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ブレイクスルー ~信用金庫のモラルハザード~

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普通のサラリーマンが信用金庫の理不尽な対応に泣き寝入ることなく、訴訟を起こした話です。 弁護士に依頼すると赤字なので、本人訴訟で裁判を行っています。 理不尽な対応をされたけど泣… もっと読む
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記事一覧

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 20

 『金は銀より上』  藤岡が信用金庫に就職して以来、ことある毎に聞かされてきた言葉だ。つ…

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 19

 平良は息をつき、時計を見ながらゆっくり6秒数えた。  アンガーマネジメントのメソッドによ…

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 18

 冷めきったコーヒーを台所の流しに捨てた。コーヒーの香りが辺りに充満する。黒い液体が排水…

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 17

令和4年3月8日  カーテンを開けると、眩しい光が部屋の中に飛び込んできた。空気は澄み切って…

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 16

「日本のパチンコ店のシステムを利用した国際的なゴールドのロンダリングについては、何となく…

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 15

 一般市場で価値のある物か、藤岡は少しの間、考えてみる。 「貴金属や宝石、腕時計とかです…

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 14

「そう、三店方式だ。ここからが今夜の話の核心になる。なぜ、パチスロ業界を国際金融部が担当しているか、分かるか?」 「海外資本の会社が多い業界ですよね。以前は日本のパチスロが某国への資金供与の源泉だ、なんて週刊誌等で叩かれたこともありましたね」  佐伯は手酌でお猪口に日本酒を注ぐ。 「過去の話だと思うか?」  いつもは穏やかな佐伯が、いつになく真剣な眼差しで尋ねた。  遠くからプロ野球実況の賑やかなテレビの声が漏れ聞こえてくる。おそらくホームランでも打ったのだろう。 「さすがに

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 13

「今日は災難だったな。お疲れさん」  グラスをぶつけると、佐伯はぐいっとビールを飲み干し…

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 12

 この日の夕方、岩野は新田西支店営業部の藤岡に電話を掛けた。  藤岡は営業の外回りから支…

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 11

3月7日 「この馬鹿野郎!」  J信金本部の三階、国際金融部のフロアに黒岸の怒声が響く。今に…

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 10

「あのビジコン決勝戦の2日前にそんなことがあったとは知りませんでした」板橋は焼酎ロックを…

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 9

 岩野はJ信用金庫で30年間勤務してきた。2級知的財産管理技能士の資格を取得し、その専門性か…

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 8

「いやー、良いマンションにお住まいですね。ロビーの横にこんな応接間があるなんて」  高槻…

J信用金庫 v.s. MBA交流クラブ vol. 7

―面倒なことになってしまった。  藤岡はデスクで頭を抱えていた。あの様子では、平良は絶対に入金を諦めないだろう。何とかして本部の連中を説得して入金の対応をさせるしかない。本来であれば、こんな無益な仕事は避けたいところである。こんなことをしても誰にも評価されないばかりか、面倒な人間として負の印象を残してしまうかもしれない。それは将来的な出世や異動にも響くことになる。何なんだ一体。  しかし、嘆いていても事態は良くはならない。心を決めて国際金融部の岩野に電話をかけ、現状を説明す