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4月に読んだ本の感想をゆるりと。

GWも終盤になろうとしているいま、このnoteを書いている。今年、夫は4連休。シフト制で働いているわたしは、連休を取ろうと思えば取れたのだろうが、だれかにしわ寄せがいくことを目の当たりにするより、いっそ働いてしまおう!と、ちょこちょこ働いている。なにしろ人が少なくて快適な、平日休みが好きなのだ。

こないだ年が明けたと思ったら、もう5月ですってよ。今年の読書のペースはどうだろう。わるくはないはずだ。いまできること、目の前の積読をコツコツと。4月に読んだ本、9冊をゆるりと紹介していきます。

ラジオ・ガガガ(原田ひ香)

わたしの生活に、VoicyやPodcastなどの音声メディアは欠かせない存在となっている。仲良し2人のおしゃべり、漫才コンビのマシンガントーク、ビジネス系のチャンネルまで、気分や時間帯に合わせていくつもフォローしている。ラジオをタイムリーで聴く頻度は少なくなってしまったが、旅先の車内で地方のラジオを聴いたり、ときには野球中継を聴きながらひとりこぶしを握ったり。(笑)ひとの声だけという絶妙なアナログさが、すごくリラックスできて昔からすきなのだ。

原田ひ香さんの、ラジオをモチーフにした短編集を見つけた。こんなの大好物に決まってる。しかも登場するのは、実在するラジオ番組。わたしは聴いたことのない番組だったけれど、(そもそも番組を追うようにコンスタントには聴いてはこなかったから)それでもじゅうぶん楽しめました。ひとの声に、ふわっと救われる夜ってあるよね。著者のラジオ愛もひしひしと伝わる1冊。

罪と罰3(ドストエフスキー)

古典とよばれる長編作品を、じっくり読んでみるかと思い立ち、今年のお正月から読み進めてきた「罪と罰」。

4月でようやく完走しました!今年になってから、ずっと「罪と罰」とともに過ごしてきたからか、少しさみしい(長編あるある)。ハンドバッグに忍ばせるには、文庫本とはいえあまりに厚いんだけれども、続きが読みたくてついつい持ち運んでいたのだった。でも読み切った充実感が大きいし、分厚い本に対峙するわくわくを、改めて感じたのでした。

本編の感想って?これはもうあまりに名作すぎて、生きてるうちに読んでよかった。ほんとそれだけ。また読みます。

今日の人生(益田ミリ)

20代半ばのころだったと思う。実家に帰省したとき、母にすすめられて読んだこの本。母も無類の読書好きというのが、わたしと母の唯一似ているといってもいい点なのだ。この作品で、わたしは益田ミリさんのことを知った。マンガだからと「すぐに読めそうやな」という大ざっぱな第一印象を持ったのも束の間、その世界観がすいすいとこころに入ってきて、何度も同じコマを読み返しては共鳴したのだった。

このシリーズの第3弾が発売されると聞き、なつかしさも相まってイチから買い直して再読してみることにした。さいしょに読んだ本は、母のものだったので手元にはなかったのだ。

再読してみて、20代のころと共鳴する箇所は違えど、やはりすきな本だった。それに、すきなものがもっとすきになれそうでうれしい。これからも年を重ねていく、もっといえば日々という細かいパーツを重ねていくわけだけれども、ずっと並走してくれている。そんな安心感のある、やさしい本です。

エッセンシャル思考(グレッグ・マキューン)

これまでに4~5回は、繰り返し読んでいるのではなかろうか。1度読んでそれきりのビジネス書もけっこうあるんだけど、この「エッセンシャル思考」はダントツの再読回数を誇る。「あー、なんや忙しい!」とか、「時間はあるのになんもできんかった!」とか、仕事や生活の歯車がちょっとズレてるタイミングでいそいそと手に取っている。忙しいと感じるときほど、読むべき本。

エッセンシャル思考とは、「より少なく、しかしより良く」を目指す考え方だ。これだけだと抽象度が高いけれど、だからこそあらゆるシーンで応用できる。いい例・わるい例を、図解を交えて豊富に紹介しながら、具体的な実践までレクチャーしてくれるから、とりあえずひと通り読めばピシャッとイメージは固まるはず。読んでは実践、読んでは実践。生活に少しずつ微調整を加えながら、何度も読んでます。

やりたいことは「副業」で実現しなさい(下釜創)

4月は「副業せな!!!」と焦りモードの時期がややあって。(いまは夫や友にはなしを聞いてもらって、アドバイスももらって、一旦落ち着いたとこ)その時期に、焦り半分・希望半分で読んだ本。読書の動機っていろいろあっておもしろいよね。悩みから端を発して手に取る本もあるから、本棚が人生のバロメーターみたいになるのも納得だ。

副業焦りモードから、冷静になれたのもこの本を読んだおかげか。思えば、「在宅で稼いでみたい!」と、ここ数年はいろいろとチャレンジしてきたのだった。そして考えた末、ほんとうにやりたいこと(コーヒーに関わる仕事)を、本業にすることができている。いまはこれをとことん掘り下げる時期だよなーと、気付かされた。焦りってよくない。

この本に書かれているのは、その場しのぎの副業ではなく、「スキル」を活かした副業を実現すること。わたしはいま、スキルを磨いている最中なのだ。バリスタとして「身につけたスキルをどう活かす?」という視点も持ちつつ、時がきたらまた読み返したい1冊だった。

今日の人生2(益田ミリ)

益田ミリさんの「今日の人生」の第2弾。この作品は、2017~2020年の記録となっていて、コロナ禍での緊急事態宣言中のことも描かれている。当時の閉塞感や人恋しさ、とにかく自由にお出かけしたい欲が、ひしひしと思い出される。イラストでは、ミリさんのマスク姿も登場している。元の日常に戻ったいまだからこそ、「そうだった、そうだった」と振り返ることができる。そして、このありがたみを忘れちゃならん!と、噛みしめるように読んだのでした。

ご時世を反映してか、少し切ないシーンもあるのだけれど、それでも日常にやさしさをすくい上げるミリさん。だれかにとっては些細なことでも、自分にとってはめちゃ大事。そんな日常のワンシーンが、ぎゅっと詰まった1冊です。

回転木馬のデッド・ヒート(村上春樹)

ちょっとお久しぶりになってしまった、といっても3か月ぶり程度なのだが、村上春樹さんの短編小説を読んだ。この作品はずいぶん前に読んだきりで、記憶がほとんどリセットされているのをいいことに、かなり新鮮なマインドで読めてすごく楽しかった。

ここに収録されている8編は、「人間群像を描いたスケッチ」という、一風変わったコンセプト。著者の前書きによると、「文章は原則的に事実に即している」そうなのだが、あくまでも大筋というはなし。「スケッチ」という表現が、ずばり言い得て妙なのだ。これは事実なのか、創作なのか?この合間の浮遊感がたまらない~!

へんなひと、へんなエピソードがてんこ盛りなんだけど、「村上春樹の周辺なら、ワンチャンありえるかも?」と、気付けば没入させられている。

アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂幸太郎)

伊坂幸太郎ブームがおわらない。だっておもしろいんやもん。

確かわたしが初めて伊坂ワールドに足を踏み入れたのは、この「アヒルと鴨のコインロッカー」だったはず。いまの夫と同棲をするとなったとき、2人の蔵書を合わせると、重複する本がややあった。この本もそのうちのひとつで、しばらく2冊持ちしていたっけ。同じ本を持っているって、うれしいよね、っていう、甘酸っぱいはなしです、はい。

それはさておき。この小説は、「え!?!?」となった瞬間に、もう1度最初から読む。そのムーブを起こしたひと、ゼッタイ多いでしょ。わたしも何度目かの再読なのに、興奮しながらページをさかのぼっておりました。少なくとも2度読むことが約束された小説!

おつかれ、今日の私。(ジェーン・スー)

自分の機嫌は自分でとる。ここ数年でよく聞くことばだなぁと感じる。でもよ、わかっちゃいるけど、だれかに労わってほしい日もあるんだよ。お風呂にちゃぷんと浸かりたいけど、そのお湯を沸かすのだってやり切れない日があるものだ。そんな日々を、ほっと緩めてくれるのがジェーン・スーさんのこのエッセイ集だ。

スーさんといえば、エッジの効いた切れ味鋭いトークや、秀逸な比喩表現、皮肉と妄想が絡んだテンポ抜群の文章。これまでスーさんのいろんなコンテンツに触れてきて、深く共感したり、大丈夫だよと励まされたり、その圧倒的熱量からパワーをもらったりしてきた。このエッセイはひと味ちがって、ひたすらやさしい。そのやさしさは、自分自身がぺしゃんこになるような経験をしたり、落ち込んでいる友人に手を差し伸べたり、動きまくって頑張ってきたひとの、たくましいやさしさなのだ。包容力ある言葉たちに、ふわっと救われるエッセイ。

4月に読んだ本まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございました~!

今日はお休みだったので、冬物のダウンをクリーニングに出し、毛布類を圧縮袋に放り込み圧縮し、夏用のタオルケットを洗濯しました。布の入れ替えで埋め尽くされている。(休みが地味)

このあとはひさびさに本屋徘徊でも行ってこようと思います~♪



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