「やりたいこと探し」を終えた私が考える、やりたいことを見つける手法
「やりたいこと探しには時効がある」。キャリアコンサルタントの講習を受けて感じたことのひとつです。
この一言だけだと語弊があるので、補足します。
正しくは、「一生かけて一つのやりたいことを探すのはもったいない」、言い換えると、「やりたいことはその時々で変わっていくのだから、チューニングすれば良い」と考えています。
この記事のタイトルには「やりたいこと探しを終えた」と書いていますが、「終えて、おしまい」なのではなく、「終えて、はじまる」のがやりたいことであり、夢であり、人生の目標と考えます。
なぜ、その考えに至ったのか。そして、今まさに「やりたいこと探し」を行っている方が、どうしたら「やりたいことを見つけて、実行する」段階に移れるようになるかを考えてみたいと思います。
誰か私の「やりたいこと」を教えてくれたらいいのに
そう考えたことのある方はいらっしゃらないでしょうか。
まさに、私は、そうでした。
SNSで社会人大学院に通ったり、MBAを取得している方を見た時、「なぜあなたはそれを選んだの!?!?」と聞きたくて仕方がなかった。
私にも、私なりの才能の活かし方があるのではないか。もっと楽しく人生を歩めるのではないか。
そのためには、「やりたいこと」を探さなくちゃいけない。でも、それがわからない。
あぁ、誰か、私に「君はこれが向いてるよ!」と天啓を授けてくれればいいのに……。
ずっとそう思いながら、2023年の初頭から「やりたいこと」を探し続けていました。
なので、その時の自分を振り返って、「もっとこうすればいいよ!」とアドバイスをするつもりで、この記事を書いています。
スーパーのキャリア発達理論に触れて
人間に発達段階があるように、キャリアにも発達という考え方があります。
アメリカの経営学者・心理学者のドナルド・E・スーパー(1910~1994)は、キャリア研究者でもありました。
彼は、キャリアというものを「職業的自己概念の実現」と捉えました。
「自己概念」というものは、主観的/客観的な「わたし(あなた)はこういう人だ」というイメージです。
このイメージを、働くことを通して実現することが「キャリア」なのだと唱えました。
キャリアには人生の「段階」と「役割」がある
「海賊王におれはなる!」と高らかに宣言できることは、とても素晴らしいと思います。
モンキー・D・ルフィは、海賊王という職業を選択できる「段階」であり、「役割」もまた、彼にそれを許したことになります。
段階=ライフステージは、各理論によって数の増減がありますが、ここでは最も基本的なスーパーのライフステージを見ていきます。
彼は、人生を5つの段階に区切りました。
子どもが言う、「大きくなったらプリンセスになる!」とか「プリキュアになる!」というのは、だいたいは「成長」段階で言わなくなります。
これは、現実の自分の姿が統合され、「自分にはその能力はない」というのを理解するからです。
ルフィが海にでた時は17歳とのことなので、「探索」段階に入っていますが、彼はおそらく、その仕事と自分を結び付けて「できる」と思ったのでしょうね。
ちなみに「役割」=ライフロールというのは、人は年齢によっていくつもの役割を並行して演じ、それには特定の期間があるというものです
「子ども」「労働者」「市民」など9項目がありますが、ここでは割愛いたします。
私たちの人生は、「特定の仕事に絞る」段階があってこそ
さて、私がこのライフステージを見た時に感じたのが、まさに「やりたいこと探しには時効があるんだな」ということでした。
この理論が提唱されたのは1950年代で、当時とは進学率や就労年齢が異なるため、現代では各年代において±10歳くらいは変動があるかと思います。
それでも「特定の仕事に絞る」という工程は、「専門性を高める」「責任が増す」といった、私たちが「自己実現をしたい、自分の才能を活かして人生を歩みたい」と考えるゴールを達成するためには、不可欠なものであることに変わりはありません。
たとえば、司法試験は平成14年に制度改定がありました。
それまで何年でも受け続けることができたこの試験は、改正を期に、現在は5年間に5回までという制限が設けられています。
つまり国は、「法曹に入る」という「やりたいこと」を、5年以内で見切りをつけてね、と言っているのです。
どんなに私たちが夢想しても、「いつかは区切りをつけて、自分の人生に納得し、仕事をする」という生き方が、だいたいの人(=平凡な私たち)にとって良いのだと、引導を渡されているように思えます。
私は、この引導にやさしさすら感じます。なぜなら、私たちの人生は「やりたいことを探し続けること」そのものではないからです。
「やりたいこと探し」はPDCAのどこ?
仕事で「PDCAサイクルを回せ」とはよく言われますが、「やりたいこと探し」が人生のどこに当てはまるかと言うと、「Plan」なのではないでしょうか。
やりたいことを探す、司法試験で言えば「試験勉をする」ことで時間を費やしてしまうのは、ずっとPlanを練っていることを意味します。
思い起こしてみれば、やりたいことを探すのは、その先に私たちの人生の満足があるからです。仕事や職業を通して自己概念を確立する喜びを求めているからです。
これらは、PDCAの「Action」の先にあります。
そのため、私たちは、なるべく早めに「やりたいこと探し」を終えて、「実行する」段階に移行する必要があります。それがない限り、私たちが求める「やりがい」は得られないからです。
やりたいことを見つけるには
では、「やりたいこと探し」を終えるには、どうしたらよいでしょうか。
話は変わりますが、私は今、IT企業に勤めています。
開発手法はいくつかありますが、最近は「アジャイル開発」という手法が浸透してきたように思えます。
これは、文系人間の私がざっくりご説明すると、「根詰め過ぎずに、早めの段階でリリースして、ユーザーの反応を見ながら修正を重ねることで良いプロダクトにしていこう」という方法です(エンジニアのみなさま、ざっくり理解ですみません…)。
私は、「やりたいこと探し」にもこの手法を援用できるのでは、と考えています。
つまり、「わたしのやりたいことはこれだ!」と決めつけすぎずに、「なんとなく興味あるかも~?」な段階で、小さめにスタートしてみることです。
小さめにスタートし、フィードバックをもらって、軌道修正していく。それにより、
Planの期間を短くできる
フィードバックをもらうことで自分を客観視できる
「自己実現」というゴールに早く到達できる
というメリットがあると感じます。
私は頭デッカチタイプなので、いつも「失敗しないように、計画的に!!」と、計画を練りに練りまくってしまう人間です。
しかし、今回、キャリアコンサルタント講習に「えいやっ!」と飛び込んでみたことで、自分のやりたいことの解像度が上がってきた感覚があります。
また、自分を育てるのは自分ではなく、人とのかかわりであるというのが私の信条です。その意味でも、アジャイル的に、小さく始めてアウトプットを素早く出す方法はオススメできます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事が、どなたかの人生のプラスになれると嬉しいです。
また、記事内に誤りがありましたらご指摘いただけますと幸いです。
では、また。
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