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D&AD賞 2022 イエローペンシル受賞作から③

先日発表になったD&AD 2022の受賞作から、ゴールド相当に当たるイエローペンシル受賞作を紹介しているシリーズ、最終回です。

Press&Outdoor部門とEntertainment部門で獲得、Doveの"Reverse Selfie"。ティーンのセルフィー文化の浸透によって起こっている、行き過ぎたフィルターアプリでの加工。リアルな自分の容姿への自己肯定感(self-esteem)が危機に瀕していることをCMやプリント広告で警鐘を鳴らしたキャンペーン。2006年にカンヌグランプリを獲得した同ブランドの"Evolution"を思い出させます

Spatial Design部門で獲得。いじめ撲滅を目指す団体、Stand for the Silentの"Social Bullets"。ティーンのネットいじめが横行していて、それは自殺などの悲劇的な結果をもたらしている。独自に開発したアルゴリズムがSNS上のいじめ投稿に当たるメッセージを特定し、233の投稿が集まると1発の弾丸が発射、1人の自殺が起こることをシンボリックに表現したもの。24時間で7万件ものいじめ投稿が検知され、300発の弾丸が発射された。この模様は、親たちのディスカッションや教育セミナーの議論のきっかけとして使用された。

Experiential部門で獲得。フランスのUNESCOの"The Cookie Factory"。Cookieによって搾取される個人情報に抗議するため、嘘のクッキーデータを作れるChrome拡張を制作。40の用意された人物像を選ぶことで、自分の履歴データはこの人物像のデータにすべて書き換えられ、サーバーに送られ、個人情報の搾取が防がれる

アニメーション部門で獲得。Bloody Good Periodのフィルム "typically"。往年のヒット曲、CeCe Peniston "Finally"を、生理のあるあるを歌った替え歌に。タグラインは、"Periods happen anywhere. Let's talk about them everywhere.(生理はどこでも起こる。だから臆せずどこでも話しましょう)"

Film部門で獲得、Wrigley Extraガムの"For When It's Time"。鬱屈としたコロナが終わった理想の世界を表現。タグラインは、"We could all use a fresh start.(誰しもフレッシュなスタートを望んでいる)"。

Writing for Advertising部門で獲得。オーツミルクブランドOatlyのフィルムシリーズ、"The New Norm&Al Show"。プラントベースのNew Normalな食生活に戸惑う、ノーム(Norm)とアル(Al)の2人組(二人合わせてNormal)を主人公にしたTVシットコム風シリーズ。シーズン1として、エピソード5までリリースされている。


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