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ライティングディテールスケッチ #3 Sophienhöfe, Berlin

こんにちは、現在ベルリンでライティングデザイナーとして活動しいていますmami(@mamichen0929)です。
Instagramに投稿しているライティングディテールスケッチをさらに掘り下げて紹介していく記事の第3回目です!

今回は私の住む街、ベルリンで偶然見つけたライティングのご紹介です。

スケッチとポイント

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Instagram投稿

ポイント
- 街に現れるアートインスタレーション的ライティング
(オラファ―エリアソンの作品と類似。考察にて後述)

- 単色の蛍光灯を利用したシンプルな手法

- 壁の色は白色、光の色である青色以外の色はグレースケール化して見える
(光の波長と色の基礎的関係性。考察にて後述)


場所

ベルリンのMitteエリアに位置しています。この辺りはレストランやセレクトショップが多いお洒落エリアなのですが、今回紹介しているライティングはたまたまレストラン帰り道の途中で見つけました。このようなHof(ホフ)を通り抜ける道のある街は歩くたびに発見があって楽しいです。


考察

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さて、こういった単色光の空間ではモノがグレースケール化して見える現象の理由を簡単に説明したいと思います。
そもそも人間が色を見る、とは色それぞれの固有の波長の光を瞳が受け取ることで成り立っています。自然光はあらゆる波長の光の集合体のため、私たちは普段、色鮮やかな世界を見ることができるのです。ところがこのような単色光の空間では、青なら青の波長の光しか存在していません。なので青以外の色はそもそも反射できる光の中に存在していないので、色を失って(いるように)見えるのです。

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スケッチで取り上げたのは青色のトンネルですが、同じHof内にはそのほかに赤色、黄色バージョンが存在しています。街歩きの途中で見つけたらちょっとテンションが上がってしまう、そんなライティングです。

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赤バージョン

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黄色バージョン

たまたま歩いているときに見つけたこちらのライティングですが、ひと目見た瞬間に連想したのはOlafur Eliassonの作品です。Olafur Eliassonとは光や自然を題材にした作品が多い現代の売れっ子アーティストで、メインスタジオをベルリンに構えています。

2019年にロンドンのTate Modernで彼の回顧展ともいえる大規模展示"In real life"が開催されていたのですが、その時のエレベーターロビーでの展示の一部になっていたのが"Room for one color"です。その名の通り単色の光源のみを用いることにより黄色以外の色をグレースケール化してしまいます。実際にこの空間の中で人の顔を見ると、まるで白黒映画を見ているような感覚を覚えます。色彩を失った世界はどこか不思議で、どこか不気味でもあります。ちなみに私はこの展示がどうしても見たくて、弾丸で週末ロンドン旅行をしました。

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Tate Modern, Londonでの展示風景 (2019.Nov)

1997年に発表された作品ですが、展覧会ごとに空間を変えて、仕組みはそのままでの展開をしています。なぜか、Olafurの場合は毎回必ず黄色の光を用いています。手法はいたって単純ながら、人々から色を奪い、色と光について想起させるインスタレーションは、彼の作品の中でも私のお気に入りのひとつです。

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彼の公式ホームページでこれまでの作品紹介がされています。Room for one color以外にも光を用いた素晴らしいアートインスタレーションを生み出しているアーティストです。いつかまた彼にフォーカスした記事を書きたいと思います。

それでは次回も楽しみにしていてください!

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