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#36「誰も教えてくれないIdeal Customer(アイディールカスタマー)」


マーケティングにおいて、4Pの一つ”Promotion”を検討する際に、Ideal Customerを定義することがあります。特に、TVCMなどのコミュニケーションを構築する際に定義したほうがBetterです。
定義したほうが、Promotionのメッセージングや表現、世界観やトンマナがシャープとなることが大いにあるからです。


Ideal Customer(アイディールカスタマー)

※私は初めてこちらの単語を知った時は、恥ずかしながらどう発音するか分かりませんでした...イ、イデール??

和訳すると、理想顧客です。

ターゲットと定めた人の中でも、“こんな人”に商品を買っていただきたい/使用していただきたいと解像度を上げて、ターゲットを言語化しておく。工程です。


例えば、自社商品のターゲットが「30代男性社会人」としましょう。
世の中にどれほどのターゲット人口が存在するかは総務省統計局のデータを活用すれば分かります。そこから逆算し、どれほどの%を動かせばどれほどの売上見込みが立つかは推計することができます。


ただ、「30代男性社会人」の中でもいろんなタイプがいます。

例えば、「独身」と「既婚」だけでも生活スタイルは異なります。
また、既婚者の中でも「子あり」「子なし」でも意識・行動は異なってきます。
さらに、配偶者/パートナーが勤務しているか/していないか。個人/世帯年収。業種/職種。子どもの数。によって、意識・行動がガラリと変わってくることが容易に想像できます。


TVCMで全タイプの「30代男性社会人」を描くことは不可能。

マーケターとして大切なことは、例えライフスタイルが異なったとしても共通【インサイト】を捉える事。※インサイトに関しては、後日note化します。

ただ、仮にTVCMを制作するとき。
たった15秒という映像の中で、全タイプの「30代社会人」を描くことは不可能です。TVCMという物語の中では、極力描く主人公は一人。(描けたとしても、MAX3名ほど。)
その際、どのような「30代社会人」を主人公にすればよいのか?
この時、優先順位指標として「Ideal Customer」が有効となります。
この人に関する物語を映像で表現しましょう!となるのです。



通常、Ideal Customerの定義化は1文や2文では収まりません。
例えばこんな感じ。という例を以下に記します。

■商品AのIdeal Customer

都内電気メーカーに勤める32歳男性。
妻は銀行勤務。共働き。
結婚3年目。保育園に通う2歳の娘。

賃貸に住んでいるが、いつかは憧れのマイホームの購入を考えている。
最近の悩みは健康診断の数値。体重の増加。
娘が生まれてからは、趣味のフットサルをすることも減り、ベルトの穴の位置が徐々に後退中。
情報インプットの時間がなかなか取れないため、通勤の電車内ではニュースアプリの有料コンテンツでサクッと情報入手。

仕事の帰りが遅いこともあり、娘が起きている時間に帰宅することはほぼ無い。
そのため、週末は娘/家族との時間を大切にしている。
(本音は一人でダラダラと過ごしたい。。。)


上記は決して100点満点の正解ではございません。(あくまで一例です。)
Ideal Customerとなる人の、実態/生態/家族構成/悩み/行動パターン/夢/などが言語化されることで、なんだか攻め手が見えてきませんか?
もしくは、TVCMやデジタル広告ではどのようなメッセージを発信すれば彼ら/彼女らに響くかの道しるべが見えてきませんか?

Ideal Customerの定義化は、もしかしたら小説家などの作家が得意とする領域かもしれません。つまり、時にマーケターは作家に変化する必要性がある。ということになるかもしれません。


以上が、誰も教えてくれない「Ideal Customer(アイディールカスタマー)」となります。

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