八反満

はったん・みつる:海外生活18年、ブログ歴25年以上の古参ライターです。ニューヨーク勤…

八反満

はったん・みつる:海外生活18年、ブログ歴25年以上の古参ライターです。ニューヨーク勤務時代等に見聞きした情報を基に舞台を日本に置き換えた小説(フィクション)を書いています。通常連載は日曜、有料小説は水曜、関連情報・マメ知識等はその他の日に更新中。

マガジン

  • 月と六文銭・第二十章~曲率捷径

    日韓関係が戦後最悪で、国際会議場では首脳同士はそっぽを向いて会話もしない状況だった。それがそのまま両国に報道されるものだから、ナショナリストたちは堂々と相手国への非難を繰り返していた。  しかし、水面下で情報コミュニティ同士は協力し、要人警護に神経をすり減らしていた。内閣府内閣情報室直下に位置する対テロ特別機動部隊、別名「鈴木班」は各省庁の協力を得ながら大統領への狙撃対策を練っていた。

  • 月と六文銭・豆知識編(2024/4-6月)

    「月と六文銭」に関連した豆知識をまとめました。物語の補足やちょっとした会話に活用いただけたら嬉しいです。

  • 月と六文銭・第十九章~鄭衛桑間

    日本に侵入した中国人スナイパー・張敏正、通称「鉄矢」を取り逃がした武田は、暗殺集団・明華の動きを警戒しながら、隣国・韓国与党の大物政治家の狙撃の準備を進めていた。  狙撃の動きをキャッチした内閣情報室直下の秘密部隊「鈴木班」はスナイパーの正体を突き止め、狙撃を阻止しようと動いていた。

  • 月と六文銭・豆知識編(2024/01-03月)

    「月と六文銭」に関連した豆知識をまとめました。物語の補足やちょっとした会話に活用いただけたら嬉しいです。

  • ファラデーの揺り籠(Vol.5)

    CIA工作員・田口静香が営業ウーマン高島都に扮して、謎の能力を持った製薬会社営業マン・ネイサン・ウェインスタイン(実は元軍人マーク・ウェスティン)との戦いをまとめました。 なお、本作はフィクションであり、実在の人物、事件、組織・団体とは無関係ながら、歴史的事件が登場する部分は物語の性質上必要な演出とご理解ください。

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月と六文銭・序章

~韓国要人暗殺未遂事件~  日韓関係が最もよくなかったと記憶されている2010年代、北朝鮮の最高指導者が三代目へと交代し、韓国も初の女性大統領が誕生した。  2015年9月の国連総会に出席したパク・ジウン大統領は、総会で汎アジア貿易圏の充実をアピールしたものの、東アジア及び環太平洋地域会議では、対北朝鮮強硬政策、韓米日合同軍事協定の強化、韓日貿易協定の緩和を推進すると発表し、自国メディアからの逆風を受けていた。  米国からの帰路に日本訪問を予定し、公式行事のほかに、大統領

    • 月と六文銭・第二十章(05)

       韓国大統領の訪日警備は悪夢と言わざるを得なかった。  日韓関係が戦後最悪で、国際会議場では首脳同士はそっぽを向いて会話もしない状況だった。 しかし、水面下で情報コミュニティ同士は協力し、要人警護に神経をすり減らしていた。 <前回までのあらすじ>  内閣府内閣情報室直下に位置する対テロ特別機動部隊、別名「鈴木班」は、韓国大統領への狙撃対策を練っていたが、関係者が入り乱れる展開も考えられたため、慎重に検討を重ねていた。  安政大学国際部に帰国生枠で編入していた鈴木ユナは、貿易

      • 文言認証:声を認識してロックを解除する機能はあるが、不十分といえる。録音され、再生された場合に解除される可能性がある。理想は本人の声で、特定の文言を発した時のみ解除されるシステムか。好きな映画の台詞、名言・格言の類で本人のみがそれを知っていることが理想的。

        • 携帯電話のロック:最近の携帯電話は指紋認証や顔認証機能が搭載されている。寝ている間に指紋を使われたら開いてしまう。目を開いた時の笑顔がキーになっている場合は寝ている時に勝手に開けられることはないだろう。武田は昔ながらのパスワード入力を愛用。

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        月と六文銭・序章

        • 月と六文銭・第二十章(05)

        • 文言認証:声を認識してロックを解除する機能はあるが、不十分といえる。録音され、再生された場合に解除される可能性がある。理想は本人の声で、特定の文言を発した時のみ解除されるシステムか。好きな映画の台詞、名言・格言の類で本人のみがそれを知っていることが理想的。

        • 携帯電話のロック:最近の携帯電話は指紋認証や顔認証機能が搭載されている。寝ている間に指紋を使われたら開いてしまう。目を開いた時の笑顔がキーになっている場合は寝ている時に勝手に開けられることはないだろう。武田は昔ながらのパスワード入力を愛用。

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        • 月と六文銭・第二十章~曲率捷径
          4本
        • 月と六文銭・豆知識編(2024/4-6月)
          25本
        • 月と六文銭・第十九章~鄭衛桑間
          18本
        • 月と六文銭・豆知識編(2024/01-03月)
          74本
        • ファラデーの揺り籠(Vol.5)
          14本
        • 月と六文銭・第一章
          0本

        記事

          デジカメ:メモリに写真を保存して、必ずメモリを外して保管する。決してネットにつながない。プライベートな写真を撮っている場合は特に。武田はいまだにデジカメを使うのはこうした理由からだ。もう一つは嫉妬深い恋人・のぞみが携帯電話を見た場合、「変な写真」がないようにするため。

          デジカメ:メモリに写真を保存して、必ずメモリを外して保管する。決してネットにつながない。プライベートな写真を撮っている場合は特に。武田はいまだにデジカメを使うのはこうした理由からだ。もう一つは嫉妬深い恋人・のぞみが携帯電話を見た場合、「変な写真」がないようにするため。

          月と六文銭・第十九章(17)

           鄭衛桑間:鄭と衛は春秋時代の王朝の名。両国の音楽は淫らなものであったため、国が滅んだとされている。桑間は衛の濮水のほとりの地名のこと。殷の紂王の作った淫靡な音楽のことも指す。  武田は夢の中でスタイル抜群なシングルマザー・上田陶子との初めてのデートを思い出していた。行為に満足したものの、性癖を刺激されたのか、彼女に対し無茶なお願いをしていた…。 65 「眺めていてもいいかな?」 「ええ、もちろんよ」 「そうだ、写真を撮りたいな。  前、いいって言ったよね?」 「う、うん

          有料
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          月と六文銭・第十九章(17)

          留学生2:武田のパパ活の相手、劉少藩は台湾の最高峰・台北大学から日本に留学していた。私立叡智大学の国際関係学部で日中関係を勉強しながら、日本での就職も視野に入れていた。劉の場合、留学先の学年も同じだったため、同じ年代の同級生に囲まれて、違和感がなかった。

          留学生2:武田のパパ活の相手、劉少藩は台湾の最高峰・台北大学から日本に留学していた。私立叡智大学の国際関係学部で日中関係を勉強しながら、日本での就職も視野に入れていた。劉の場合、留学先の学年も同じだったため、同じ年代の同級生に囲まれて、違和感がなかった。

          留学生:海外では、仕事をしながら、或いは、お金を貯めてから大学に行ったり、留学する者がいるので、年齢の幅が大きい時もある。日本の大学の国際系の学部も留学生が多く、綾乃はまだ二十代だったからほとんど違和感なく学生たちと交流できていた。

          留学生:海外では、仕事をしながら、或いは、お金を貯めてから大学に行ったり、留学する者がいるので、年齢の幅が大きい時もある。日本の大学の国際系の学部も留学生が多く、綾乃はまだ二十代だったからほとんど違和感なく学生たちと交流できていた。

          月と六文銭・第二十章(04)

           韓国大統領の訪日警備は悪夢と言わざるを得なかった。  日韓関係が戦後最悪で、国際会議場では首脳同士はそっぽを向いて会話もしない状況だった。  しかし、水面下で情報コミュニティ同士は協力し、要人警護に神経をすり減らしていた。 <前回までのあらすじ>  内閣府内閣情報室直下に位置する対テロ特別機動部隊、別名「鈴木班」は、韓国大統領への狙撃対策を練っていたが、関係者が入り乱れる展開も考えられたため、慎重に検討を重ねていた。  班員の一人・鈴木ユナは実は鈴木の娘・綾乃だった。潜入

          月と六文銭・第二十章(04)

          エクステ:エクステンション、髪を延長する意味で、長い毛などを編み込んで髪型を変える方法又はそのもの。アクセントとして違う色の髪を編み込んだり、全体的にボリュームを増やしたりする。髪が伸びるまで待てないケースもあれば、状況に応じて柔軟に髪型を変える方法と言える。

          エクステ:エクステンション、髪を延長する意味で、長い毛などを編み込んで髪型を変える方法又はそのもの。アクセントとして違う色の髪を編み込んだり、全体的にボリュームを増やしたりする。髪が伸びるまで待てないケースもあれば、状況に応じて柔軟に髪型を変える方法と言える。

          腋毛:日本人女性はいつの間にか処理するようになったが、依然として、一部の中国や韓国の女性はそのままだ。武田は台湾人留学生・劉少藩が腋毛をそのままにしていることに驚いたが、それに惹かれる自分の意外な性癖を気付かされた。

          腋毛:日本人女性はいつの間にか処理するようになったが、依然として、一部の中国や韓国の女性はそのままだ。武田は台湾人留学生・劉少藩が腋毛をそのままにしていることに驚いたが、それに惹かれる自分の意外な性癖を気付かされた。

          アンダーヘアの処理:悩む女性が多い。剃る、抜く、除毛クリームを使うのがメインの方法。蒸れない、臭わない、痒くならない、生理の血が付かないなどのメリットが多いとされる。しかし、剃るとチクチクする、抜くには手間がかかることから除毛クリームを使うケースが多かった。

          アンダーヘアの処理:悩む女性が多い。剃る、抜く、除毛クリームを使うのがメインの方法。蒸れない、臭わない、痒くならない、生理の血が付かないなどのメリットが多いとされる。しかし、剃るとチクチクする、抜くには手間がかかることから除毛クリームを使うケースが多かった。

          月と六文銭・第十九章(16)

           鄭衛桑間:鄭と衛は春秋時代の王朝の名。両国の音楽は淫らなものであったため、国が滅んだとされている。桑間は衛の濮水のほとりの地名のこと。殷の紂王の作った淫靡な音楽のことも指す。  武田は銀座のホステス・喜美香との窓辺での交わりから一転、静かな時間を迎えていた。夢の中でスタイル抜群なシングルマザー・上田陶子との初めてのデートを思い出していた。 61  上田には武田が何をしたいのか分からなかった。武田の両手は膝を通り過ぎ、足首を軽く掴んでいた。武田が腕を引くと、自分の足首がま

          有料
          400

          月と六文銭・第十九章(16)

          ハニー・トラップ:女性工作員が男性ターゲットを篭絡して情報を得るなどする工作。ロシア(旧ソ連)やイスラエルが良く使う方法と言われているが、長続きしないというのが一般的な評価。離婚に追い込む「別れさせ屋」というのも一種のハニー・トラップといえる。

          ハニー・トラップ:女性工作員が男性ターゲットを篭絡して情報を得るなどする工作。ロシア(旧ソ連)やイスラエルが良く使う方法と言われているが、長続きしないというのが一般的な評価。離婚に追い込む「別れさせ屋」というのも一種のハニー・トラップといえる。

          KCIA:韓国中央情報局。米国をまねて作った。金大中誘拐事件(1973年)にもかかわった悪名高い組織。KCIA部長の金載圭が朴正煕大統領と車智澈大統領府警護室長を射殺するなど、誰のための組織かという疑問を持たれるに至り、改組を経て現在は国家情報院となっている。

          KCIA:韓国中央情報局。米国をまねて作った。金大中誘拐事件(1973年)にもかかわった悪名高い組織。KCIA部長の金載圭が朴正煕大統領と車智澈大統領府警護室長を射殺するなど、誰のための組織かという疑問を持たれるに至り、改組を経て現在は国家情報院となっている。

          月と六文銭・第二十章(03)

           韓国大統領の訪日警備は悪夢と言わざるを得なかった。  日韓関係が戦後最悪で、国際会議場では首脳同士はそっぽを向いて会話もしない状況だった。  しかし、水面下で情報コミュニティ同士は協力し、要人警護に神経をすり減らしていた。 <前回までのあらすじ>  内閣府内閣情報室直下に位置する対テロ特別機動部隊、別名「鈴木班」は、韓国大統領への狙撃対策を練った。日本国内で南北朝鮮のスナイパーが入り乱れる展開も考えられたため、慎重に検討を重ねていた。  捜査の対象になっていたのが、安政大

          月と六文銭・第二十章(03)