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バッグと刀(前編)

note初記事は自己紹介をしようと思っていたけれど、先にバッグの話。

演歌バッグが見つからない。

見つからないというより、どんな形の、大きさの、色のバッグを持ちたいのかが全然分からない。

ファッションの自問自答をしていると、数が減るのは洋服だけではない。靴も減る。バッグも減る。
靴は意外とすんなり、これだ!これが履きやすいし好き!というものに出会えた。
なのにバッグ。クローゼットを開けたら、それなりに数はあったはずなのに、今持ちたいバッグが全然無い。ちゃんと考えて、欲しくて、必要として買ったはずなのに。どれも今の私は持ちたくない!これは私じゃない!と言っていた。

仕事や旅行、運動用以外だと、地元の好きな洋服屋さんのロゴ入りエコバッグが、唯一使いたいと思うものだった。
それ以外のバッグは買取に出すか、使いたくはないけれど見ていては好き、というものは収納として使うことにした。

しばらくそのエコバッグで過ごしていたが、しっかりした素材とはいえ白のコットン、汚れが気になって洗濯をしたら、さっぱりはしたが、しっかりした素材だったのが仇になったのか、ごわごわのしわしわになってしまった。
一応アイロンをかけたが、しわは完全は取れずごわついたまま出掛けた。
収納に使っているバッグを持っていこうかと思ったが、嫌だ!と拒否反応が出た。
病院の付き添いだしこのエコバッグでいいよなと思って自分を納得させた。

待ち時間にも自問自答をしていた。もし何になってもいいよ、何をしてもいいよと言われたら?
ゆっくり休みたいな、コロナ禍の間に行けなかった所に出掛けたい。そのくらいは思い浮かぶけれど、こういう生活がしたいというのは思い浮かばなかった。
ただ、めちゃくちゃファンタジーでいいなら、本丸に帰りたいと思った。

本丸では何を着て過ごそう?やっぱり着物かな。着物だな。
現世に戻っている間は?…着物でいいのでは?
そこで診察室に呼ばれた。

診察が終わって次回の予約日を取る。予想していたより早い。その前日には街に行って試着の旅をしようと思っていたのに…
まだコロナが心配だから、病院付き添いの前には避けたかったのに…
あーあ、予定がずれちゃうよ…
こんなこと考える自分は酷い奴だな…
ネガティブな考えが浮かんで溜まっていく。
時間と気持ちにゆとりが無くて、アクセサリーも付けてこなかった。手元のごわごわのエコバッグではとても心許なかった。昨晩磨いた足元のマーチンだけが少し元気をくれた。

帰りにはラーメンを食べた。
ラーメンは消化不良を起こすことが多いので、おそらく数年ぶり。ハーフサイズだしとか理由を付けて、無性に食べたかっただけ。
醤油の香りを嗅ぎつつ、ラーメンの麺てこんなにかたいんだ、そりゃ消化不良起こすわなとか考えつつ、麺をすすっていたら、『闘いたい』というキーワードが浮かんだ。
何と?
誰と?
その答えが出る前に、きたきたァ!いくさだよなァ!と喜んで出陣していくウチの近侍の素敵な笑顔が浮かんだ。本丸では大阪城の地下を掘る時期だった。

帰ってきて休息を取った。
消化不良こそ起こさなかったが、お腹も気持ちも重い。
考えるのはバッグのこと。
これからのこと。
どうして世の中はこんなに思い通りにならないんだろう!一緒に受け止めてこれからを歩んでくれるバッグが欲しい!今まで私は耐えてよく頑張ってきた!これからはもっと私らしく生きるためのバッグが欲しい!
下を向いたとき靴は元気をくれるし、手元を見たときリングは理想を思い出させてくれるけれど、大切なもの(スマホや財布)を預け、手に持ち、抱き抱え、連れ歩くのはバッグしかできない。
「頑張った自分へのごほうび❤」ではない。これ以上傷つかぬように自分の心身を守り、生き延びるための道を切り開き、疲れた時はそっと寄り添ってくれるような。
刀の近侍のようなバッグを手に入れなければならない、と思った。

ちょうど数日前に行われていたイベント(オンライン参加だった)で、

あきやさんの使い魔劇場を観て(これはアーカイブ観て最高に素敵だったから!!)、「バッグは使い魔」というのを自分に合わせたらどうなるかなと考えたら、「バッグは近侍」というのがしっくり来たのだ。

そうか、近侍か!と思ったら、今まで思い浮かばなかったバッグのイメージがするすると出てきて、更にはコンセプトと合わさって、どんどん絞れてきた。試着してねってたくさん言われて、通販はもうしないぞ!(失敗しまくったから!)って決めた所だったのに、どうしてもこれだ!っていうのが見つかってしまったので、ポチって、明日届きます。

厳密には、今回の近侍バッグは演歌バッグではないのかもしれない。
けれど、アウトプットに使いはじめたほぼ日手帳のカバーを探していて、これでいいか…と思って妥協しようとしていたのが、近侍バックを決めたら、それは嫌だ!と思った。思うことができた。妥協をする、という選択をしないことができた。
一生ものではなくていいけれど(それでは重荷すぎてなかなか選べないし、もし私の気が変わってしまったら罪悪感が湧くだろうから)、これからもっと自分にしっくりくるバッグが見つかるかもしれない。これが私だ!というものに。いつか出会いたいと思っている。
その演歌バッグを探しにいくためのには、もっと自問自答していく必要があるだろうし、つらいこともあるだろう。その道を近侍バッグと一緒に歩いていけたらな、と思う。演歌バッグを手に入れた後も、近侍の力を借りたい時は近侍バッグで行くのもいいだろう。本丸に帰って頼むつもりだ。本刃はいくさじゃねえのかよと嫌がるかもしれないが。

色々書いたけど、明日届くので、まだ触れられてません。
タイトルに前編って書いたけど、後編が未定すぎる。
とりあえず、アーカイブの使い魔劇場観て心を鎮めてこよう。

【追記】5月15日
ひと月くらい経っちゃったけど、後編書いたよ~!