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予算作りで大切なこと① 見通しで終わらない

前回の記事で予算作りに大切なことをつらつら書きましたが一つずつ深掘りしていきます。

今回は、見通しで終わらせない予算作りということで、見通しと予算の違い、なぜそうなりがちなのかを整理していこうと思います。

見通しと予算の違い

見通しと予算は何が違うのかを一言で言うと、見通しは予算の一部分であり、完成形ではないということです。

そもそも見通しとは以下のプロセスで作られます
・自社を取り巻く外的環境、内的環境を分析する
・上記分析から、自社の現時点の実力値を把握する
・その上で、実現可能な売上成長や利益改善を想定し、数値化する

この内容は予算を作るにあたっては非常に重要な要素なのですが、肝心要の目的設定や戦略検討が抜けています。つまり魂を入れる前の土台が見通しということです。

なぜ見通しで終わるのか

では、なぜ見通しで終わってしまうのでしょうか。ちょっと考えれば見通しだけでは不十分であることはわかるし、その先の戦略検討までやってしまえばいいのでは?と思いますよね。

理由は結構単純なところにあると考えており、二つの理由をあげておきます。

一つ目の理由-単純な時間切れ

というのも、見通しを作る上記プロセスはさらっと書きましたが、実際にやるとなると難易度が高く、労力もかかるものです。常に俯瞰的に自らの事業を捉え続けている人に頼まない限りは少なくとも1ヶ月くらいかかる仕事だと思います。
また、年に一度の予算策定ですが、忙しいので来期よりもまずは今期の業績達成を優先し、取り掛かるのが遅くなりがちです。
そのため、こういった単純な理由で見通し止まりの予算となってしまうのです。

二つ目の理由-メンバーへの過信

こちらはベンチャー系の会社に多い理由ですが、大目標も戦略も既にあり、みんなと共有できていると過信していることです。
見通しさえあれば、すでに共有している目標や戦略との差分をそれぞれのメンバーが考え、個々が能動的に予算を考え実行していく。実際にはそんなことはほぼあり得ないのですが、そういう前提の会社も多いのではと感じます。
こちらの理由は社風にも関わるところが多いため、この状況をしっかりと把握した上で予算のあり方や作り方を丁寧に検討する必要があります。予算は十社十色といいましたが、まさにここが典型的な部分で、予算プロセスを上手く型化できない理由でもあります。

見通し止まりとならないために

では、見通し止まりのとならないためにはどうすればいいのか。(ここは予算策定プロマネの腕の見せ所でもあります)

まず重要なのは、会社の中で予算というものをどういう位置付けにするかを明確にすることです。具体的には以下のことをしっかり決めて同意することです。
・自分たちはどういう目的で予算を作るのか
・その目的のために必要な検討範囲はどこまでか
・最終的なアウトプットはなにか
これをしっかり決めておくだけで、意味ある予算策定ができると思います。(上記を決めたうえで、アウトプットが見通しだけ、とするのはありだと思います。)

また、予算策定に取り掛かるタイミングが遅い、という点については予算策定者が上記の同意もプロセスの一環と捉えた上で予算プロセスを上手にハンドリングしていくことで解決できます。
※この点は今度もう少し深掘りして整理したいと思います。

まとめ

見通しに終わってしまう理由について少しでも参考になる部分はあったでしょうか。
予算作りは、教科書的なものが世の中に少なく、各社の担当が四苦八苦している領域ではないかなと思っています。(言ってる自分がまさに四苦八苦しております…)
でも、それぞれの会社にあった予算策定方法やアウトプットを構築できれば、その会社の成長にすごく寄与する仕事だと思うので、書き留めた内容を改めて自分でも考え直して、仕事にあたろうと思います!




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