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月と六文銭・第二十章(04)


 韓国大統領の訪日警備は悪夢と言わざるを得なかった。
 日韓関係が戦後最悪で、国際会議場では首脳同士はそっぽを向いて会話もしない状況だった。
 しかし、水面下で情報コミュニティ同士は協力し、要人警護に神経をすり減らしていた。

<前回までのあらすじ>
 内閣府内閣情報室直下に位置する対テロ特別機動部隊、別名「鈴木班」は、韓国大統領への狙撃対策を練っていたが、関係者が入り乱れる展開も考えられたため、慎重に検討を重ねていた。
 班員の一人・鈴木ユナは実は鈴木の娘・綾乃あやのだった。潜入捜査を得意としたカメレオンだった。捜査の対象者である安政大学の留学生イ・ソンホンとチェ・ミンハというカップルに近づいて情報収集を進めていた。

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04
 鈴木はノートPCを閉じて、車イスをベッドの方に向けた。

「貿易商の娘、鈴木ユナか。
 どれくらいの学生に通用する話だ?」
「貿易商の娘というと社長の娘っぽいから、商社マンの娘ということにしてるよ。
 サラリーマンの子供の方が普通っぽいみたいだもん」

 そう言いながらユナは頭のタオルを取った。

「お前の場合、どのレジェンドを使っても誕生まで遡ることができるから、まずバレルことはないからな」

 レジェンドとは偽の身分のことで、潜入や隠密行動が必要な事案(個別案件、ミッションと呼ばれる)の時に使用することが多く、ミッションに合わせて選ぶ。あまり昔まで探られることがないが、誕生の日まで遡ることができるレジェンドは学生や企業、役所などへの潜入捜査のために用意されていた。
 今回の「鈴木ユナ」は誕生から小学校、中学校、高校、大学まで及び、学校のデータベースや卒業アルバムにまで手が加えられ、銀行口座からクレジットカード、マイナンバーまで完備していた。誰が調べても鈴木ユナは“実在する女性”だった。

「でも、いつも本当の誕生日の部屋にしてくれてありがとう。
 普段はカバーに成りきっているけど、パパのそばにいる時は、短い時間でもパパの綾乃に戻れるから嬉しいわ」
「そうか」

 鈴木はそう言って、綾乃、そう、娘の千堂綾乃を見つめた。

 娘の綾乃は、このミッションでは「鈴木ユナ」。父の転勤で高校時代を韓国で過ごし、韓国メイクとファッション、K-POPが大好きな女子大生となって、安政大学に潜入していた。

 綾乃はパパの車イスの前に立ち、顔を少し左に傾けながら前屈みになって鈴木とキスした。唇を離しながら左手で鈴木の手首を掴んで、自分の股間に導いた。キャミソールは短めのもので、綾乃がまっすぐ立つと下の毛の半分を隠す程度の丈で、今の部屋の明るさでは綾乃の白い肌との対比で黒く密集しているのが確認できた。もちろん、その下に隠れている彼女の女性の部分や敏感な真珠の潤いは目では見えないが、水とは違う粘り気を鈴木は指で感じ取っていた。

「パパ、もう少し奥へ」

 そう言って綾乃は鈴木の手を引いた。鈴木は中指を曲げ、綾乃の下の唇の間に指を進めた。

<盗聴、盗撮はされていないはずだ。勇作がこの部屋が第三者に監視されていないことを確認した。逆に、自分の安全のために、別のカメラかマイクを設置したか、ノートPCのカメラとマイクを密かに起動しているかも…>

 鈴木は一瞬思い、吐息が出始めていた綾乃の唇の上に人差指を置いた。
 閉じていた目を開いた綾乃に鈴木は、自分の耳を2回指し、親指を立てて、天井を指した。
 綾乃は首を横に振り、再び唇を重ねた後、鈴木の耳元で、大丈夫よ、と囁いた。
 100%納得していない鈴木が何か言おうとしたら、今度は綾乃が人差指でその動きを制し、再び左手に力を込めて鈴木の右手の中指を更に深く進ませた。ある程度膣の奥に指が進んだところで、綾乃は腹に力を入れ、尻もキュッと引き締めて鈴木の指を締めた。

「パパ、もう遅いからそろそろ横になられたら?」

 綾乃は鈴木を促して、車いすからベッドに移らせた。上からシャツのボタンを素早く外し、ベルトも取った。少し腰を持ち上げるようにして鈴木に腰を上げさせ、ズボンとパンツを取り、天を向いている男根に綾乃は顔を被せ、左手は乳首を挟み、右手は睾丸を優しく揉んだ。

「パパ、このままでもいい?」

 綾乃に聞かれ、鈴木は頷きながら綾乃の髪をかき上げた。綾乃は口を外し、鈴木を見上げた。鈴木は手を伸ばし、綾乃の胸を掴んだ。綾乃の胸はボリュームとしてはDカップかEカップ程度で日本人の平均から見たら豊かと言えた。
 下着メーカーの販売実績からいえば売れ筋がBカップからCカップに移行しつつある時期だったので、明らかにそれよりも大きかった。しかし、重みのある乳房というより、ふわふわした感じだった。乳首は小さく、色も薄くかったが、やや上に向いていた。鈴木はそれを摘まんで軽く動かしながら綾乃の顔を見ていた。

「はぁ~」

 綾乃が息を吐きながら刺激に耐えている様子を隠さなかった。下唇を噛んで耐えている顔に欲情した鈴木は、綾乃の脇の下に手を入れ、持ち上げるように立たせた。

「きれいだね。
 君のお母さんそっくりだ」

 そう言いながら鈴木は後ろに手をつき、上体を反らせた。窓から入ってくる弱い光でも鈴木がアジア某国の政治事変や爆破テロなどで負った傷の数々がはっきり見えた。右脇から右脚にかけての火傷の跡が特にひどかった。もしぐるっと回ったなら、背中一面の大火傷につながっているのが見えただろう。

 綾乃はベッドに上がり、蹲踞の姿勢で鈴木の男根を自分の中に導いた。逆光で鈴木には入り口が見えなかったが、綾乃が一度にきちんと位置を合わせられたので、鈴木の男根はスッと飲み込まれていった。

「はぁ~、入ったぁ!」

 隙間なく、ぴったり収まった感じだった。

 綾乃はゆっくり膝を下ろし、ぺたんと正座をするような感じで座った。両手を鈴木の胸に置いて、はじめは腰を上下に動かし、次第に前後の動きに変え、クチュクチュという音が大きくなり、綾乃の嗚咽もはっきりした愉悦の声となった。鈴木の手を取り、自分の胸に導き、強く揉むよう彼の手を包んでいた手に力を入れた。
 愛する父と一つになれた幸せを感じながら、久しぶりに綾乃は思いっきり達した。計算では大丈夫な日だったので、そのまま父の精を中で受け止めた。

 数分が過ぎた感じがした。本当は一分にも満たない時間だったかもしれないが、激しく脈動していた父の男根が動かなくなったのを確認して、綾乃は静かに尻を上げ、少し柔らかくなったモノを抜いた。
 ベッドを降りて、バスルームから湯で温めたハンドタオルを持ってきて、愛しそうに父の男根を丁寧に拭いた。
 自分が丁寧に拭いた父の男根がきれいになったのを確認した後、バスローブを着せた。

「ちょっと待っててね」

 自分は再びバスルームに向かい、シャワーを付けた。バスタブに片足を乗せて、少しだけ足を広げた。ゆっくりと流れ出てくる精液を愛おしそうに眺めた。
 指で残りを掻き出し、シャワーで洗った後、バスタオルを巻いてバスルームを出た。綾乃はベッドで横になっている鈴木の横に入って、抱きついた。上腕は胸の間、手は太ももで挟んで、唇が耳元にあるような姿勢になった。

「おやすみ、パパ」

 綾乃は軽く父の耳にキスした。

「あぁ、おやすみ、綾乃」

 鈴木が言い終わらない内に綾乃は寝息を立て始めた。耳にその息を感じながら、鈴木は明日の仕事の組み立てを頭の中で反芻しているうちにいつの間にか眠りについた。

***
 時計のように正確な江口が鈴木のドアベルを鳴らす前に綾乃は部屋から消えていた。短時間だが完璧に自分がいた痕跡を消したつもりだった。母の愛した男を愛し、男女として愛し合っている自分に疑問を持たないし、他の男性に惹かれることもない。そして、今はその男のために命を懸けている。自分が生きている理由であり、生きる理由なのだ。

 綾乃の母・琴乃ことのは綾乃の生物学的父親の暴力から逃れようとしていた。幸い看護師の資格があったので、勤め先はすぐに見つかった。一人で逃れたつもりだったのだが、困ったことに琴乃は妊娠していた。勤め先の紹介で、院長の知人の病院で無事に出産したが、働きながら子供を育てるシングルマザーには厳しい環境だった。
 そんな時に四沼重工ビル爆破事件で琴乃が勤める病院に鈴木が担ぎ込まれた。犯人に肉薄したが、結局爆破を止められず、犯人も逃してしまい、公安警察の戦後最大の汚点として記録された事件だった。


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