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「1000枚の服を捨てたら〜」本に触発されて、親との関係改善にもう一度トライした話

何年もの間、片付けという概念すら持たない両親に代わって、祖父母の遺品整理に取り組んできました。整理する中で、故人の気持ちを書き留めたものや、知らなかった一面を見つけた時など、心を動かされる瞬間がたくさんありました。メルカリに出すと、意外なものが思わぬ値段で売れたり、という面白さもありました。

けれど、故人に縁の深いものなどを処分しなければならない時、心が痛みます。手放す痛みを伴う作業を私がしていることを、なぜ両親は知ろうともしないのか?なぜ私が片付けるのを当然と思っているのか?という怒りと付き合ってきました。

やってあげた方は覚えていても、やってもらった方は忘れるのが世の常ですから、母は、私の手を煩わせたことなど当然覚えていなくて、実家の片付けの話をすると、「え、手伝ってくれたっけ?」から始まり、「死んだ後業者に任せるからほっとけ!お前の顔なんか見たくない!孫とも一生会えなくてもいい!」と極端な暴言を吐く始末。実家からの帰り、泣きながら電車に乗ることも何度もありました。

だからもう、放っておくのがベスト。という結論に至り、用があるときだけ(2ヶ月に1度くらい)訪れることにしました。しかし、実際やばいのですよ。足の踏み場は当然ないし、実家からの帰宅後、私が喘息発作を起こすのがパターン化するほどでした。


母は瞬間湯沸かし器なので、自分が放ったきつい言葉は基本的には忘れてしまうようですが、気まずさは覚えているようで、以前は気軽にかけてきた電話も、近頃は遠慮しているようでした。

そんな中、母の友人から、「まりちゃん(私)に伝言を頼みたくてご実家に連絡したんだけど、最近連絡とってなくて…とお母さんが言っていたので、直接メールしました。我々高齢者はいつまでも元気というわけではないので、お母さんに優しくしてあげてね」的なメールが届きました。

その時の私は、風邪と喘息を併発してダウンしていました。実際の母との関係がどうであれ、しんどい時には子どもみたいに「おかあさーん」って思ってしまうんです。そんな中、メールの文面を見て「母は私に連絡するのを拒否したのかな」とメールを見て寂しくなってがっかりのあまり、36.9だった熱がいきなり39度まで出ました。(他にも原因はありますが、人は精神的ショックでも高熱を出すんですよ!)  

で、私の良いところは、そういう伝言ゲームには乗らず、実際に確認してみるところ♡!その母友のメールは一旦脇へ置いて、息も絶え絶えな中、実家に久しぶりに電話してみました。

「〇〇さんから、電話してあげてって言われたんだよね」と人のせいにして話し始め、「今は体調も悪く、こんな話をする場合でもないだろうが、タイミングってのは大事だから言うよ。私はそっちへ寄ると、喘息出るようになっちゃった。だからもう片付け手伝えない。苦手なのは知ってるけど、死んでから業者にと言わないで、どうせお金使うなら生きてるうちに使って、元気なうちにちょっとでも快適に暮らしてほしい。私の気持ちが届かないのが悲しいから何度でも言う。私は片付けられないことを責めてないし、自分でも責めなくていい。困ったら相談してほしい。」

「この前片付けの本で読んだけど、モノでいっぱいのところには、いい縁も風も入ってこないそうだよ。自分で片をつける、始末していくのも大事だと思うよ。何より、自分のことをもっといい環境に置いて、大事にして欲しい」と、前から思ってたけど言えなかったことを20分間話し続けました。

まさに「1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話」のラストさながらに。(ネタバレすみません)

その本のそのくだりを読んだ時は、既に何度も玉砕してるので、「すげーな!いいなー!いや、私には無理だわ!」と拍手は送りつつ、自分にはありえない展開と決めつけていました。

でも、具合が悪い中、母の友人からのメールを開いて、なんとも言えない寂しさを感じた後、猛烈にむかつき「距離できたのはそっちのせいだろ、用があるならそっちから距離詰めてこいや」とか言っても良くない?と思ううちに(実際は言わなかった)、気づけば既に通話ボタンは押され、スマホの電話口には父を経て、母がいました。

そして「〇〇さんが電話しろっていうからかけた」に戻るわけです。勢いって大事です。

相手が病人でも声を荒げちゃう母ですが、私もしんどくて言い過ぎようがなかったので、それほど荒れずに話を聞いてもらうことができました。気持ちを伝えるタイミングとしてはちょうどよかったようです。

「次は◯日ごろに家族で遊びに行くから。連絡は遠慮しなくてもよいから」と重ねて伝え、電話を切りました。面白いことに、その日のうちに私の熱は36.7度に下がりました笑。

母との会話は、もうこの辺でやめておこうか、と何度も思ったけど、昼田祥子さん(本の著者)は頑張ったんだから、私も伝えたいこと出し切ろう!!と踏ん張りました。


この電話で、変化があるかは分かりませんが、やれることはやりました。
偉い、私!ほんとに偉い!!

偶然出会った本に、こんな風に背中を押してもらうとは想像もしませんでした。
昼田さん、勇気をありがとうございます。

実家の悩みにまみれた私にいつも寄り添ってくれる友、夫、ほんとにありがとう!おかげさまで幾度、気持ちが救われたことか。


いい後日談が書けることを祈りつつ、この文が同じ悩みを持つどなたかの力になることを願いつつ、ここまで読んで下さった方にも、ありがとうございます。

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