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80歳、真夏の大冒険〜「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」

「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」を見てきた。

前作からは15年目。
シリーズ第1作「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」から、44年。
映画の中の時間では、年代的にはいちばん古い第2作の1935年から、今回の1969年まで、34年の月日が流れている。
ハリソン・フォードは80歳、インディアナ・ジョーンズも70歳になった。
しかし、そんな年齢を感じさせない元気なおじいちゃんぶりを発揮している。

物語の始まりは1944年。
ナチスに捕らえられたインディ・ジョーンズ。
被された袋の下から現れるのは、なんと30代にも見えそうなハリソン・フォード、いや、インディ・ジョーンズ。
過去のアーカイブ映像と新技術を駆使して完成させたというから驚き。
そこにCGを合成して、冒頭からアクション全開だ。

そこから舞台は、アポロ11号が月面着陸を果たした1969年に移る。
すっかり年老いたインディは、ハンター大学で最後の授業を終えて引退する。
その帰り道、かつての友人で考古学者でもあったバジルの娘、インディがその名付け子でもあるヘレナ・ショーから声をかけられる。
「アンティキティラのダイヤル」を探していると。

この舌を噛みそうな「アンティキティラのダイヤル」こそ、今回のタイトルにもなっている運命のダイヤル。
それは、アルキメデス(もちろんあのアルキメデス)が発明したとされる謎のダイヤル。
この「アンティキティラのダイヤル」を巡って、マッツ・ミケルセン演じるナチスの科学者、ユルゲン・フォラーとの、CIAやギャングまで巻き込んだ、しっちゃかめっちゃかの戦いが始まる。

よくある、ちょっとしんみりして眠たくなるシーン、そんなものはない。
150分の長さを感じさせずに、物語は進んでいく。
まさに2時間半のジェットコースター。
後半は、何とタイムトラベルまでしてしまう。
お馴染みの、地図の上にコースが描かれるシーンも出てくる。
あの、ピーと赤い線が伸びていく奴だ。
構成は20世紀、展開とアクションは21世紀というところだろうか。
もちろん、ジョン・ウィリアムズの音楽が盛り上げてくれる。

そして最後は、あの人との再会。

今作だけでも、充分楽しめる。
ただ、時間のある人は過去作も見ておいた方がいい。
少しだけ時間のある人は、第1作目と第4作目だけでも見ておくと、うれしさが増すだろう。

さて、前作から15年ぶりのインディ・ジョーンズの活躍を楽しんだわけだけれども、心配なことがある。
最近のハリウッド映画、やたらとシリーズものが多くないだろうか。
このインディ・ジョーンズだけでなく、この夏に新作公開予定のミッション・イン・ポッシブル。さらには、マーベルシリーズやスターウォーズ。
そして、もうひとつの問題は、シリーズが長くなれば当然やってくる、主人公の高齢化だ。
ハリウッドにも高齢化の波が押し寄せているのだろうか。
それが、いいとか悪いとかではない。
でも、できれば、また新しい脚本で新しいスターを生み出して欲しいものだ。
「タイタニック」のディカプリオのような。

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