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はかない男6〜納骨のブルース〜

2月の終わりに墓石やのHさんから連絡をもらう。ついに石が中国から到着、そして設置できたとのこと。ああ、ここまで長かった。父も待ちくたびれたことだろう。待たせたな、父。

次の日曜日、お天気もよかったので墓を見に行く。ちょっとウキウキした気持ちで公園墓地の坂を車で上った。父と母が一つずつ持っていた区画、このたびは母の区画のほうを使うことにした。余ったもう一つの区画のほうは後日市役所に返却に行った。

年度末が近いせいか市役所はとても混んでいたが生活課(埋葬手続きとか、墓の購入の窓口)は人が全然いなかった。不用届を書いて出すだけで、5分もかからず。あんまり簡単で拍子抜けした。

墓所の管理料は年間3080円が毎年4月に引き落とされる。「3月分の管理料は日割りで計算して返還しますね」と窓口の人が言って実際260円戻ってきた。

「この墓所買ってから全く使ってないんですが、購入代金が返るということはありませんか」とさりげなく聞いてみたが(nice try!)1円も戻らないとのことだった。

残念だけど、そういうものですかね。しかたないです。16年間、お守りだったと思えばいいのかな。というか、思うしかない。思えば。思おう。

教訓:これから買う予定の人はよく考えて買うように。

で、墓。真ん中に大きく楽しいと書かれた墓、なんだか誇らしげに立っていた。嬉しい。妹じゃないが、早く入ってみたい。

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ところでMariMariとして一緒に活動しているsaxプレイヤーのMarinoはコロナ禍になってからというものずっと松江のわたしの家に住んでいる。「住み込みの弟子ってことで」と言ったりして笑うが、なんのなんの、わたしだって彼女から学ぶことは多い。彼女とは東京のアパートメントもシェアしていて、いろんな意味でパートナーだ。

彼女は宮古島の出身である。昨年からずっとうちの家族の墓計画をそばで見ていて、風習の違いをおもしろがっている。宮古島では先祖をとても大切にしていて、よく一族のお墓に集まって宴会をするのだそうだ。

島根だって先祖は大切に思うけれど、墓で宴会をすることはない。それに先祖のことを考えるのはお盆くらいなものだ。それに引き換え宮古島ではなにかと「ご先祖さまありがとう」なのだ。この辺で何かと「大社さんのおかげ」とか言うのとなんだか似ている。信心というよりは、寄る辺という言葉が浮かぶ。神様仏様ご先祖様だね。

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さて、そんなこんなで「楽しい墓計画」いよいよクライマックスの納骨!

(「はかない男7」〜楽〜に続く。今度こそ完結!)

一週間に一度くらいの頻度で記事をアップできればと思っています。どうぞよろしくお願いします。