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読書日記

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しあわせの形はいろいろだ

しあわせの形はいろいろだ

宮下奈都さんの作品は『太陽のパスタ、豆のスープ』を読んで、好きになった。婚約破棄された女性が、悩みながらも前を向いて生きていこうとする物語だ。
元気がない時や自分を奮い立たせたいときに何度も何度も読んで、勇気をもらった。

そんな宮下さん家族が北海道の十勝・トムラウシという地域に暮らした1年間の日々を描いたエッセイ、『神さまたちの遊ぶ庭』を読んだ。

私自身も、小学校5年生まで札幌に住んでいた。冬

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暮らしを紡ぐ

暮らしを紡ぐ

最近、小川糸さんのエッセイにハマっている。
今回読んだのは『洋食 小川』。糸さんのありのままの日常や海外での暮らしを綴ったエッセイだ。

糸さんのエッセイを読むようになったのは、以前図書館で借りた『針と糸』を読んだことがきっかけ。常識に囚われず、自分の心地良さを大切に日々の暮らしを丁寧に紡ぐ糸さんに心が奪われたのだ。

今回読んだエッセイでは、糸さんの価値観が伝わる印象的なひと言があった。

糸さ

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デッドエンドの中でしか見えないもの

デッドエンドの中でしか見えないもの

先日、図書館でよしもとばななさんの『デッドエンドの思い出』を借りてきた。5つの短編集が集まった作品で、私にとって初めて読むよしもとばななさんの本だ。

どの話も心がずしんと重くて切なくて、なんというか今まで感じたことのない複雑な感情に駆られた。

特に印象的だったのは、「おかあさーん!」と「デッドエンドの思い出」。

「おかあさーん!」

主人公が社員食堂で毒を盛られて死にかけるという不運な事故を

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明るく朗らかに生きてゆきたい

明るく朗らかに生きてゆきたい

先日、図書館で借りてきた小川糸さんのエッセイ『針と糸』を読んだ。小川糸さんの本は、鎌倉を舞台にした『ツバキ文具店』シリーズを読んだことがあったが、可愛くてクセのあるキャラクターと主人公の日常が描かれていてとても好きな作品だ。鎌倉に実在するお店が出てくるのも魅力の一つで、鎌倉がだいすきな私にとっては、とてもワクワクさせられる物語である。

そんな小川糸さんのエッセイを読むのは今回が初めてだった。ベル

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あつかったらぬげばいい。それでいいんだよね

あつかったらぬげばいい。それでいいんだよね

先日、図書館でヨシタケシンスケさんの『あつかったらぬげばいい』という絵本を借りてきた。かわいらしい表紙に惹かれて気がついたら手に取っていた。

家に帰ってきて柿を食べながら読んだ。
1ページずつ見開きになっていて、ゆるくてかわいいイラストとともに日常の出来事が描かれていた。

クスッと笑えるものから深いなぁと思えることまで、読み進めていくたびに「そうか、それでいいんだよね」と思わせてくれた。

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愛とユーモアに溢れたさくらももこ先生

愛とユーモアに溢れたさくらももこ先生

私は、子どもの頃からちびまる子ちゃんを毎週楽しみに見ていた。大学生くらいになっても暇な時はわりと見ていて、その話を友達や彼氏にしたら「まだ見てるの?」とびっくりされた。

ちびまる子ちゃんは、昔ながらの日本の家族が描かれていて私は好きだ。まるちゃんは夏休みの宿題を最終日までやらずに怒られていたり、周りの友達みたいに旅行に連れて行ってもらえなかったり、1冊しかないノートをお姉ちゃん取り合いしたり、決

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