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猫を飼っている。
生意気でさみしがりやで、自分を人間だと信じきっているオス猫。

猫はいい。ふわふわなのだ。
生きていても、死んでもふわふわ。
前から見ても、後ろから見ても、余すことなくふわふわぷにぷに。
人間を引っ掻くときと死ぬとき以外は、人間を幸せにすることしかできない生き物。


人間が猫を飼うと幸せになれるのは、猫が何を考えているか分からないからだと思う。
子どもは最初は何を考えているか分からない。でも、大きくなれば不満もぶつけてくるし、喧嘩だってする。
「あなたの育児は失敗だった」と詰ってくることさえある。
それに引替え、猫は喋らない。
それは嫌だとも言わない。
あなたが嫌いだとも言わない。
人生(猫生?)が幸せだったのか、不幸だったのか、教えてくれない。
だから人間にとって、幸せな時間だけを提供してくれる、いわゆる「都合のいい存在」なのではないだろうか。
思うに、猫を飼うことは人間のエゴであろう。


でも、私は猫を飼う。
猫が好きだからだ。


せめてもの罪滅ぼしで、私は毎日彼にちゃおチュールを献上する。
どうか、どうぞ、幸せに。

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