見出し画像

【エストニア探索】英語×IT人材の価値なんてとっくに終わってるのでは?

エストニア探訪記第二弾です。
前回の記事を読んでない方はまずこちらからどうぞ!
https://note.com/mane_taku/n/nebaa3cf9eb10

当たり前の基準が違いすぎる

さて、もう一つの目的である「当たり前がどう違うか」も色々と考えさせられることがありました。改めて海外との力の差を見せつけられた一方で、日本の素晴らしさもむしろ輝きを放っていました。トピックのレベル感はバラバラですが、一旦気づいたこと全部出していきます。

① 学校は将来の準備期間

日本では就活早い問題なども度々指摘されますが、職業を意識する早さで言えば海外の方が圧倒的に早いと思います。

なぜならば、将来IT系の仕事に就くならば、コンピュータサイエンスなどのITに関連した学位を取ることが普通だからです。しかも基本Master’s Degree(修士号)が当たり前です。

なので、僕みたいに「文系からITコンサルみたいな仕事をしてる」なんて言うと、まず間違いなく「何がきっかけでそんな心変わりしたの?」と聞かれます。

彼らにとっては、大学は自分が興味あることを学んでいるはずであり、それって最終的には自分の仕事(ライフスタイルの中心)に置くものになるので、繋がっているのが当たり前なんですよね。

正直これはどちらが良いとかではないと思います。
「豊かな人生を送る」という観点では日本の大学みたいに何も考えず好きなことに打ち込める4年間とか最高です。一方で社会に出た暁には、彼らのようにしっかりとその道について勉強してきた人たちと戦う必要があると認識しておかなければなりません。

② エンタメ要素は忘れない

僕が参加したイベントしかり、コワーキングスペースしかり、もちろん環境を整えつつも決してエンタメを忘れないようにしている印象がすごく強かったです。

イベントもビジネスイベントでありながら、オープニングとクロージングではアーティストたちのパフォーマンス。しかも2日目の夜には国内の有名ミュージシャンを呼んでライブを開催。もちろんイベント内でも会場内でコーヒーやジェラートを配っていたりしており、ただいるだけでもだいぶ楽しい空間ができていました。

クロージングステージはみんな立ち上がってライブ参加

僕が使用させてもらった首都タリンにあるコワーキングスペースも面白かったです。まずなんと言っても、建物自体がアーティスティック。中にも卓球場があったりして、みんな仕事の合間に卓球をしていました。

そのエリアには複数のコワーキングスペースとともに、お洒落なバーやレストランが密集。仕事が終わった瞬間お店に移動してお酒を楽しめると言った最高の環境でした。

オフィス出たらすぐビール飲めるの最高

海外の方が残業し過ぎなかったり、1年に1回は長期休暇をとったりと仕事とプライベートがはっきり分かれている感じがしますが、そもそも仕事にもしっかり楽しみを入れてくる気がします。

僕の勤める会社内でも、他の国ではオフィスで歌いながら仕事をしている人が普通にいるそうで、日本の普通は海外での普通ではないと実感させられました。

③  グローバル視点が当たり前

特にヨーロッパかつ小国ならではかもしれませんが。普通に生きる中で当たり前のように他国の存在が視野に入り込んできます。これには地理などのハード要因、人口や言語などのソフトな要因がありますが、少なくともこの感覚は日本にはありません。

例えばビジネスを始めるにしたって、基本グローバル市場でどれだけ広がるかを前提に話が進みます。日本の場合は大半が国内市場についてですよね。

面白かった話の一つとして、エストニア出身のある起業かが、シリコンバレーにピッチをしに行きましたが失敗。全く投資家たちに響くような結果ではありませんでした。そこで、全く別の環境を目指しミュンヘンでピッチしたところ、投資家にぶっ刺さって一瞬で投資が決まったそうです。

政治的な部分でも同じです。ロシアとウクライナの戦争なんてもろに国民感情に直結します。特にエストニアでは歴史の都合上反露感情を抱いている人が多く、普段は比較的穏やかと言われている国民性でもロシア大使館の前ではこのような状態です。

逆に言えば、日本が特殊すぎるのかもしれません。
国内でビジネスが成り立ってしまうし、海に囲まれているため歴史上国境が大きく変わったこともありません。もちろん領土問題は無視できませんが、日本人以外に自分たちの歴史を断絶させられた経験はありません。

これも日本が全て悪いのかと言われれば、そうではないと思います。これほど特殊な環境が整っているのであれば、それを利用するのも一つの手だと思います。ただ、これから人口減少かつ高齢化していく未来の中では、さすがに正直グローバル視点は必須なことは間違いないと思います。

④ 女性の参加者が多い

これはボランティアチームでも実際の会場でも驚いたのですが、女性のイベント参加者が非常に多かったです。

ここでジェンダー論を語るつもりはないですし、そもそも女性比率などを意識する必要がない社会が理想ですが、事実として女性の社会進出は遅れています。特に日本はジェンダーギャップ指数でもとてつもなく遅れています。

しかし、エストニアのイベントは体感値で50%は女性だったように感じます。それは参加者、スタートアップ、講演者全てに通じてです。ボランティアチームに至っては7割くらい女性でした。

しかもみんなIT系の仕事をしていたり、専攻をとっていたりと、女性の活躍が凄過ぎて圧倒されました。というか大学でも周りの友達を見ていればわかりますが、女性の方があらゆる面で優秀ではないかと個人的には思っています。

ダイバーシティとか言うくらいだったら、まずは外国の方を入れる前に女性を登用した方がよっぽど組織に幅が出ます。

⑤ コーラが異常に人気

みんな大好きコカコーラ。しかし、海外でのコーラ人気は日本を遥かに上回るものでした。ケータリングで飲み物が並んでいましたが、コーラだけ他の飲み物の5倍くらいのスピードで減ってきます。

正直見ていて意味わからないスピードでコーラが消費されていきます。

とまあ、ここでは別にコーラの凄さについて話したいわけではありません。日本でヒットするものと海外でヒットするものはもちろん違います。

ここでは、
一言で「ヒットしている」と言ってもその規模は全く違う
ということを言いたいのです。

「そんなこと言っても、コーラって日本でもめっちゃ人気じゃない?」と思うかもしれません。ただ、率直に言ってこのコーラの爆速消費は実際に見て体感しなければわからないと思います。人気のレベルが違います。もはや水です。

だからこそ、漠然と世界で人気というのではなく、本当に細かい粒度で確認していかないと真の姿は見えないものだと実感しました。

例えば日本人から見たらポケモンもジャンプ(漫画/アニメ)も世界的に人気だよね、というレベル感かもしれません。

ですがTitleMAXの総収入データを見ても分かるように、ポケモンは約10兆円、ジャンプは約4兆円の規模です。ジャンプが束になってもポケモンの半分にも届かないわけです。

結局日本はどうすれば良いの?

このような海外との違いをまとめると必ず出てくる問いとして

じゃあ結局日本はどうすればいいんだっけ?

がよくあります。

これにはもちろん様々な答えがありますが、個人的には

根本的な問題以外はあんまり変える必要はない。でもこの世界があることは必ず知っておいた方が良い。

と思っています。

まず大前提として、ジェンダー問題など、人の尊厳に関わるような部分は絶対に他の国良い部分を真似るべきです。特にヨーロッパは人権に関わる意見が強い地域なので、彼らが世界のトップランナーであることは間違いありません。(もちろん一方で人種差別的な問題はありますが。)

一方で、その他の部分は必ずしも真似なければならないかと言われれば、そうではないと思います。

例えば人口も違えば、人々の趣向も違う。歴史を背景とした人々の価値観も違う。そんなことを考えると、必ずしも海外と同じ施策をすることが最も大切とは言えないわけです。

例えば日本の多くの企業は、まずは国内市場に目を向けます。それは単一民族で1億を超える稀有な国であり、かつ言語や文化があまりにも他の国と異なります。そのため、日本企業としては他国にも真似されにくいサービスが提供しやすい上に、ビジネスが成り立ってしまいます。

一方で、別にグローバルなビジネスができないわけでもありません。人口ボーナスのパワーが大きいとは言え、腐ってもGDP世界第3位の経済大国です。世界に打って出るための基盤が揃えられないわけがありません。

つまり、ローカルとグローバルの両方をうまく使える恵まれたポジションにいるのです。
エストニアのように最初からグローバル市場で戦わなければならないのではなく、日本ではどこで戦うかの選択肢が広いとも言えます。

ただ、一方で、そもそもグローバルと戦うことを前提としている存在がいることは知っておかなければなりません。これからさらに少子高齢化の進む日本は、必ずグローバルで勝負しなければなりません。ただ、目の前の世界にはそもそもグローバル市場しか知らない人たちが大量にいるのです。

この人たちに勝っていくためには、少なくとも彼の存在や活動を見ておく必要があります。

結局のところ、

日本には日本だからこそフィットする方法があるが、その方法を採用することと他の方法を知らないことは別問題

ということです。

まとめ

今回エストニアに行ってとにかく思ったことは

何もかも日本とは”違う”

です。

今回書いたこと以外にも、僕のメモ帳には大量に気づいたことが書いてあります。

例えば、エストニアでの一般的な職業。
会う人に職業聞くと、フロントエンジニア、バックエンジニア、デベロッパー、データアナリストなどIT関連だらけ。

彼らが英語を話しながら他の国と仕事をしているわけですから、日本人労働者の勝ち筋って実はもうないのではないか、とも思ったりしました。
「英語×ITで高収入」なんて謳い文句をよく見ますが、そのスキルって基本国内にしか通用しないわけです。

でも一方で、日本はものすごく恵まれているとも強く思いました。一般的に誰もが社会から取りこぼされないような仕組みがあるし、生きる上で必要なものは全て揃っています。

これほどまでに経済が停滞しているにも関わらず人が普通に生活している状況って、別視点で言えば何もしなくてもある程度幸せに生きれちゃう世界が既に完成されていることだと思います。これ多分相当すごいことなんですよね。

もちろん長期的視点で見ると、この社会を維持していくには成長が必要であり、日本人はもっと世界に出ていかなければなりません。しかし、僕たちは恵まれた社会にいることは間違いありません。

話が散らかってしまいましたが、結論、

「違い」を見ることによって得る気づきって多すぎる

ということを言いたいです。

新しいことを学ぶことがもちろん、今まで見ていた景色の中でも新しい発見があります。これは一旦外の世界を見なければ気付けなかったことだったりします。

ぜひみなさんも全く違う環境に飛び込んで、常に新しい経験をする、そんな時間もたまにはオススメします!

読んでいただきありがとうございます!僕の経験がみなさんの生活を少しでも前に進めることができれば最高です!サポートしていただいたことでできた経験はもちろんnoteに投稿します!