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日本史授業脚本「30.西南戦争」

この授業脚本も30記事目になりました。ペリー来航から始まったこのシリーズの中で、西郷隆盛が登場するのは何回目でしょう。間違いなく最多出演者ですね。それだけ幕末から明治維新にかけて、この国に影響を与え続けた人物だと言えると思います。

そんな西郷さんが最期を迎える「西南戦争」。「薩長同盟」「江戸無血開城」「征韓論への対応」など、これまでとにかく戦わない人物として登場してきた西郷隆盛が、ついに戦うことを選びます。

その理由もやはり西郷隆盛らしいものでした。自分の利害や損得ではなく、自分を慕う人たちの思いに応えてのものです。そして、自分自身が全力で政府軍と戦うことで、政府軍の強さを認識し、日本の未来に希望を感じるのでした。

各地で起こった士族反乱。明治の時代を中央政府のメンバーとして担ってきた西郷隆盛が、士族たちの思いを背負って命を懸けることで、近代日本を前に進めるエネルギーにしたと言えるでしょう。

徴兵によって組織された、ある意味「一般人の軍」が、戦いのスペシャリストである「士族の軍」に勝利することは、近代軍制が軌道に乗ったことを意味します。”時代が変わった”という証なんですね。西郷さんはそれを見届けて、この世を去ったのです。

誠実な人物として知られた「前原一誠」が「萩の乱」を起こしたことを知り、士族の苦しさを改めて感じた西郷隆盛。

幼なじみの大久保利通が、政府のトップとして、反乱軍を率いる自分と対峙しなければならない苦悩にも心を痛めた西郷隆盛。

彼の行動にはいつも人への想いと国家を案じる気持ちが感じられます。この反乱も「最後の士族反乱にする」という逆説的な意味があると思いますね。国の未来の為に、国に背く戦いを起こす。西郷さんらしいですね。

この反乱で国賊となった西郷隆盛ですが、明治天皇や大久保利通をはじめ、多くの政治家がその死を悼みます。そしてその想いが形になり、約10年後には西郷隆盛の特赦が決まります。

「西郷隆盛と坂本龍馬」「西郷隆盛と桂小五郎」「西郷隆盛と島津斉彬」「西郷隆盛と勝海舟」「西郷隆盛と明治天皇」「西郷隆盛と大久保利通」「西郷隆盛と江藤新平」「西郷隆盛と西郷従道」「西郷隆盛と山県有朋」などなど。

西郷隆盛と関わる人は、みんな彼を好きになると言われています。激動の時代に、敵味方、身分関係なく、多くの人たちとの厚い情にあふれたエピソードが残る西郷隆盛。授業では、ぜひ触れておきたいですね。

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