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『note村の一日』Coffee break@Pillow’s Bar&Cafe

巷でいや内輪で話題の『note村の一日』。ほっこりから始まって闇落ちかと思いきや大団円を迎えたもようです。皆様ご無事でよかったよかった😊

スピーディにリレー小説が進んで、読むのが精一杯でしたが、本編か完結したので安心してスピンオフを書かせていただきます。つるさんのCoffee breakを見習ってみようと思います。

まず、本編の全9話+Coffee breakへどうぞ。


そして、こちらも先に読んでいただければ、予習は完璧です!謎解きには必須。

では、Let's Coffee break!


『りらちゃんと海』

岬の灯台がよく見える小高い丘にポツンと立っている一軒家。それがPillow’s Bar&Cafe です。

まくらさんは、眠たそうな顔で自分で淹れたコーヒーを啜っています。
「まくら店長。そろそろ顔洗って髪とかしてイケメン顔を作ってきてくださいよ、もう」
「う〜ん。そろそろ開ける時間かぁ。りらちゃんには叱られてばっかり。」

お菓子作りが大好きなりらちゃんは、この店の大きなオーブンがお気に入りで、気が向いたらアルバイトにやってきてお菓子を焼いているのです。
「店長、チェリーパイが焼けましたよ」
「ありがとう、りらちゃん♪りらちゃんのお菓子は最高に美味しいんだよな〜」
「ん?いま食べようとしませんでした?お客さまに出す分ですよ」
まーったく子どもみたいな店長なんだから‥

「よぉ!」
タイミングよく現れた3人組を、りらちゃんがにこやかに出迎えます。
「いらっしゃい。にゃんくしーさんと理生さんと歩行者bさん。ちょうどチェリーパイが焼けたところなんです」
「さすが化け猫は鼻が効きますねぇ。魚だけじゃないのか。」
とまくら店長。
「そうとも。”おかし”には目がないからな。何なら人魚だって嗅ぎ分ける。」
「にゃんくしーさん、シャレになってないですって」
理生さんと歩行者bさんがたしなめます。
りらちゃんがキッチンからお皿を運んできました。
「さあ、チェリーパイ食べましょうよ。」
「コーヒーもどうぞ。今日のブレンドは深煎りにしてみました。」
まくら店長もイケメンスイッチが入ったようです。
「昨日の桜餅といい、このチェリーパイといい、桜のお菓子は絶品だね。」
「理生さん、ダイエット中じゃないんですか?」
りらちゃんが心配して聞きます。
「へへへ‥バレたか」
「酒もお菓子もイケる口だから、理生さんは」
にゃんくしーさんだって、手づかみでチェリーパイを食べているのですけれどね。
「そういやガレージを改装するって聞いたよ」
「にゃんくしーさんは早耳ですね。」
とまくらさん。
歩行者bさん。理生さんも興味津々。
「ライブハウスにするんですか?めちゃくちゃ楽しみなんですけど。」
「ドラムとキーボード、あるんですか?」
「ええ、それとアルトサックスもPJさんが調達してくれました。」
まくらさんがうれしそうに答えます。
「古いけれど広いのが取り柄だから。もう少し片付ければ来月中には何とかなりそうです。」
「つる亭に触発されたってわけか。」
「まあね、そういうこと。note村にはライブハウスが似合うでしょ。」
「片付け、手伝いますよ。みんなでライブハウス作りましょう!」
みんなとっても楽しそう。

りらちゃんは一人で窓際の席に座って、みんなの様子にニコニコしています。
note村はこうでなくちゃ。私が生まれ育った此処は幸せになりたい人が集まって来るところ。「何もない」と出て行った村人を悲しい気持ちで見送って来たけれど、入れ替わりに素敵なクリエイター達がやって来た。
よかった、もう大丈夫。
りらちゃんはハーブティを口に運びました。窓越しに光る波を見つめながら、お気に入りの珊瑚のネックレスに手をやります。

そうだ、そろそろ特性クリームをたっぷり作らなくちゃ。アレだけは忘れちゃいけないの。

(fin.)

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