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育休を取らない男性が陥る3つの落とし穴!?

育休取得した人を優遇する制度が整っている日本ですが、約86%の男性が取得していないという調査結果があります。(資料出所:厚生労働省「令和3年度 雇用均等基本調査」)
男性が育休を取らないとどうなるのか、陥りがちな3つの落とし穴について解説します。

育休を取らなかった男たちの末路

①超低賃金労働

育休を取らなかったからといって、賃金は変わらないと思っていたら、それは大きな間違いかもしれません。当然ですが、見た目上の賃金の額は変わりません。しかし、時間当たりの労働生産性には大きな違いが生まれます。

育休を取得していない男性の時給は135円程度!?

月収45万のサラリーマンが育休を取得した場合と、取得しなかった場合で手取り収入を比較します。

〈育休を取得しなかった場合〉
手取り収入を計算してみましょう。
6ヵ月で引かれてしまうのは・・・
厚生年金保険料:329,400円
健康保険料:177,660円
所得税:231,294円
住民税:213,294円
雇用保険料:10,800円
結果、6ヵ月の手取りは1,978,215円です。

〈育休を取得した場合〉
育休中は保険料免除です。
(※年金保険は払ったものとしてみなされます。)
給付金には税金は掛かりません。
45万×67%×6ヵ月で手取りは1,809,000円です。

〈育休を取得しなかった場合〉-〈育休を取得した場合〉=169,215円

つまり・・・
6ヵ月間働いた結果、約17万円多くもらえるだけ!

1日8時間労働とすると時給135円の計算です。

つまり、育休を取得していない男性の半年間の時給は135円程度だということです。
(※月収45万で計算しているので、人によって多少変わります)

赤ちゃんと過ごす掛けがえのない時間を、時給135円で手放してしまうのは本当にもったいないですね。

時給135円で働く男

〈出産後の超低賃金労働から抜け出す方法〉

もしかしたら、経済的な不安から育休を取得できないという人もいるかもしれません。そういう人がこの超低賃金労働から抜け出すためには、育休を取得した上で、個人事業主として副業をすることです。この方法で、給付金を貰いつつ、社会保険料免除で、副業収入を得ることができます。低賃金どころか、一気に手取り収入を倍にするチャンスを掴むことができます。

②会社依存リスク

出産後はとにかく家庭でのタスクが激増します。その中で、育休を取らずに家庭をマネジメントするのはなかなか大変だと思います。

一方、20代後半~30代というのは、生涯のキャリア形成において、非常に重要な年齢です。

自分の適性に合わせた転職。
スキルを伸ばすためのリスキリング。
経験を活かした起業。

育休を取らなかった場合、仕事と子育てに挟まれて余裕のない中、このような新しいことに挑戦できる人はなかなかいないでしょう。家庭のためにやりたいことを諦めて、人生に妥協してしまう人も多いのではないでしょうか。

「子育てが落ち着いたら・・・」なんて考えていたら、挑戦の機会を失って、会社に依存した生き方になってしまうかもしれません。

〈会社依存リスクから抜け出す方法〉

まずは、育休を取得して、自身のキャリアの棚卸をすることをお勧めします。会社から完全に離れる絶好の機会だと思います。この育休というチャンスを最大限に活かして、新しい家族を含めた自分らしい人生について考えてみることをお勧めします。

③家庭崩壊リスク

出産後は家事や子育ての負担はかなり大きくなります。両立するのは本当に大変ですよね。まして、妻一人のワンオペ育児の場合、心や体にかかる負担は計り知れません。産後うつは他人事ではありません。
そんな時、もし隣に時給135円で仕事をしている夫がいたらどうでしょうか?
「もっと家庭に貢献しろや!!!!」と言いたくなるかもしれません。

ちなみに主婦の時給は1,470円といわれています。
(参考:平成30年 男女別の家事活動の貨幣評価
育休取得していない人の時給が約135円なので、10倍以上の時給と言えます。もはや妻に頭が上がらない状況に追い込まれますね。

「たとえ時給135円だったとしても、俺は会社に必要とされているんじゃい!」という男性の気持ちもよく分かります。
ただ、それって自意識過剰なのかもしれません。

従業員が育休を取得すると、会社はその従業員に給料を払う必要がなくなり、かつ、会社は国と都道府県から補助金が貰えます。つまり、従業員が育休を取得するだけで、会社は利益を得ることができます。それでも、本当に『会社』は育休を取らずに仕事を継続してもらいたいと思っているのでしょうか??

「会社のため」と言いながら時給135円で仕事をして、本当は会社のためになっていなかったら悲劇としか言いようがありませんね。

〈家庭崩壊リスクから抜け出す方法〉

「家庭のため」に育休を取得することを、強くお勧めします。シンプルですが、最も合理的な人生戦略だと思います。

編集後記

小沢さんが育休中のリスキリングについて「頭がどうかしているとしか」とコメントされています。育休中にMBAを修了した私はかなり「クレイジー」な人間なのでしょう。
このコメントは、「子育ては大変だから学ぶ暇なんてない」という意味で発言されたと思います。私はこの発言で2つの大きな問題を感じました。

1つ目・・・
「子育てで大変な中、それでも学びを継続する人を、日本では擁護しない」ということ。それを擁護しようとすると、公然と「頭がどうかしているとしか」と言われるってかなりヤバい国ですよね。
(そういう人が生まれる環境を作ってあげた方が、イノベーティブで面白いと思うのに!)

2つ目・・・
「子育ては大変だから学ぶ暇なんてない」という発言の裏側には、「子供を産んだ人間は勉強なんかせずに育児だけやってりゃ良いんだよ」という心理が見え隠れしています。
実際、私も「育休中にMBA通っている」というと、「そんなことのための育休制度じゃないよね!?」とお叱りを受けることもありました。
「育児の合間に勉強して何が悪いんじゃい!!」と心の中で叫んでました。
(岸田さんの発言が当たり前のこととして受け入れられる日が来るといいなぁ)

個人的には岸田さんと同じく、育休は絶好のリスキリングの機会だと思います。

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