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知らないから偏見を持つー共感力を育てるために必要なこと

こちらの記事が非常に興味深かったです。灘中学の生徒にビッグシューが出張講義を行い、その前後の生徒の変化に触れています。

「ホームレス状態になるのは自己責任と思うか」という問いに対しては、「とてもそう思う」「まあそう思う」と、自己責任論が6割を超えていましたが、授業後は「あまり思わない」「全然思わない」が自己責任論を逆転しました」

当事者の話を聞いた後で心境に変化が見られた、要するに「単に事実を知らなかったから、共感できていなかった」という事ですよね。

もちろん話を聞かなくても共感できる場合もあるけれど、あまりに自分とかけ離れた世界の事は、当事者に話を聞く、または自分が当事者にならないと想像が及ばないよなぁ、と。

何を隠そう、私がそうだったのです。

●出産して初めてわかったこと

長女をベビーカーに乗せて外出したら、たった5cmの段差も気になってしまって。事前に察知できずにつまづいて、長女を起こしてしまう事もあったり。

でもこれ、ベビーカーは持ち上がるけど、車椅子の人は大人の全体重がかかっているから相当大変だよな...と気付き、すると芋づる式にエレベーターの無い駅(当時はまだ多かった)やら、リフトの無い都バスやら気になりだしました。

自分が当事者になって初めて、社会的弱者の立場がわかったのです。

●子どものためなら並ぶよね

あと、独身の頃は冷たかったんです、私。子どもは好きだけど、大人はどこか冷めた目線で見つめていました。なので、ディズニーランドのパレード場所取りとか、イベントで親が並ぶとか、無いわ〜と思ってました(苦笑)

でも自分に子どもが生まれて、気付いたらまったく同じ事やってたんですよ。最前列でパレード見せたいし、好きな乗り物乗せてあげたくて!(笑)

もうホント、自分がその立場になってみて、ようやく分かったんですよね。早くに出産した友人とは疎遠になっていたし、話を聞く機会があれば違ったかもしれません。

●経営者が一転、無職

昨日読んだ本にも、似たようなエピソードがありました。
村井理子さんが実兄の死後手続きを綴ったこちらの本は、「羽振りの良かった経営者(作者の兄)が、連鎖倒産と大病で無職に転じてしまった」という、急転直下で真逆の立場になったお兄さんの話。

本の中でお兄さんは「まさか自分がこんな事になるとは思いもしなかった」と述べていて、人間て予測不可な出来事で一転して真逆の立場になることもあるんだな、人ごとじゃないな...と思わされます。

「兄の終い」ーー村井理子さんの、正直で臨場感あふれる文章に、笑ったり泣いたりしながらひと晩で一気読み。自分と重なる状況もあり、重いテーマだけど、なんとも爽やかな読後感でした。

●同じ学力、経済状況が集まりがちな日本の学校

日本は偏差値で学校が振り分けられ、ほぼ同じ学力の生徒が集まりますよね。私立なら家庭の経済状況も似ているし、生活レベルや価値観がまったく違う人と出会わない確率は高いんじゃないかな。

だから、日本屈指の進学校で「自分と違う人への共感=エンパシーを身につける授業」が行われている意義は大きいと思うのです。自分が体験しなくても、当事者の話を聞くことで、日本に共感力が広がるかもしれません。

ぜひ、全国の学校でぜひ実践してほしい授業ですね。

よかったらこちらの記事もどうぞ。共感力を身につけ、自己責任論から解放されて私自身が楽になった話です。



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