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漆器はjapan

「日本人と漆の歴史」はとても奥が深いですね。

ウルシの木は縄文時代から栽培され、そこから取れる漆を使って縄文土器の製作が行われていました。

漆は光沢を出して土器を美しく見せたり、接着剤として土器の修復や補強に使われたりしました。

今から1万年も前から漆を使いこなしてきた日本人。ものづくり大国日本としては欠かすことのできないアイテムです。

奈良時代には仏像に漆を塗った「乾漆像」が造られます。漆の光沢によって仏の持つ後光も表現されるようになったのです。「法隆寺法華堂不空羂索観音像」や「唐招提寺鑑真像」などが有名ですね。

平安時代には漆を使った「螺鈿」「蒔絵」の技術が流行します。華やかな貴族の社会と漆の関係は深いですね。

中世以降は武士の世の中となり、一見漆が活躍する場面は少なくなったように感じますが、鎧や兜、武具、馬具、調度品などあらゆる製品に漆が利用されています。

またこの頃には、「輪島塗」をはじめとする「漆器」が、各地の特産品として広まっていきます。種類も、箸やお椀、お盆や箱など多岐にわたりました。

近世には、これらの漆器が海外にも伝わり、「ジャポニズム」として流行します。フランスのマリーアントワネットも日本の漆器を愛した一人だそうです。

江戸時代には、本阿弥光悦の「舟橋蒔絵硯箱」や尾形光琳の「八橋蒔絵硯箱」が作られ、現在国宝になっています。

繊細で美しい日本の漆器は、世界で高い評価を受け、「漆器=japan」と呼ばれるようになりました(英語の辞書でぜひ”japan”を引いてみてください)。日本のものづくりやメンテナンスにおいて、美しさと丈夫さを与える「漆」は特別な存在だったと言えるでしょう。(今はjapanだけでは「漆器」とわからないのでjapan ware、lacquer ware と英訳するのが一般的らしいです)

なんだか、美しい漆器を買いに行きたくなってきました。日本文化を感じながら来週の週末に行ってみようかな。

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