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”間野山研究学会”をご存じか?

あるけどない、ないけどあるを研究しよう

 社会環境が急速に変化する中、地方社会は少子高齢化や過疎化など、解決すべき多くの課題に直面しています。2017年に放映されたアニメ「サクラクエスト」は架空の都市「間野山市」の観光振興・地域振興をテーマに取り上げ、このような課題について深く面白く伝えてくれる作品です。
 本学会は「サクラクエスト」をきっかけに「間野山市」のモデルで姉妹都市でもある富山県南砺市に集まった各地の研究者と実務家、学生がそれぞれの課題や経験を共有する地域間ネットワークとして設立されました。

このブログの趣旨

 コンテンツを活用した観光振興・地域活性化を理論と実践の両輪で扱うネットワークはまだ少なく、仲間の理論や経験は自分の地域の未来を切り開くための助けになります。
 今年度は「コロナからの観光復興・地域復興」をテーマに日本各地で活動する学会メンバーがリレー形式で投稿します。
間野山研究学会の活動をメンバーの記事を通じて知っていただき、よりよい活動に繋げたいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

トリプルパンチからのコンテンツ復興

今回執筆を担当する副会長の佐竹は九州の真ん中、熊本県に住んでいます。他県の方からのイメージは「くまモンの実家」でしょうか。熊本県は2016年4月14日と16日の2回、大規模な地震に襲われ大きな被害を出しました。

地震で大きく崩れた熊本城の石垣(2017年4月1日撮影)

地震発生後、ネットで漫画家さん主導で始まったコンテンツ×復興の動きが「くまモン頑張れ絵」でした。くまモンをモチーフに地震で被害を受けた熊本を応援するメッセージが絵で届き、熊本県民の心の支えになりました。


 熊本出身の漫画家、尾田栄一郎さんの寄付から始まったONE PIECE熊本復興プロジェクトでは、全国から集った物心両面の支援への感謝をキーワードに復興が進む熊本の姿を全国に発信しています。その一環として「麦わらの一味」10人の銅像が県内各地に設置されました。
 地震からの復興途上、2019年末から始まったコロナ禍では熊本ゆかりの妖怪、アマビエが注目されました。誰も権利を持たないので自由に使えるという妖怪の特徴から様々なグッズが作られ、来客が激減した飲食店支援のために販売されたものもありました。
 災難は続くもので、2020年7月には九州から中部地方を令和2年7月豪雨が襲いました。熊本県では特に県南の人吉球磨地方が大きな被害を受け、アニメ化された漫画「夏目友人帳」の聖地の一部が失われました。コロナ禍は復興のための人的交流を妨げ、応援したくても現地には行けない、というもどかしさがある中、夏目友人帳は熊本県と協力して人吉球磨地方を舞台にした特別映像を公開、その後の公認タクシーツアーやキャラクターの影絵を利用したライトアップなどで水害からの復興を支援してくれました。

 熊本県は熊本地震、コロナ禍、令和2年7月豪雨と傷が癒える前に繰り返し大きなダメージを受け、このことを蒲島郁夫県知事は「トリプルパンチ」と表現しました。熊本地震に対するONE PIECE熊本復興プロジェクト、令和2年7月豪雨に対する夏目友人帳の動画やタクシーツアーはその時その時単発で終わるものではなく、コロナ後にも人を惹きつける大きな魅力になっています。このような魅力を生かして県内でどのような動きができるか、これが自分にとっても今後の大きな課題になると考えています。
 次回の投稿は「麦わらの一味」銅像の生まれ故郷、富山県高岡市で活動される道具さんに担当していただきます。間野山研究学会では道具さんとご縁ができ、銅像を通じて強いつながりを勝手に感じています。


この記事を書いた人

間野山研究学会副会長 佐竹信彦
(PopTownProject代表 ㈱佐竹代表取締役社長)
熊本市内で不動産賃貸業を経営しつつ、ポップカルチャーで地域を活性化する活動、PopTownProjectの代表としてイベントの企画運営を行っている。

直前に足を捻挫したので笑顔がひきつっている

 



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