立川談笑「令和版 現代落語論」を読んで
落語は、好きな方だと思う。
好きな落語のお話は?と急に言われても、2〜3個は挙げられるし
資格試験のために日本のことについてみっちり勉強したので
落語に関する基本的な知識は一般の人よりはあると思ってた。
でもこれって、冒頭で触れられている「(落語を)誤解している多くの人」の範疇なのかもしれない。
最初から自分の無知を実感してしまったので
謙虚な気持ちで読み進めていく。
この本では、
落語の歴史や現在の落語を取り巻く問題など
決して軽くはない話題も
とても読みやすい文体で書かれている。
「現代落語論」というタイトルから想像していたより
何十倍、何百倍も読みやすい。
そして分かりやすい。
この本では
落語はぜひライブで見てほしい
いや、それどころか
落語はライブで見てなんぼ
というようなことを言っている。
しかも、噺家が一方的にしゃべるのではなく
いわば双方向の対話だなんて言われると
ライブで聴く落語がどんなもんなのか、興味が湧いてくる。
そして読み終わる頃には、
よし、機会を見つけて寄席で落語を聴いてみよう
と思ってしまっているのだ。
まんまとワナにはまった。
個人的な印象だが、
落語は「庶民の娯楽」という感じがいい。
同じ日本の伝統芸能でも、
例えば歌舞伎を見に行こうと思ったら
まずは正装していかなくては、という時点で
私の心は挫けてしまう。
でも落語はありのままの自分を受け入れてくれる感じがいい。
(本当に普段着で行って大丈夫なのかは、
実際に行って確かめてみようと思うけど。)
この本にはQRコードがついていて、
談笑さんの改作落語が見られるようになっている。
(しかも本には解説が載っている)
ちょっと落語に興味はあるけど
本当に面白いのかな? 寄席に行って楽しめるのかな?
という人は、一度見てみるといいと思う。
私はこれを見て、じわじわと落語の面白さに引き込まれている。
この本の副題は「私を落語に連れてって」だ。
そのとおり、この本が
落語の世界の入り口までは連れてきれくれたと思う。
ここからは自分で1歩を踏み出して
落語の世界にどっぷり浸かってみようかなと思わせてくれた。
さて、どこで落語が聴けるかな?
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