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また、マッチングアプリを始めた。

初夏🌴
湿気が多くなり、シーツカバーをサラッとした生地に替えたころ。

私は当時の彼氏と何度目かの別れ話をした。
彼はダンマリを決めこんでいたが、私は新しい一歩を踏み出したかった。

ーーーーー

私と彼は1年半ほど付き合った。
きっかけはマッチングアプリ。
アプリでできたはじめての彼氏だ。

最初のデートはドライブだった。
地方に住んでいた私にとっては、ごくフツーのデート。
アプリでのやりとりでは無愛想だと感じたが、実際に会ってみると話しやすく、話し方に知性を感じ、好印象だった。

食事をし、夜もふけ、星が見える広い駐車場に車が停まる。
その車内で私は、彼とセックスした。

初対面の人とするのははじめてだった。
服が汗で張り付くのがうっとおしかったが、目の前の相手のテクニックに夢中になった。

今までの誰よりも柔らかい唇、優しい愛撫に蕩かされ、気づけば彼の上にいた。
ぎこちなく動くと、彼が合わせて腰を動かしてくれる。
荒い息と汗がしみてフロントガラスが曇り、外が見えなくなっていった。

その後、彼と結婚を前提に付き合うことになった。

ーーーーー

付き合ってからわかったことがある。
彼には借金があった。
その返済が終わるまでは結婚できないと言われていた。
私はそれを了承し、彼が払い終わるのを待つことにした。
返済の目処は1年ほど。

それまで、待った。
だけど、1年半が経っても返済は終わらなかった。
それで私が焦れたのも、別れの理由の1つには違いない。

別れを決意した1番の理由は、
私への対応がぞんざいなことだった。
ゲームよりも優先順位の低い彼女という地位に、私は耐えられなかった。

もう同じことを何度か繰り返している。
私が主張をし、彼氏は別れたくないの一点張り。

ずっと黙っている彼氏に、提案を持ちかける。

「私、結婚したいの。
でも、貴方はまだ結婚できないし、別れたくないと言う。
若い時間は有限なの。
私は他を探してみたい。
貴方だけにかけられる時間はもうないの。
それでもいいなら付き合うわ。」

彼氏は、意外にも、
「うん、それでもいい。」
と言った。

「わかった。」
それなら別れる。と言われると思っていたのに。
若干の後ろめたさを感じながら、彼氏公認なんだからと気を取り直す。
こうして私は、またマッチングアプリを始めることになった。

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