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omoigakezu

昼前より福田美術館、文華館へ展覧会〈ゼロからわかる江戸絵画〉を観に行く。趣旨に違わず応挙より連なる京都画壇をはじめ、琳派に浮世絵師まで幅広くを網羅しており、その量、質は流石という他あるまい。私のような疎い人間にも優しい、「わかる」コレクションである。

曾我蕭白《虎図》
伊藤若冲《蕪に双鶏図》
源琦《朝妻図》
長谷川等伯《柳橋水車図屏風》

海北友松の画を直に眺めるのは初めてであったやもしれん。絢爛の名残と浮び上がる寂の質感。

嵯峨嵐山文華館 1F展示
葛飾北斎《大天狗図》
奥村政信《獅子舞図》
歌川広重《東海道五十三次・見附》

浮世絵については地元、島根県立美術館のコレクションが、版画は先々月にみた川瀬巴水展が連想される。記憶の彼是との比較もまた面白い。

品川亮《白椿》
品川亮《朝顔図》

それらを差し置いてまで鮮烈な印象を残したのが現代作家、品川亮による個展〈Re:Action〉である(である!)。極めて挑戦的とも言える作風は、日本画という伝統の延長線上、その分岐のひとつにも位置付けることができよう。

品川亮《桜図》
品川亮《山水図》

思わず唸るような、心の奥で爆ぜる火花のその一端を、硝子の瓶で掬い上げる。

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