赤と黒

私はいま
「生きる」という言葉に両極端から引っ張られている。

生きたい。
世の中に、誰かに、必要とされたい。

でも必要とされていないなら、生きることをやめてしまいたい。
いなくなってしまいたい。
迷惑をかけずに。誰にも気づかれないままで。

命は大切。そんなこと分かってる。
生きたくても生きられない人もいる。
そんなこと、分かってる。
生きたいって言うのは応援されるのに、その逆は「言葉にしてはいけない」ことになってしまう。

同じ「生きる」という線の上で、ちょっと方向が違うだけなのに。

「自分なんて生きてたってしょうがないじゃん」って思ってしまう。
自分がいることに意味なんてない。価値なんてない。
そう思ってしまう気持ちが、とまらない。

私の状態について、世の中では「うつ病」という名前がついている。

お医者さんも言ってくれた。
「あなたが感じている死にたいって気持ちは、あなたが弱いからじゃなくて、病気だから出てきてるんだよ。」

本当にそうなのだろうか。

先週の夜
「生きることへの不安」に駆られて、家でひとりで大泣きした。
死にたくても死に方が分からなかった。
不安な気持ちを、どうしたらいいか分からなかった。

分からなくて、色んなところに電話をかけた。

いのちの電話に、初めて電話をかけた。
「回線が混み合っています」と言われてつながらなかった。

職場の、頼れると思っていた人も、つながらなかった。
あとからその人が「こちらの都合を考えずに電話をかけてきて迷惑だ」と周囲に言っていたことを知った。
もう頼ることはできないのだと分かった。

友達がひとりだけ、電話を折り返してくれた。
パニックになっていて電話の内容自体はあまり覚えていない。
その子も、私が振り回してしまったんじゃないだろうか。
「大丈夫、いつでも話して」そう言ってくれたけれど、その子も本当は迷惑だと、思っているんじゃないだろうか。

不安な気持ちの吐き出し口が、なくなってしまった。
言えないじゃん。何にも。誰にも。

不安な気持ちを表す言葉たちは、聞かされる側はダメージが大きい。
確かにそうだけど、そうなんだけど。

頼れる綱がないのに、どうして私は綱渡りをさせられているんだろう。

死ぬ勇気もない私は最近、手首に爪で跡をつけるようになった。
そして、誰にも言えない気持ちを、ここに残すことにした。

腕に残るうっすらとした赤い線と、noteに残す黒い文字。

そのコントラストをぼんやり見つめながら、
生きる意味を探していこうと思う。

2023.11.20

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