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【シリーズ小説】Guilty

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20代の頃の遼太郎は、やんちゃでちょっと悪いやつだった。抑圧された幼少期、それでも純粋だった高校時代、とある挫折をした大学時代…。社会に出て少々自暴自棄にはっちゃけた彼の青年期の… もっと読む
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記事一覧

鳩のすむ家 #2【"Guilty"シリーズ連載】

~由珠子 桜はその日、満開の便りが届いた。 お寺に寄り、東先生と並んで歩き区のスポーツセ…

mallowska
2日前
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鳩のすむ家 #1【"Guilty"シリーズ連載】

〜福永由珠子という名の女子高生 鳩が3回、鳴く音を聞いた。 また、まだこの時間に意識が覚…

mallowska
6日前
5

【シリーズ連載・Guilty】Unbalance #14(最終話)

~純代 「で、ちゃんと清算できたんでしょうね!?」 「金銭は一切発生してないよ」 「そうい…

mallowska
1か月前
7

【シリーズ連載・Guilty】Unbalance #13

~紗都香 しばらく重い沈黙が流れた。 夫が色目で遼太郎くんに接触したのかもしれないなんて…

mallowska
1か月前
5

【シリーズ連載・Guilty】Unbalance #12

~紗都香 夫がジャカルタへ旅立った9月の終わり。まだ真夏の名残がじっとりと肌にまとわりつ…

mallowska
1か月前
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【シリーズ連載・Guilty】Unbalance #11

~紗都香 派手な浮気をして、初めて夫の不気味な側面を見た。 海外を飛び回っていることやバ…

mallowska
1か月前
7

【シリーズ連載・Guilty】Unbalance #10

~カン・チェヨン 月曜の朝。 今日は負けた。 野島先輩の方が先に出社していた。 野島先輩は新人の頃から誰よりも早く出社していると聞いていた。それが先輩になっても続いた。私は先輩より先に出社しなくてはならないと、もっと早く着くようにしたのだが、野島先輩がムキになって更に早く来るようになった。 そんな "早出合戦" を繰り広げていたら、課長に「お前らいい加減にしろ。普通に来い! 無駄に早出手当持ってくな!」と怒られた。 それでも怒られない程度のギリギリの早い時間で、日々熾烈

【シリーズ連載・Guilty】Unbalance #9

~紗都香 私がバーテンダーからメモを受け取った翌日、火曜の朝。 職場でPCを開くと、遼太郎…

mallowska
1か月前
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【シリーズ連載・Guilty】Unbalance #8

前回 紗都香の前話 ~紗都香 突拍子もない夫の言葉に、咄嗟に理解が追いつかない。 「…な…

mallowska
1か月前
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【シリーズ連載・Guilty】Unbalance #7

~純代 小雨の降る日曜日。 買い物に来ていた渋谷で、本当に偶然、ばったりと、野島くんに会…

mallowska
2か月前
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【シリーズ連載・Guilty】Unbalance #6

「紗都香。なんだ、食欲ないのか?」 箸の進まない私を見て夫が言った。 遼太郎くんと別れた…

mallowska
2か月前
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【シリーズ連載・Guilty】Unbalance #5

~紗都香 夫がリヤド出張から戻って来た。 結婚して4年。これまで不在時も帰宅時も特に何と…

mallowska
2か月前
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【シリーズ連載・Guilty】Unbalance #4

~純代 紫陽花、わりと好きな花。 青と紫が好きな色だから、余計かもしれない。でも最近は真…

mallowska
2か月前
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【シリーズ連載・Guilty】Unbalance #3

2週に一度、わが社内で開催される定例会議にて、野島遼太郎はファシリテーターを務めている。 しっかりとしたアジェンダを用意し、必ず会議のゴールを共有してから始める。時間配分もほぼ完璧。時間内に目標に達しなかった場合は細かくタスクに落とし、各々に宿題を割り当てる。誰が、いつ、何をすべきか完全に把握している。 本当にただの営業マン? たかだか社会人3年目なのに、リーダーどころかPMでも出来そうな器じゃないの。うちのスタッフが彼をヘッドハンティングしようとしたのは、あながち冗談でも