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思春期の脳が不安定な「2つの理由」

思春期の子どもがイライラする原因として「ホルモンの乱れ」を、よく聞く。つまり「信じられないほど、多量のホルモンが分泌される」のだ。さらに、思春期は「記憶のしくみ」が切り替わる時期でもある。季節の変わり目に体調をくずす人は多い。脳も調子がよくないのだ。

(1)
性ホルモン自体は、男女とも小さな頃から分泌されている。しかし、思春期が始まると急に濃度が高くなる。

男性ホルモンの代表「テストステロン」分泌のピークは、14~18歳。それまでの30倍の量が体内に流れる。筋肉や骨格は発達し、声変わりが始まり、陰毛 やわき毛などが生え、陰茎や睾丸も発達する。

テストステロンは「男らしい身体」をつくるだけでなく、脳の感情をコントロールする部分にも影響を与える。なわばり意識や闘争心もかき立てるのだ。親に素直な態度を示していた子どもが、急に無愛想な態度になる理由としてテストステロンの分泌は無関係ではない。

(2)
脳は12歳~14歳ごろにかけて、記憶のしくみが切り替わる時期を迎える。
子ども時代の記憶を思い出して欲しい。匂いや音、味など五感が捉えたあらゆる情報が、一体となって記憶されていたはずだ。
僕にとって「デパート屋上の記憶」は、ソフトクリームの味と、その時着ていた「よそ行きの服」の窮屈な感じ。そして、防虫剤の匂いと一緒になっている。

五感が捉えたあらゆる情報を、いちいち記憶していたら脳の容量はパンクするし、検索や引き出しにも時間がかかる。そこで大人の脳は、新しい体験をすると過去の体験と照らし合わせて「それまでの記憶にない」部分を記憶するのだ。

思春期は、子ども脳から大人脳に切り替わる時期。切り替えは、システムの大規模な変更だ。変更の途中では「不適切な反応」も起きる。つまり「自分の気持ちが上手く引き出せない」のだ。

親から「自分の気持ち」を聞かれても、親が納得する説明はできない。また親から見て、いつもイライラして見えるのも「脳の不適切な反応」である可能性が高い。

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