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アメリカ駐在:ピックルボールで人生が変わった話 その5

トーナメントに参加すると友達ができた。皆、同じようにオープンプレーで上級者から痛い目に合い、練習友達を探していた。当然上手い人と練習やプレーをすることが一番上達する近道ではあるのだけど、上手い人はもっと上手い人とやりたいわけでなかなか下々の私たちの相手はしてくれない。
トーナメントは同レベルの人たちが集うのでそこで友達を作り練習をコンスタントにできる環境をみんな作りたがっていたのだと思う。

ここで知り合ったLinaと言う女性、フィリピン人でもう30年以上アメリカに住んでいる彼女と、夫と同じ会社の駐妻さんや他の会社の駐妻さんたち、そしてその夫達をも巻き込んでグループを作り、自分達でコートを借りて練習する環境を作った。
また、Linaが連れてきてくれる他のピックルボーラーや、プレー中に自分たちもグループに混ぜて欲しいと言ってきてくれる人たちもいて、その人たちが友達を呼び、どんどんと一緒にプレーをする人たちが増えていった。
2022年の夏はそんなこんなで朝はガールズグループでプレーし、昼からは地元のオープンプレーか(意地悪されないレベルにその頃はなってきていた)Shanaのところのオープンプレーに行き、平日の夜や週末は夫たちを含めたミックスダブルスでプレーをするという文字通りピックルボール漬けの贅沢な毎日を送った。

結局、上手くなるとプレーする人が増えていく。電話番号を聞かれ、初めは誰かのサブで呼ばれるのだが、そこでいいプレーができたりすると呼ばれる回数が増えて行き、毎回呼ばれるレギュラーメンバーに入れたりする。失敗が続くと一切呼ばれなくなる。すごく分かりやすい構図だなと思ったがこれが性に合っていた。

一緒に試合に出るWomen's doublesのパートナーも出来た。だが、試合に出る度にもっと上手くなって、上のレベルで出場したい、もっと大きな大会に出てみたいと思っている私とあくまで楽しくプレーや試合もレクリエーションの範囲内でしたいパートナーとの間に気持ちの上でズレが出てくるようになってきた頃、一人のプレー仲間がKendallに「この子を次のレベルに連れていってあげなさい」と言っていたのを耳にした。言ってくれた彼女とはそんなにプレーをした事はなかったが、すごく良い人でいつも私の上達を応援してくれていた人だった。
程なくしてからKendallに「レクリエーションではなく競技として僕のmixed doubles partner になって一緒に試合に出ないか?」と声をかけられた。

Kendallは地元のジムでは皆が彼とプレーをしたがり、教えを乞い、彼がジムに来ると周りに人がたくさん集まるいわゆるスーパーヒーローで、私はその頃にはオープンプレーで嫌がられることは無くなり、一緒にプレーすると楽しい!と言われるくらいのレベルにはなったものの、彼は紛れもなく雲の上の存在だったのでそのオファーに「え?なんで私?」と思ったのだが、ここでも自前の好奇心が勝り、(OMG!!とか言っていた気がする)彼のオファーを受けてしまう。


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