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小満

 新緑が目に眩しい。空は青いし、花は咲くし、鳥は鳴くし、気温もちょうどいい。万物が育ち、生命の輝きを感じる頃、それが小満。わたしはといえば、この頃ずっと眠い。生命の輝きはどこへ。全県ゴールもうっすら見えてきた。マラソンなら終盤今が一番きついときかも。なあんて。走ったことないけどさ。

とんちピクルス作フライヤー

 ゴールデンウィークはとんちピクルスさんとマリノと「まりまりとんちの九州ツアー」と銘打って大分県日田市と、長崎県島原市、長崎市に行った。とんちピクルスさんは福岡在住のアーティストだ。わたしの全県ツアーのスタンプカードをデザインした人。ウクレレ弾き。そして詩人。

川のある町 日田

 大分県に行くのは久しぶりだ。2013年湯布院アルテジオで畠山美由紀さんとライブをして以来。今回は日田市の映画館、シネマテークリベルテが会場だ。閉館の危機を乗り越えて若い人が受け継いだ小さな町の映画館だ。今回のライブはリベルテオーナーの原茂樹さん、同級生の瀬戸口剛さんの二人が企画をしてくれた。瀬戸口さんはゲストハウス「水処稀荘」(すいこまれそう)を経営している。昨年のわたしの25周年記念コンサートや、「くぎくぎMIUNI」のイベントには松江まで来てくれた。わたしより一回り下の辰年くんだ。

左から真理子、ゼロキチ、とんちピクルス、マリノ


 リベルテには客席が60席ほど。小さな映画館を維持していくことは大変だろうと思う。でも「町には映画館がないとだめだと思う」と原さんの熱い気持ちがある。ロビーショップには地元作家さんの作品や雑貨が並んでいる。映画だけでなくさまざまなイベントが企画され、とんちピクルスさんは何度も出ているそうだ。リベルテ頑張ってほしい。応援しています。

ジャズバーPIP’Sにて

 ロビーのドリンクコーナーでは、わたしやマリノにちなんで、島根の酒や、沖縄の泡盛が並べられた。つまみには赤天も!また、ライブの翌日からは、宮古島を舞台にした映画「スケッチオブミャーク」の上映もあった。小さい映画館ならではの心のこもった企画。素晴らしい。

小鹿田焼の甕に入ったコーヒー焼酎
サイン会
乾杯のあいさつは原さん

 日田の街を瀬戸口さんが案内してくれた。かつては幕府直轄の天領地。城下町のような街並みが松江に似ている。お店屋さんが立ち並ぶ豆田町、階段がやばすぎる大原八幡宮や、小鹿田焼の里に老舗の食堂、うどんやさんなど。見どころ満載で1日や2日では回りきれない。「進撃の巨人」効果の観光客も多いそうだ。インバウンドで外国の人も多かった。松江からライブを見に来た妹と甥が物販の手伝いをしてくれて助かった。2日目に泊まったゲストハウス「やすらぎ」のリバービューのお部屋も素敵だった。

いいけん
小鹿田焼(おんたやき)
右から原さん、瀬戸口さん

 それにしても、とんちピクルスさんのステージ。しっとり聞かせる哀愁漂う歌から、人形を使ったパフォーマンスまで、TPOをわきまえた笑、幅の広い出し物は大人から子供まで爆笑で、こんな湧きに湧いたステージのあとに出るのかと楽屋で震えた。この日はこのツアーのためにキーボードを貸してくれた「ウクレレの先生」ゼロキチさんも飛び入り参加。アンコールでは「なにもないLOVE SONG」を一緒に演奏し、お客さんと合唱した。34県目ありがとう。

パフェを食べるとんちさん
みなさんありがとう

 長崎県は、とんちさんが紹介してくれた島原COSTAと、お客さんから紹介された長崎パラノイアの両方が決まった。日田から島原への行き方を乗り換え案内で調べたら電車を四回も乗り換えることになるようだ。遠い。地図を見て初めて島原の位置を知る。荷物やマリノの楽器はとんち号で島原に運んでもらうことにしてほぼ手ぶらでJR在来線→特急→新幹線→島原鉄道の電車の旅。楽しかった。

COSTAライブ

 COSTAは海のすぐ近くにある。もとは舟屋で、漁のための道具などが置いてあった小屋を改装したアメリカンなカフェになっている。天井が高くてとってもおしゃれ。L字型のお店の一角をステージとした。それぞれ違った形の椅子に座ってゆったりと見ていただく。熊本からのお客さまもあった。熊本港からフェリーで来たら島原は近いのだそうだ。

オーナーのゆうたさんと。DJブースで遊ぶ

 この日もとんちピクルスさんは炸裂していた。お客様が大人ばっかりだったから、この日はとっておきのR18みたいな歌を歌っていた。年配の奥様方も見えていたが、大ウケだった。才能あるエンターテナーですなあ。恐るべし。

ばんばんばばんばん真顔
ばんばんばばんばん真顔
マリノ真顔
広い店内
終演後のどや顔
打ち上げ楽し
とんちさんの写真撮り過ぎ

 翌朝、ゼロキチさんから借りたキーボードをCOSTAに残して荷物をテトリスみたいに詰め込んだら、とんち号にわたしとマリノも乗れたので、一緒に長崎に向かう。途中諫早のオレンジスパイスでランチ。雑貨とカフェの素敵な空間で、ツアーの合間にとんちさんがソロライブをした場所だった。

 長崎に行くのは中学校の修学旅行ぶり。え?45年ぶり?ぜんぜん記憶がない。あの時はバスに酔っていたしなあ。乗り物に乗るとすぐ酔う子供だった。そんなわたしが全県ツアーだなんて時の流れってすごい。大人の階段の〜ぼる〜🎵ライブ会場「パラノイア」の場所を確認してホテルへ。チェックインまでには時間があったので、ロビーのふかふかソファでマリノと爆睡。とんちさんはちらしを置いてくれた友人のお店に挨拶に行った。本当にまめな人だ。

 ライブの入り時間がきたので、会場へ。そこには試練が(大人の階段が!)

パラノイアは3階にある

 パラノイアはもともと1970年代からのジャズの箱でジャズライブが多かったが、今のマスターになって18年、パラノイアと名前も変えて今に至る。いろんなジャンルの人がライブをしているそうだ。赤茶色のピアノが年輪を感じさせる。マスターはじんばらさんといって、休みの日などは音響さんとしても仕事をしているそうだ。

マスターが一番ミュージシャンぽい
ライブの様子
物販は自分でやります
ウクちゃんとネパちゃん
35県目!

  長崎では平和の歌をと思い、「しゃれこうべと大砲」を。美輪明宏さんの「貴方のためのブルース」も演奏した。1曲目から号泣していた若い男子は骨董屋を営んでいるという。泣き腫らした顔で「とんちさんの歌と浜田さんの声とマリノさんのサックスに共通している何かがあると思います」と言っていた。それはサウダージじゃないかなと思う。そうだったらいいなと思う。

 とんちさんとのライブ、本当に楽しかった。ライブもだけれど、ご飯を食べながら、お茶を飲みながらいろんな話ができたのは嬉しかった。とんちさんは、高齢のお母さん(いくえさん)と暮らしていて時々FBなどにお母さんとの楽しいやりとりをみることができる。いつまでもお元気でいてくださいね、いくえさん。

 あ、そういえば、わたしのアルバム「Next Teardrop」を手にとって「真理子さんのお母さんに元気でいてもらわないと、真理子さんがツアーできないもんね。どうぞお母さんを大事にしてね」と言ってくれた方があった。ラジオにも時々お便りをくれるハリマオさんだ。ありがとうございます。大事にします。

 家に帰ってぐだっとしていたら、娘が来て母の日プレゼントの買い物に行こうという。ありがとうねー。

娘には帽子を買ってもらった。母にはパジャマ買う。

 九州コンプリートの長崎から帰って3日で高松へタッチアンドゴー!宅急便で荷物を送ったりする間もないので車で向かう。お天気が良くて、ドライブ日和だった。気持ちいいー。今年はほんとにたくさん緑を見た。目がよくなるかも。

 高松ライブは5年ぶりの10回目。これまではいつも、speak lowというお店でライブをしていたのだが、コロナ禍でご無沙汰している間に閉店となった。いつも高松ライブの企画をしてくれていた香川さんが燦庫(サンコ)というお店を紹介してくれた。そこはspeak lowの機材やピアノを譲り受けた新しいライブハウスだ。

燦庫ライブ
燦庫の井川さん

 ライブには、ずっと高松ライブに来てくれていた懐かしい方や、先日の高知や新居浜のライブに来てくれた方などが来てくださった。speak lowのオーナーのマスターとママちゃんにも再び会えて嬉しかったー涙。

speak lowオーナーご夫妻と
2019年6月のライブの時。speak lowにて。みんな若い。(そしてやせている)

 高松市内にMAREOというお店があった。そこは店内が海の底のように暗くて、そして壁一面に貝殻で花が作ってある素敵な空間だった。そこに夜な夜な集まる人をイメージして「静寂」という歌を書いた。聞けばMAREOは会員制のお店になったそうだ。

MAREO2019

 お店はなくなったけど、ピアノが残る。歌が残る。人が残る。 speak lowともMAREOともずっとこうしてつながっていくんだなと思うと感慨深い。井川さん、燦庫をオープンして2年。これからもがんばってね。打ち上げの手配もありがとう。ずっと主催してくれた香川さん、お身体の具合が悪くてこの日は来れなかったけど次はきっと。手術の成功お祈りしています。

打ち上げの様子

 打ち上げにはいつもの面々と初めてのみなさんが集う。尺八奏者の杉山至山さんがたまたま尺八を持っておられて一曲披露される。素晴らしい。今度一緒にやりましょう。マリノも挑戦するとすぐに音が出てこれもびっくり。「首振り3年」といわれる楽器なのに1分だったねーと笑う。

アメイジンググレースを演奏。素敵❤️
マリノも習う
おぬしなかなかやるな


 高松ライブが36県目。「あと一つでマジック点灯ですね」と赤い人。マジックて。笑。一人中一位で優勝目指しています。ゴールまであと、11県。よろしくお付き合いのほどを。次は石川と富山。能登地震復興支援の気持ちを込めてライブチケット収益を全額寄付します。

楽しかったー

おまけコーナー

 好きな人たちに呼びかけてバンドを結成しました。その名も極上。「極上参上!」というわけでツアーを組みました。メンバーは檜山学(アコーディオン)、橋本歩(チェロ)、Marino(サックス)、浜田真理子(ピアノ、ヴォーカル)です。よかったらお出かけくださいね。全県ツアーのスタンプも押しますよん。

極上ちらしおもて
極上うら

7月7日  神田ポラリス
7月25日 名古屋得三
7月27日 和歌山メイウインドカフェ
7月28日 大阪ロイヤルホース

詳しくはコチラ


一週間に一度くらいの頻度で記事をアップできればと思っています。どうぞよろしくお願いします。