キャラクターシートとネーミング:魅力的なキャラを生む著作権回避の秘訣【2024年5月】
前回は、あらすじとプロット(構成)について詳しく解説しました。
今回は、地味だからといって構図を決める作業を飛ばすなんて、とんでもない!
構図こそ、絵本の世界を彩る重要な要素なのです。
…なんて冗談です。
構図について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
さて、今回は構図を飛ばして、いよいよキャラクターシートとネーミングの付け方に取り掛かりましょう!
個性あふれる子供向けのキャラクターと聞いたら、私はディズニーやピクサー映画の動物たちを連想します。しかし、画像生成AIに「〇〇テイストにして!」と依頼すると、著作権侵害のリスクが生じ、倫理的な問題にも発展しかねません。
著作権侵害は、作品を生み出したクリエイターの努力を軽視し、作品自体の価値を損なう行為です。多くの人にとって、パクリ作品は不快感や怒りを招き、強い拒否反応を引き起こします。
パクってしまうのはなぜ?
では、なぜ作者はパクってしまうのでしょうか?
その理由は、具体的なキャラクターの詳細設定が不十分である可能性が高いと考えられます。
作者自身が作品のイメージを明確に把握できていない場合、AIに頼ることでイメージを具現化しようとするのは自然な流れです。しかし、AIは既存の情報を学習して生成を行うため、結果的にパクリ作品を生み出すリスクが高くなります。
絵本作家 まめにゃんのメインブログでは「制作エピソード」を、絵本制作の裏側 まめにゃんでは「クリエーター向けの制作方法」を公開していきます。
絵本用身上調査書を作ろう
そこで今回は、漫画家・荒木飛呂彦先生の著書「荒木飛呂彦の漫画術」を参考に、絵本用に「絵本用身上調査書」をアレンジして、子供たちの心を掴む魅力的なキャラクターを生み出したいと思います。
絵本制作の落とし穴!無意識のパクリを回避する秘策
さあ、キャラクターシートを描くぞ!と息巻いてしまいましたが、ちょっと待ってください!
重要なことを忘れていました。絵本の世界は空想の世界とはいえ、キャラクターの造形にはリアリティも重要です。
もし無意識に好きなキャラクターや世界観に類似してしまうと、せっかくのオリジナリティが損なわれてしまいます。そこで今回は、「パクリ回避テクニック」をご紹介します。
1. ストーリーのあらすじから舞台を想定
まず、物語のあらすじを考え、舞台となる場所を想定します。今回は、星空がよく見える草原から始まり、森の中を進んで、山を登り、山肌が見える山頂がゴールとなる設定です。
2. 地形と生き物の生息域を調査
想定した舞台に合致する地形を探します。Google Earthなどを活用し、実際に存在する場所を参考に、草原、森、山などの風景をイメージします。
さらに、物語に登場する動物が実際に生息している場所を調査します。今回の設定では、北海道知床公園(星空がよく見える草原)から知床硫黄山(ゴールを目指す山)を舞台とし、知床に生息する動物をキャラクターに採用して、必要に応じて動物の変更も取り入れました。
3. 最終確認とイメージの膨らませ
Google Earthを使って、実際に設定した場所の景色や地形を確認します。3Dモデルで制作する際のイメージを膨らませ、より具体的な舞台設定を構築しました。
インターネットや書籍で、動物の写真などを確認しながら、自分のイメージに近い場所と動物を先に決めます。生成AIのGeminiにキャラクターシート書き出してもらいましたが、不正確な箇所が顕著です。長文で複雑なプロンプトの精度は低く、学習されていない情報も多くみられます。具体的には下記のとおりです。
動物の生態に関する情報が不正確: 体長、体重、誕生日などの情報が実際と異なる場合があります。
性格に合致した星座選定が困難: 性格と星座の関連性を考慮した選定が難しいです。
好きな食べ物が現実と乖離: 動物の実際の食性とは異なる好みを生成される場合があります。
項目の重複や矛盾: 同じ項目が複数生成されたり、矛盾が生じる場合があります。
実際の動物の生態情報と照らし合わせながら、不正確な箇所を修正していきます。地味ながらも重要な作業が続き、Blenderに戻りたい気持ちを抑えながら、キャラクターシートを頑張って完成させます。
まとめ
絵本の魅力を一層引き立てるキャラクター作成について、著作権侵害を避けつつ魅力的なキャラクターを生み出す方法を詳しく探求しました。キャラクターシートやネーミングの重要性に焦点を当て、以下のポイントを気を付けました。
キャラクターシートの作成
個性や特徴を明確にする
実在の動物や風景を参考にする
絵本の世界観に合った設定にする
ネーミングの重要性
キャラクターの個性や響きを重視する
ターゲット層に合わせた名前を選ぶ
覚えやすく、発音しやすい名前を選ぶ
また、AIなどの生成ツールを利用する際には、著作権侵害のリスクにも配慮する必要があります。具体的なキャラクターや設定が不足していると、既存の作品に類似したものが生成される可能性があることを注意しなければなりません。
回避するためには…
自分のイメージを明確に把握する
実在の情報や専門家のアドバイスを活用する
生成されたイラストを二次利用する前に、著作権を確認する
絵本制作においては、オリジナリティを大切にしつつ、著作権侵害を回避し、子供たちの心を掴む魅力的なキャラクターを生み出すことが不可欠です。次回は、いよいよキャラクター制作をしてみましょう、お楽しみに!
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