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バリカンポン(Balik Kampung)⑤

バリカンポンについて4回お伝えしてきました。
今回は、ジョホールバルで行われていた「中国正月商品」の販売会にも立ち寄ったので、これについてお伝えしようと思います。

路上に現れた大きなテント小屋

10数年ぶり

この数年はコロナのため大規模な販売などができませんでしたが、今年は完全復活のようです。
路上に大きなテントを設え、中国正月向けの商品を販売しています。
20数年前、シンガポールにいたころは、物珍しくて、駅そばなどに現れた販
売小屋を見て回ったこともありますが、じっくり見るのは10数年ぶりです。

縁起の良い果物

縁起の良いパイナップル

パイナップルは、漢字では「黄梨」と書き、台湾語や福建語で「オンライ」と発音します。
これは「福を招く」とか「子孫繁栄」、「たくさんの良いことがやってくる」という意味がある「旺來」と発音が一緒のため、台湾や福建語の話されているエリアでは、縁起が良いものとされています。
そのため、中国正月などのめでたい時には、パイナップルの飾りをたくさん見かけます。
ジョホールバルや、お隣のシンガポールには「福建」から来た方が多いため、中国正月になると、パイナップルをかたどった飾り物や、パイナップルそのものを飾る風習があります。
ジョホールバルには「Pekan Nanas(マレー語)」というエリア(実はうちの奥さんの実家のあるエリア)があり、日本語に直すと「Pekan(町)Nanas(パイナップル)」で「パイナップルの町」となります。
確かに、ジョホールバルの街中から帰る道筋は、マレーシアの象徴的な風景である「パームツリー」の畑と、パイナップルの畑が広がっています。
そのため、パイナップルそのものを飾っているケースがほとんどです。

「広東」から来た方が多いクアラルンプールでは、あまり見ることのない中国正月の光景です。
また、中国本土でも、パイナップルやその飾りを中国正月に飾る風習はないようです。

縁起の良い果物2

オレンジの山

中国正月には、マンダリンオレンジや柚子などの果物が食べられます。
これらは、丸くて「黄金色」なため、「豊かさ」や「幸運」「成功」を意味すると考えられ、好んで食べられます。

また、中国語で、オレンジは「橙 (chéng)」や「桔(jú)」と書かれ、縁起の良い文字である「成(chéng)」や「吉(jí)」と発音が似ているため、飾ったり食べることで、「幸運」や「成功」がもたらされると信じられています。
柚子の中国語も、「柚(yòu)」は「有(yǒu)」のように聞こえるため、継続的な繁栄をもたらすと考えられ、好んで食べられています。
マレーシアには柚子がないため、代わりに「ポメロ(文旦)」が用いられます。

文旦が並んでる!

飾り物もの欠かせません

どこに飾るのでしょう?

中国正月では、画像のような飾り物も欠かせない存在です。
各家庭でも、こんなに大きなものはあまり見かけませんが、何かしら家に飾っています。

お菓子も

お菓子の山

中国正月では、家を訪問するときに、「パイナップルタルト」やさまざまなクッキー類を持っていきます。
また、家に訪問者があった時には、家庭で準備したお菓子類をたっぷりとテーブルに並べて、訪問を歓迎します。
中華系の家庭では、まず間違いなく、各家庭でさまざまなクッキーなどを作って中国正月をお祝いします。

ハンパ―

やや復活気味の陳列

マレーシアやシンガポールでは、中国正月が近づくと、主に企業間で、
「ハンパ―」と呼ばれる贈り物をします。
まるで日本のお歳暮のようです。
ハンパ―の中身は、缶詰類が多く、アワビやみかんが主流で、その他にビスケットや乾物、ワインやブランデーなどが入っていたと、価格によってさまざまです。
コロナの影響で、ショッピングモールやスーパーの店頭でのハンパ―の販売が見かけないようになっていましたが、今年は少し復活気味です。
以前と比べると、販売規模は小さく、金額も高額のものが減っていましたが、少しずつ回復していくのでしょう。

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