徒然なる日々を想う

I wonder, being a butterfly, I can go anywhere, I hope.

蝶番

　蝶になりたい。どこまでも羽ばたいて自由に空を飛び回りたい。

　自由なんてものはどこにもないのに。そこに蜘蛛の巣があったら。無垢な少年の虫編みネットがあったら。捕まってしまうだろう。

　ここ最近はどうも調子が悪い。変な夢ばかりを見る。

　昔楽しかった風景や友人たちがよく出てくる。「生きろ」と投げかけてくる気がする。身体が心が生きようと訴えかけてくる。

　切ない気持ちで目を覚ます。夢を見ていたときはあんなにも幸福感に満ちていたのに。涙さえ出てくる気がする。

　生きることは難しい。当たり前に給与をもらい、税金を納め、日々の喧騒の中で一生懸命に何かを求めて働き続ける。

　僕は。ナニカになれると思っていた。だから転職した。でも。自分自身を変えずに環境を変えたところでなんにも変わらないと気づいた。

　切ない思い。どこからやり直せばいいのか。やり直しなんてできないのに。朝目覚めるとどうにもこうにも身体を起こす気になれない。

　活力が湧いてこないのだ。筋トレや運動をしたら良いのかもしれない。銭湯に浸かるのも悪くない。少し休んでもいいのかもしれない。

　私は。唯日々を後悔の念で生き続けている。そんな今の状態がつらくて仕方がない。
　
　先生は言う。
「小さなストレスが積み重なると心身に症状が出る。大きなストレスがあればもっとダイレクトな形で不眠や食欲不振の形で出る」

　私は甘えているのだろうか。文章を記すこの時間だけは私を冷静に客観的に俯瞰的に私を維持させてくれる。

　前職に戻りたいのだろうか。違う気がする。辞めた会社は既に辞めるという理由があってのことだ。僕には。僕には。僕には。今は打開する術がない。

　甘えているのだろう。どこかで。まだ自分はどうにでもなると。

　ぶん殴ってほしい。どうにか。損ねてほしい。私の甘えを叱咤激励する人はもういない。私は今の私が大嫌いだ。

　こんな後ろ向きな気持ちでいつまで生き続けなければならないのだろう。

　人は救われない。ただ自らを救うだけだ。ああ。

　今日はなんて素晴らしい日なんだろう。そう思える日を。あがいてもがいて掴み取る。そういうエネルギーを今は蓄える時期なんだろう。

　君は平凡で。凡才で。普通の人だよと。そう言って現実と理想と夢との乖離を埋めてほしい。

　WANTWANTWANTの連続だ。誰も君を救えない。君は救われない。

　ただ君はどこかで踏ん切りをつけないといけない。普通の自分を受け入れる。

　僕には覚悟が足りない。生き抜く覚悟。やり抜く覚悟。覚悟。なぜこんなにもみんな腹をくくって動けるのだろうか。

　普通のことができない。

　当たり前の生活を。受け入れる準備を。僕は。現実を直視する勇気を掴み取らないといけない。

　ありがとう。ごめんなさい。さようなら。

　当たり前のフレーズを吐けないでいるうちは。自分は自分のままで居続ける。

　サヨナラの俳句。細工。ちょこざいな状態で何を如何ともし難い何を。

　包丁を持ち出して、劇的に変わるとすれば。それはそう。自己破産。
　
　落ち着けと。カウンセリングルームで独白をし続けることが。

　今の私に必要な自己整理なのだろう。

　30歳。何者にもなれず。これからも自分で居続けることへの恐怖を思いつつ、この筆を取った。

　さようなら。さようなら。さようなら。

　僕は今日。今の僕と別れて新しい僕になる。

　そんな簡単にはいかないことを知っているのに。

　助けてください。助かりません。僕は。僕は。僕は。。。

　それでもこの混沌を抱えつつ生きていくんだ。静かに。

　嵐が去るのを待ち続けて。雨はいつか晴れる。