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手書きに思いを込めること

私はアナログなことが大好きだ。

例えばそれはお手紙を書くことや、手帳を書くことなどである。終わりよければ全てよしという気持ちで転職する際には職場の方にお手紙を書いている。これは大学の時からのマイルールだ。
言葉ではうまく伝えれない気がして、相手のことをたくさん考えて綴る文章は愛おしい時間だ。
短い期間でも長い期間でも、そこでお世話になった経験は私にとっては支えで大切な思い出だ。

またお誕生日やちょっとした、プレゼントに添える手紙も好きだ。やはり相手のことを想って過ごす時間が好きなのかもしれない。

職場で今月退職する人がいる。私より3ヶ月だか早く入った先輩である。
私は初めて会ったときから何となく違和感があり、それについて理由はうまく言えない。だが、心がとても冷たい気がする。ふとした瞬間に感じることなのだから、それはその彼女の本質なのかもしれないと思ったりもする。彼女自体は少し苦手なのだが、働いている以上は職場を居心地のいい空間にしたい。だから自分から歩み寄る姿勢は常に持とうとしている。他責にしてしまうところや、人のミスに厳しいところを見てしまうとなかなか心がざわついてしまう。彼女の本質はわからない。仕事が滞っているから、少し精神的に不安定なのかもしれない。今日も不在の人に対して不満を漏らしていた。私はあまりマイナスなことを発言する方とは距離を置いている。空気や雰囲気に飲まれたくないからだ。マイナスを発言してそれをどうにかしようとするならまだ許せる。しかし、そうではない。ただ不満を言いたいだけなのだ。今までなら話を聞いたり、相手を勇気づけようと良い人を演じていた。演じるということは自分を偽っていることになるので、その負担は大きいし、話を聞いたところで彼女の決断を動かせるわけではないので時間の無駄になる。そう思うとその時間は費やせないなと、前を向いて彼女の負担を減らす行動をしようと決めた。
仕事終わりいつも定時に帰る。だが昨日は帰る時に彼女はまだ少し仕事をしていた。その姿を見て、1年前の自分を思い出した。
あのとき私は仕事ができなかった。
毎日気がついたら時間が過ぎていて、時間はたくさんあるのにうまく仕事が進められないもどかしさや、他人に対する不信感など、まさに過去の自分を見ているようで憤りを感じてしまうのかもしれない。
私にできることって何だろと思ったが、やはりお仕事関係では大きく助けれることは少なそうなので、エナジードリンクを手紙と共にお渡しした。
彼女に私の想いが届いたのかはわからない。だけど、こんな小さなことであっても、喜んでくれるかなと思いながら何を渡すか選んだり、短い手紙を書いたりした。相手を想って行動した。
私にとって手書きで文字を書くことは、想いを伝える手段なのだ。口に出さないと、想っているだけでは相手には絶対伝わらない。だから文字でもいい、言葉でもいいから伝える選択を日々心がけている。

何かを渡す時にメモが添えられていると、
心があたたかくなるし、丁寧だなと感じる。
時間をかけて相手のために準備をすることって相手への敬意の表れだと思う。私の友人で会う度に手土産や手書きのお手紙を頂くことがある。
でも本当にそのくらいで、なかなか手書きのメッセージを貰うことはレアなことだ。だから私は手書きで相手に想いを馳せる時間を大切にしている。

今であればLINEやSNSでどこにいても繋がることができるし、いつでもすぐに集まれてしまうくらいに、便利な世の中になっている。

昔であれば携帯がなければ、相手の家に電話をかけたり、待ち合わせでは掲示板を使ったり、誰かについて想いを馳せて待つ時間があった。しかし、今は待つ時間なくとも相手に連絡ができる。もし過去にタイムスリップしたらどれだけ不便なのだろうかと思ってしまう。私たちはきっと大切なことを忘れて生きているのかもしれない。それくらいに今の私たちはこの便利さに慣れてしまっている。

大切なことって何だろう。
私はそれは時間をかけて相手のことを想う時間だと考えている。それは相手を待つ時間、手紙を出して返事を待つ時間、元気にしてるかなと思い出す時間などだ。すぐに返事が来る今だから、待つ時間は大切なのかもしれない。
実際に待ち合わせに早く着いて、相手を待つ時間はドキドキと不安が入り混じっていて緊張するが、これから相手と過ごす時間や、最近どうしてたのかなんて考える時間になる。
きっと昔はその時間が多かった。だから会えた時に、嬉しく時間を大切にするという意識があったのかもしれない。次いつ会えるかわからないからその一瞬一秒愛おしく大切にできる。
そんな当たり前のことを忘れてしまっているのかもしれない。携帯があれば相手にいつでも連絡が取れて、すぐに返事が来る、待たなくていい。
相手を想う時間は愛おしい。あたたかさや優しさに溢れる時間だと思う。
もしあなたが待ち合わせをしていて、待ち合わせ場所に早く着いたら、携帯を触らずに、相手のことを想う時間を味わって欲しい。きっとアナログの大切さを実感でき、その後の時間がもっと大切に愛おしい時間になるはずだ。どうか味わって欲しい。



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