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離婚相談からみる、結婚相談所成婚カップルが離婚した原因

弁護士運営の結婚相談所Marriage Baristaです。
これまでの弁護士経験で、弁護士として相当な数の離婚の代理人業務を行い、法律相談を受けてきました。

その中で、僕は、お客様に「今」の離婚に対する話だけではなく、結婚を決めたきっかけについてもきくようにしています(もちろんお客様が話してくださればですが)。
なぜなら、今抱えている結婚の不満は、結婚時に描いた結婚生活とのズレとも言えるため、どうしてこの人と結婚したのか、という観点が、離婚を含む今後の人生決定を考える上で大事だと考えているからです。

「離婚した/離婚を考えている人が、なぜその結婚を決めたのか」って、婚活している人にとっては気になりませんか?
このネタで話すだけで軽く半日くらい語れちゃうんですが、
その中で、今日は、結婚相談所で出会ったカップルの離婚した原因について取り上げてみようと思います。


結婚相談所システムならではの問題もある


僕の感覚では、結婚相談所やお見合い結婚って意外に恋愛結婚よりうまく行くと思っていますが、当然、結婚相談所カップルだって離婚します。
結婚相談所では、予めお互いのスペックががっつり公開されていて、結婚目的で短期交際して、間に仲人が入ってと、失敗しない結婚をしやすい環境が用意されているはずなのですが、
逆にそのシステムが裏目になることもあるんですね。
ということで、結婚相談所の活動で何がダメだったのか、お客さんの声をまとめてみました。
理由が重なる部分もありますが、以下4つにわけて解説します。

1 結婚を急ぎすぎた

 わざわざ書くまでもないこの理由。
 これは、何がなんでも結婚したい!と意気込みすぎて、お見合い→仮交際→真剣交際と特に悩まずに結婚に至ってしまった人たちです。
 当たり前ですが、お互いが交際希望をだし、結婚意思が合致すればすぐに成婚できちゃうわけですが、条件を出し過ぎて全然成婚でいない人もいる一方で、全く条件にこだわらない人もいます。
 そういう人は自分と「結婚したい人」かどうかしか見ていないため、交際中に見極めるべきポイントを見ずに成婚を決めてしまい、結婚してから「思ったのと違った」という結果になることも。
 条件を盛りだくさんにするのも考えものですが、「とにかく早く結婚したい」というマインドもなかなか危険です。

2 自分の意思をうまく伝えられない


 いわゆる「流されやすい人」です。
 相手から猛烈に押されると、断りきれなくて、そのまま相手のペースで交際が進み、プロポーズされるがままに結婚してしまうタイプです。
 実は相談所システムの盲点なのですが、仲人側も、成婚が決まれば成婚料が入ってくるため、やらしい話、自分のお客さんがお相手からプロポーズされたら、そのまま快く成婚退会してもらうことが売上に繋がります。また、結婚相談所は成婚退会後の破綻については当然責任を持ちません。
 なので、仲人側も、お客さんが明確にNOや違和感を伝えない限り「これだけ熱意がある人なら素敵ね」とプッシュしてしまいがちです。
 本人が何も言えない状態のまま、お相手、お相手相談所、こちらの相談所からの押しで結婚しても、そのあとうまくいかなくなることは明らかです。

3 自分に自信がない


 なかなかお見合いが決まらないと自己評価が下がっていき「どうせ自分なんて誰にも愛されない」という感覚と強い疲弊感に陥ってきます。
 その気持ちはよく分かりますが、その自信喪失が、「自分は選ぶ側ではなく選ばれる側の立場だ」という意識を刷り込んでいきます。
 すると、結婚の決め手として、相手の人格的な部分ではなく、「相手が交際希望を出してくれた」「プロポーズをしてくれた」という事実を重視するようになっていきます。
 当然相手の人格的な部分を吟味できていないので、結婚後に思った生活と違う!ということになりがちです。
 これは相談所外の婚活でもある理由ですが、特に結婚相談所の場合「早期成婚が素晴らしい」という価値観や、日々かかる月会費とコスト、というところから追い詰められやすいのかもしれません。

4 地方の婚活


 これは地方在住で、家業等の理由から地元から離れられない方に多いです。
 僕が北海道だからかもしれませんが、地方に住むお客様から、「自分のち方で活動してもそもそも会員が少ない。だから自分に申し込みしてくれる人自体貴重だった」ということをよく聞きます。
 例えば北海道って、本当は東京や大阪からめちゃめちゃアクセスしやすいのですが、どうしても陸続きではないため「実家で万一のことが起きても帰れないかも」というネガティブな判断されやすいんですよね。
 その中でも、特に地方の場合は、生活も不便なため嫁いでくれる人自体なかなか少ないことから、お相手の見る時、人柄よりも「当地に来てくれるか」を重視しがちになっていきます。
 当然人柄の吟味は2の次になってしまうために、結婚後うまく行かなかった、奥さんが馴染めなかった、という結果に陥ってきます。

共通すること

これらのケースに共通しているのは、「相手の人間的な部分を見れていないこと」
今婚活している人からみたら、そんなのありえない、と思うかもしれませんが、上記のような事情が重なり、心に余裕がなくなってくると、「人間性」という要素の優先順位が下がってしまいます。
いつしか結婚が目的になってしまう一方で、成婚自体が相談所側の利益にも繋がるので、(全ての相談所がそうだとは言いませんが)仲人側も、結婚が成立しそうなカップルに敢えて冷や水を浴びせるようなことは言いづらい。
結婚相談所の早期結婚の仕組みが離婚をしやすいカップルを量産してしまう、という矛盾が生じてしまうのです。
この点については我々相談所側も、成婚第一主義に傾倒しすぎないよう、自社会員の様子や顔色はしっかり見ておかなければならないなと思うところです。 

優先順位を見失わない

ドラマと違って「結婚」はエンディングではありません。結婚から、24時間365日、相手と過ごす日々がスタートするのです。
その上で、婚活は相手を見るのではなく、相手を通して自分を見つめ続ける作業であると思います。
結婚相談所は、早期成婚には力強いツールだし、実際にアプリをみるとたくさんのお相手がいて情報過多になりがち。
だからこそ、早期成婚の雰囲気や情報量に飲み込まれず、結婚に求めることへの優先順位は婚活の前にしっかり付けておくことが重要かなぁと思うなどしたのが、僕の事業の出発点だったのかなぁと今改めて思います。

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