見出し画像

ジョークのズレ

ガイド中、やっぱりお客様が笑ってくれると嬉しい。
だから説明やトークの中にちょこちょこと
笑えるネタやジョークを仕込むのだけど。
最近、何を面白いと感じるか、
通訳案内士としてどう話すべきかの感覚は
人それぞれだなとも感じる。
今回は、そんなお話。

青と緑

先日、ガイド業務で青森に行った。
とあるガイドさんが、
青森って、文字どおりには「青い森」ですよ。
森って緑でしょ?
おかしくないですか?
信号も、どう見ても緑だけど
日本の小学校ではこれを「青信号」と言うように教えます。
だからみんな緑だと思ってるのに「青信号」って言うんです、
のような話をしているのが聞こえた。
お客様は笑っていたし、
まぁ実際信号は緑色なんだけど。
個人的には、完全に同意はしたくない話だった。

昔の日本では色を表す言葉が少なくて
青から緑のものを広く「青」で表したし、
「緑」というのは元は色の名前ではなくて、若い芽などを指した言葉だったそう。
「山の緑が芽吹く」などの使い方ですね。
(「緑い」とは言わずに「緑色」というのにも
このあたりの事情が現れていますよね)
今でも木の葉が「青々と」茂るというし、
日本人の感覚だと、新緑のような瑞々しいものは
「青」で表しても変だとは思わないんです、
というような話を、私ならしたい。
それが外国の人に理解してもらえるかどうかは不明だけど。

日本の宗教

一方で、私の好きなネタに
日本の宗教に関するものがある。
日本人は特定の宗教を信仰している人はごく少数で
よその宗教の要素もどんどん取り入れてしまう。
そのことを、
日本人は神道で誕生を祝い、キリスト教式の結婚式を挙げ、仏教で葬式をする
みたいな言い方をする。
日本人の特性をよく表していると思うし
これを言うとたいていの人は笑うんだけど。
私が敬愛するガイドさんはこれが嫌いで、
神道と仏教には共通する点がたくさんあるから
問題なく日本の中で共存できている
という点から説明するそうだ。

確かに一理あると思う。
日本人って変ですよね〜、あはは!
で済ませるよりは、日本人の心に根付いている感覚や古くからの習慣をしっかり説明して伝える方が、
難関試験を突破した「全国通訳案内士」としては正解なのかも。

まとめ

私はまだ駆け出しなので
自分がどんなタイプのガイドであるべきかは定まっていない。
でも、ただ笑ってもらえればいいというよりは
笑いの中にも「へぇ〜」と思ってもらえるような何かを挟めるようにしたい。

そのためには広く知識を仕入れたり
様々な角度から物事を見たり
そういう努力が必要なのかなと感じる。
何事も一朝一夕にはいかないので、
コツコツやっていこう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?