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情報過密社会における「すごい創作者」

大変ありがたいことにTwitterでまたもご質問をいただきました。今回もひねり出したいと思います。※質問はこちらまで

どういう創作者に魅力を感じますか?

ご質問いただきありがとうございます。

なるほど、どんな創作者に魅力を感じるか。

あまり考えたことのない視点でした。自分自身がニュース記者出身ということもあって、日々、「何かを創作している」という感覚が鈍かったからかもしれません。ちょっとひねり出してみます。

いただいた質問をしばらく眺めながら逡巡して、パッとでてきたのは糸井重里さんでした。

糸井さんは言うまでもなく、日本を代表するコピーライターだと思うのですが、個人的に惹かれるポイントは「情報発信のスタンス」にあります。

僕自身もそうなのですが、特に多数の情報が行きかう現在、基本的にコンテンツ制作者の主眼は「興味関心をどう引くか」にあると言って過言ではありません

読者の危機意識にどう火をつけるか。炎上見出しっぽいネット記事や、週刊誌的なタイトル、Twitterに行きかう「大事なことだから1回しかいいません」みたいなものも含め、たくさんの発信者が「どうすれば少しでも人の注意をひけるか」に、執念を燃やしているのが現代だと思っています。

一方で、糸井さんの発信にはそうした落とし穴を過度にあおるような注意文句はないですし、かといって説教くさい美辞麗句が並べられているわけでもない。単純に糸井さんのこれまでの発信スタイルを知っているからこそ、その先を読みたくなってしまう。そして実際に読んでみると深い学びがある。非常にシンプルですが、そういうところに個人的にはものすごい力を感じます。

##「テクニック」ではなく、中身のある発信ができる人に惹かれるという感じかもしれない

遠まわし的な言い方になってしまいましたが、「一億総発信者」となった現在、情報発信をめぐるあらゆるテクニックが流布されています。
そして、そのテクニックを駆使することが優秀なライターや編集者であるかのような喧伝もされ、その習得に躍起になっているという人も多いのかもしれません。

そうした「テクニック」を駆使することで実現できるポジティブな社会変容もあると思うので、バッサリと断罪するつもりは毛頭ありません(というかむしろ、僕はそういうテクニックを日々使いながら働いているという自戒もあります…)。
ただ、個人的には、そうした小手先のテクニックにとらわれることなく、まっすぐコンテンツを伝えられる人。また、それによって少しずつでも信頼を勝ち得て、社会を動かしているような発信者(創作者)に、大きなリスペクトの念を抱きます。

※質問はこちらまで

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