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ワンルーム

いつも誰かの特別になりたかったわたしは、いつの間にか誰の特別でもないわたしに慣れて、「誰もわたしのことなんか気にしてないか」、と思えることに心地良ささえ感じていたりして。何をするにも、どこへ行くにも、何を感じるにしても、全てを誰かに共有して、評価して貰えなければ、わたしは”ここに存在している”と思えなかった、価値が分からなかった。他人に認めて貰えた感情こそが、他人を感嘆させられた行動こそが、意味があるものだと思い込んで、縛られていた、その思考に。

Music Videoを見て、毎回思うんだ、恋はいつか終わる。恋に幻想を抱いても、始まる前は何もかもに期待してしまっても、始まってしまえば終わりに向かうだけ。この先一人でいいや、と思ってしまった自分が最近初めて顔を出して、少し驚いたし、少し怖かった。この先、どうしようもない人と一生一緒に居ることになるのは絶対に嫌だから、たまたま”この人だ”って人と、奇跡的に出会えて、その人と結ばれたいとか想像するけれど、そんな奇跡的な出会いって本当にくるのだろうか。もっと歳を重ねれば、自分も他人ももっと大人になって、付き合い続けられるようになるのだろうか。

「悲しいけれど 二人はこれ以上 上手くはいかない」
別れ際ってこれに尽きていて、別れは別れでしかない、地球が何回回ってもひっくり返ったとしても、その結末は変わらない。出会いじゃなく別れにこそ運命を感じる。別れてしまった人たちにも、過去を見れば、確かにそこには幸せな現実があった。一生このままが続けばいいのに、と願ってしまわずにはいられないような、幸せで幸せで怖くてどうしようもない時間が、確かにあるのに、絶対にあるのに、別れは99%くらいの確率でくるんだよ、残酷な世の中、人の縁。

あの夢みたいで、蕩けてしまいそうな、掴もうとしても実体がなくて、トキメキで満たされていた時間が、空間が、貴方の瞳が、確かにそこには存在していたのに、消える。突然ぱちんと弾ける。それを失う未来がきてしまうとしても、わたしは貴方と夢を見たいと、そう思える人と出会ったときに、そう思えるようなわたしになったときに、わたしはまた誰かと手を取り合える気がするよ。

ワンルーム/にしな

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