業の提案で事務員として働かせてもらうことになりました。

とはいえ、事務所を建て看板を作っても、お客様はいらっしゃらない。

地道な種まきが始まりました。父は、地域の仕事に参加して自分の事業を話したり、商工会議所の組合で多職種と話したり。
私は事務所で外へ出ていく父に代わり電話当番をしながら、勉強、パソコンに入れたシステムの勉強をして過ごします。

「立派な看板だけどお客さん来なかったら鉄くずだね。」と、同業者に言われ、父が怒りをトイレの中の独り言(大声)で昇華させていた様子は今も鮮明に記憶に残っています。

仕事がないがイコール給与に直結する自営業。
私の給与は3万円でした。給与よりもお小遣いですね。
一生懸命新しい内容を勉強して、外出時には父の名刺をもって歩き、配れる時は置いて帰る。
増えない仕事や慣れない売り込みに不満を覚え、父にあたることも何度もありました。

そんな毎日を繰り返しながら少しずつ少しずつ、日々の進歩は小さすぎてわからないくらいだけど、ある時事務所の留守に訪ねてきてくれるお客さんが増えていることに気づきました。私も勉強しながら仕事をするのでは追い付かなくなり、昼は仕事夜に勉強と、仕事をする時間が増えていきました。

仕事が増えても少なかった時も父はかわりません。
ただ、やるべきことを淡々とこなし、土日にはしっかり休む。仕事が増えてきたら少し力んで頑張りすぎてしまい、気持ちが続かず失速してしまう私と違い、今日の仕事は終わらせるが必要以上の仕事はあえてしないようにしていました。
当時は、そんな態度に私ばっかり頑張っているとイライラしていました。
勝手に不安を作り、頑張りたいから頑張っているのに人にイライラをぶつける・・・なかなかのジャイアンぷりでした。

在宅ワーク講座も折り返し地点に来ていて、少しずつ受講生さんも自分で仕事を始めています。でも私は一人で仕事をしていくことに恐怖を覚え、仕事の募集に手をあげれていません。
講座の受講も焦って頑張りすぎたり、思うように進まず落ち込んだりと淡々とこなすことができません。

失敗を恐れているなと感じます。

しかし、それは家の収入を全て自分が背負い開業した父のそれとは、比べものにもなりません。

一緒に働いていた時に
「最初から100点とらなくていい」と父がよく言ってくれていました。
畑違いの仕事に悩む娘ときっと自分にも暗示のように言い聞かせていたのだと思います。

父はいま、母と3人の従業員さんと事務所を運営しています。
誕生日のメールをしたら
「80歳まで働いて孫の大学資金援助するのが夢!」と返信がありました。

すごいなと思うと同時に、父がみせてくれた働き方を、私も少しずづでもしていきたいなと思っています。

すぐに本人に伝えれそうにないので気持ちを残しておきます。

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