見出し画像

ABD - Active Book Dialogueで『話し合いの作法』を読む

ビジネス書を読んで学ぶというチームに参加している。今月は、ABDという手法のファシリテーションを学んだ方が主導してくださって、ABD - Active Book Dialogueを6人+ファシリテーターで読む、という体験をしました。

ABDとは?


「1冊の本を分担して読み、まとめを作ってその内容を共有、対話を通して本の内容の理解を深めていく読書法」だそうです。担当を割り振ってサマリーを時間内に作り(どちらかというと抜粋。自分の考え果たさない)順番にプレゼンをした後に内容をダイアローグで深めていきます。リアルでやる場合には本当に本をバラバラにして担当に渡すそうですが、今回私たちはオンラインでやったので、最初にページの担当が支持され、今日は短く(5-6ページを20分で)2回に分けてサマリー部分をやりました。

始める前に聞いていたABDの良さが、下記の7つ。
1.短時間で読める(厚い本でもみんなで読めば!読まずに読書会に参加することが可能。読んでからでももちろん構わない。)
2.サマリーが残る
3.記憶の定着がインプットとアウトプットを両方することでできる
4.深い気付きの創発
5.いろんなスキル(集中力、要約力、プレゼン力、対話力など)の成長
6.共通言語の醸成
7.性的な読書が動的なものに(超参加型読書法)

実際にやってみて


実際に一度やってみて思ったのは、本当にこれ全部当てはまるな、ということ。私が参加している読書会は、基本本が好き、学びたいという人が参加しているので、1の問題はそれほど大きくはないとはいえ、それでも忙しい時期に、課題書が読めなかったので、と参加をあきらめることはあるし、そもそも読書がそんなに好きではない人に新しいトピックで学ぶ、本を読むというのは相当ハードルが高いのを、見事に越えらえる手法だと思います。実際検索してみると、授業や企業でも取り上げられている例がたくさん上がっていて、特に、例えば部署で新たに仕事で取り組みたいテーマの本を一緒に読む、といった事例は非常にパワフルだと思いました。
そしてもう一つ参加者の感想であったのが、とにかく疲れた。。インプットとアウトプットを両方やるし、いろいろなスキルを短時間に使うので、確かにこれは脳が鍛えられます。今日わたしたちは2時間ちょっとでしたが、3時間もやったらおなか一杯だろうな。そうすると、1冊やるのに複数回やることになり、それも良い勉強になりそうです。

本の内容について(第一章)

今日ははじめに、と第一章まで。今企業や教育の現場で「話し合い」が危機に瀕している、というはじめにの問題提起に始まり、なぜ今こそ話し合いの作法を学ばなければならないのか、がそもそも日本は話し合いが苦手な国、
1.同質性が高い集団。
2.ダメな話し合いを積み重ねている(教えられる機会がないままに、話し合いをしなければならない場面が増えてきていて、負の連鎖が起こっている)
3.正解主義に陥っている(そもそもオプションを考えさせるより、正解を求めることが多かった。正解のある時代の成功体験を生きてきた)
において、これから話し合いが重要になる3つの背景として、
1.さらに「不正解な世界」を生きていくことになる(例えば、「みんなが持っているものをください=正解 赤と黒のランドセル」の時代から、「みんなが持っていないものをください=正解がなく多種多様」な時代へ。
2.情報化、グローバル化、長期雇用からの転換と、人手不足による中途採用の増加によって「多様性」を乗り越える必要がある
3.民主主義を守っていかねばならない
があげられていました。

3番目の民主主義を守らねばならない、の背景としては、世界的にトランプの大統領就任や、専制国家の台頭(中国、ロシアのウクライナ戦)と、日本においても十分な説明がされないままに政策が強行され、若者の間に諦め意識が蔓延してる例があげられていました。この3番目に関しては、話し合い=民主主義が少し短絡的すぎるのでは?(本来は、民主主義には同時により多くの人のための、人民のためのという要素があるべきとの指摘が、戦後の民主主義教育で「話し合い」とともに「多数決」を学んでこられた方から指摘があり、また、いくら民主主義内で話し合ったとしても、じゃあ、専制国家とどう対話するのか?といった別の問題が残るよね、といった指摘も。そうABDの良さとして、一緒に読み進めていくので、より問題意識を明確にしたうえで読み進められる、というのがあるかと思います。まさにABDをやること自体が話し合いを進める手段になっているので、まさにこの課題図書には合っているかも。

いろんな読書方法があるのを今さらながら非常に面白く体験できました。

こういう、学び系のビジネス書が一番向いているのでは?と思いましたが、漫画でも、なんでもできるそうです。それはそれで楽しいのかも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?