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どうして私が怒ってるかわかる?

 本稿の標題は 男が女性から尋ねられる質問の中で、最も恐ろしいものの一つである。しかし男にはこの戦慄の質問に答えねばならないことが、人生において幾度か起きてしまう。

 しかし•••。我々男にはその答えがわからないことが多いのだ(と、言い切ってもいいものだろうか? 他の男性諸氏も私と同様なのだと信じているのだが•••)。なぜなら男は女性が言うところの『問題』の大部分は 大した問題だとは思っていない場合が少なくなく、またそもそも家庭内で起きている日常の出来事をよく覚えていない(それがまた女性を怒らせる原因であると思われるww)。

 しかし女性からの標題の質問に対し、男が『わからない』と言った日にゃあ、息も凍るような冷たい風が家の中に吹き、その後の2人の関係は好ましからざるものになることは火を見るより明らかだ。だから『わからない』という回答は平和のためにあり得ない。

 女性がたたみかける。
 ねえわかる? わかってるの!?

 引き続き 男は無い頭をフル回転させて、思いつく限り答えの可能性を探る。(あのことか? いや待てよ、あのことかも•••)短時間でやっと出した ある一つのことだと信じ、間違っているかもしれないという恐怖と闘いながら、一世一代の賭けに出る男。のるかそるかでぶつけないと事態は打開できないからだ。例えるならば、1点差で負けてるサッカーの試合に、後半40分を過ぎてゴールキーパーがポジションを離れて攻撃に加わる状況に通じるものがあるだろうか(なんのこっちゃww)。

 なんで黙ってんのよ? 聞こえてんの? あんたは都合が悪くなったらいつも黙るんだから!
 緊迫の度合いは最高潮に達し、もはや状況は一刻の猶予も許さない。

 ●●のことだろ? わかってるよ!  男は全身の毛が逆立ち、血が逆流することも感じながら 一か八か やっとそう言う。もちろん平静を装い当然だと言わんばかりに。当たることが50%の丁半賭博みたいだ。

 なんでわかってんのにやらないのよ?ずっと私待ってるんだからね!

 合ってた! 男はホッと胸を撫で下ろす。その案件を実行し達成できているかどうかなど どうでもいい。そんなことより、今この瞬間に女性から訊かれてる案件を当てられたことで この問題は大方解決しているからだ。

 ・・・しかしこの時、万一女性が問題視している案件と、男が出した答えが別の事案だった場合は『わからない』と答える数倍の修羅場を覚悟する必要がある(笑)  失礼ながら 経験上女性は 男がそんな思い違いをした場合、そのことを一生覚えている。その時のやり取りはアーカイブとなって、彼女たちは後になっても折に触れチョイチョイ出してくるのである。新しい彼氏ができると直ちに直前の男のことなどきれいサッパリ忘れるくせに、こんな時の会話のデータだけは微に入り細に渡り劣化することなく保存される。

 立法府に心からお願いしたいことがある。『女性活躍●●』や 『すべての女性が輝く社会づくり』などと、なんだかよくわからん決まり事はもういいから、標題の質問を規制する法律を作ってもらえないものだろうか。

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