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人の熱量が人を動かす

年が明けてから春までは、
わたしにとっての師走で。

今年もその最中にいる。

わたしは小学校のバレーボールチームの指導をして6年ほどになる。
毎年この時期は怒涛の試合ラッシュで、
1月末辺りから3月までに6試合。
これでも少ないほうだ。
いや、
出る試合を選べば減らせるのだけど、
欲が出る…というか、
6年生は最後になるので、
できるだけたくさん試合をさせてあげたい。

そんな試合の日程をこなしていると、
気付けば春が来ている。


6年の春に入部した子がいる。

いつも控えめ。
たいていの子はプレイの向上を目標に立てる中、
この子はみんなと仲良くなれることを目標に。
予想では、
この子は辞めちゃうかなと思った。
ちょっと反抗期で、
注意しても「あ~はい」とか、
「別に」とか、
正直やる気のある子じゃない。
まわりとの熱量の差が違いすぎる。
とても居心地が悪いように見えた。

力いっぱい頑張ることが嫌い。

…違うな。

嫌いじゃなくて、
恥ずかしいのかもしれない。
でもそこを恥ずかしがっても上達はそこそこにしかならない。
周りとの成長率が違う。
ミスも多い。
大人からすると、

もったいないなぁ

って思ってしまう。
もうちょっと頑張れば上手になるのに。
上手になれば楽しくなるのに。
でもそれを言っちゃあいけないから。
勿体ないのか、
勿体あるのかは、
周りがとやかくいうことではなく、
当人の認識の話。


先日行われた試合。
その子は久しぶりの出場。
6年生はできる限りコートに入れる。
エースがちょっとしたスキマ時間に
足を動かして待つよう声をかける。
たいていみんなその場でジャンプしたりする。
その子は動かず。
反抗期だね。

この日はエースが絶好調だった。
いつも空回りしちゃうのに、
この日は冷静だった。
周りも引っ張られるように動く。
その日最後の試合では、
その子がエースの声掛けに動く姿を見た。
動き出した。
熱が伝播した瞬間を目の当たりにした。

いや~感動してしまった。
今までで一番いい動きをしていた。
楽しそうに見えた。


わかってる。
ただの自己満。
当人がどう思っているかはわからない。

でも嬉しかった。

残り3大会。
悔いを残さず、
なるべく残さず、
これまでの全てを出し切ってほしい。


笑顔で卒団する日を迎えられますように。


最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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