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いつだって愛する人たちのために戦うセーラームーンのOne for Allの精神がまさに"エンドゲーム"だった『劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmos《後編》』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:7/92
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:-
  製作年:2023年
  製作国:日本
   配給:東映
 上映時間:80分
 ジャンル:アニメ、アクション
元ネタなど:漫画『美少女戦士セーラームーン』(1992-1997)

【あらすじ】

銀河征服をもくろむシャドウ・ギャラクティカとの戦いに身を投じたセーラームーン。破壊の戦士セーラーギャラクシアはセーラームーンから仲間たちを次々と奪い、彼女を追い詰めていく。

孤独に打ちのめされそうになりながらも、愛する人や仲間たちのため、セーラームーンは銀河の運命を左右する最終決戦に挑む。

【感想】

漫画『美少女戦士セーラームーン』第5部の「シャドウ・ギャラクティカ編」のアニメ化。6/9公開の《前編》に続き、ついにセーラームーンの最終決戦を描いた作品です。

<オープニングテーマからぶっ刺さりまくり>

これはもう冒頭から目頭が熱くなりましたね。《前編》のオープニングテーマが『ムーンライト伝説』でSNSでは歓喜の声が上がっていましたが、《後編》は『セーラースターソング』だとは。これは90年代の『美少女戦士セーラームーンセーラースターズ』のオープニングテーマなんですよね。それをセーラー火球とセーラースターライツの3人が歌っているのが今回のバージョン。いやー、エモすぎでした。

<壮大なストーリーだけどわかりづらさはある>

で、肝心のストーリーなんですが、《前編》からの続きで、今回は最終決戦に挑むのみです。なので、原作漫画を読んでいない、もしくは《前編》を観ないで今回の《後編》のみだと訳がわからないかもしれませんね。まあ、前後編それぞれ80分しかないし、もはや分ける意味あったのかって気もしますが。。。(製作側は鑑賞料金2回分取れるので都合がいいかもしれませんけどねw)

そもそも、この「シャドウ・ギャラクティカ編」は原作でもいろいろ唐突すぎてわかりづらい部分が多いんですよ。カオスがシルバームーン・クリスタルを求める動機やセーラーギャラクシアの生い立ちなどがあっさりとしか描かれていないので。

中でも一番理解しづらいのが、ちびちびことセーラーコスモスの正体です。気が遠くなるような未来のセーラームーンの究極の姿ってことだけど、じゃあ今ここにいるセーラームーンと同一人物ってことでいいんですかね。となると、タイムスリップしてきたってこと、、、?なんか、マーベル作品を観ていると、時間軸は枝分かれするものという認識があるため、作品によって揺らぎがあると混乱しますよね。そういえば、今回の映画でセーラーコスモスの声優をやられていたのは北川景子さんでしたね。この方は実写版『美少女戦士セーラームーン』(2003-2004)でセーラーマーズを演じていたので、今回の起用はかなり感慨深いものがありました。まあ、実際に声を聴いたらちょっと違和感はありましたけど。。。(笑)

あと、ギャラクシーコルドロンに溶けたみんなを元に戻したコスモス・クリスタルとかラムダ・パワーとか、名前しか出てこないんですよ。それが何なのかわからないのだけど、もはやすべてうまくいくようにそれっぽい名前をつけただけのようにも感じます(笑)

それぐらい、第5部はそれまでの話と比べると一気に小難しくなるんですよね。なのに、僕が★を10個もつけてるのは、これまで全シリーズを観てきて、その集大成としての今作の世界観が好きだからです。セーラー戦士たちによるかつてない総力戦かつ、セーラームーンの自己犠牲の精神は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)に通ずるものがあるかなと(え、違うって?w)。

<セーラームーンの大きな愛に包まれる物語>

最後までシリーズを観て考えたのが、「結局、セーラームーンって何だったんだ?」ってことです。で、僕が思うに、彼女はとてつもない大きな愛を持ったキャラクターで、このシリーズはセーラームーンのその大きな愛に包まれる話なんじゃないかと結論づけました。

月野うさぎであるときはドジで泣き虫でっていうのは最後まであまり変わりませんでしたが、セーラームーンとしての成長はめざましいものがあります。最初は月野うさぎまんまでしたけど、前世ではプリンセス、未来ではクイーンという立場になることを知ってか、どんどん強くたくましくなっていきました。そして、彼女はいつだって、愛する人や愛する仲間たちのために戦っているんです。大好きな人たちの笑顔を絶やさないために、ずっと仲良く暮らしていくために戦い、どんなに絶望的な状況でも最後まで諦めません。その愛の大きさ故か、孤独を解消するために他の存在を求めようとしたカオスやセーラーギャラクシアにも理解を示し、手を差し伸べようとしていたほどです。すべてを捨て去る勇気とすべてを受け入れる勇気を併せ持つ大きくて眩しい愛の形。それがセーラームーンなんですよ。

<そんなわけで>

現時点で発表されている最後のセーラームーンの映像作品としてぜひ見届けてほしい映画です。観る層は限られるだろうけど、原作漫画を読んだ人、90年代にテレビアニメ版に熱狂した人にはオススメしたいです。エンディングテーマでまた"あの歌”も聴けますし。

それにしても、これでもう終わりですかねえ。セーラーギャラクシアがカオスと行動を共にするようになるスピンオフや、ちびうさが次のプリンセスになるまでの物語があってもよさそうですけど(笑)

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