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クレームが人と会社を追い込み、品質を下げる可能性もあるという話

私はライター業もやっていますがこれは副業で、本業はIT関係の仕事をしています。


主な業務がお客様との間に立って調整をすることなのですが、私は調整役であり実作業を行うのは別の担当者でして。


で。
予定通り作業をすると上手く行かなかったり、作業担当者がしくじることも少なくありません。


すると、これは日系のお客様の特徴なんですけどかなり感情的に怒るんですよね。しかも、実作業担当者ではなく調整役の私に対して怒りが向けられます。


これは外資だからなのかもしれませんが、実際に動いているのが海外の担当者で、英語なんですよ。だから日本語の分かる人でかつ今までやり取りを頻繁にしてきた私に対してガッツリクレームが入る。


いつもながらおいおい待ってくれよと思います。自分が悪くなくても怒りの感情の矢面に立つことってなかなかストレス溜まりますし、私が本来関係ないことはお客様とてご存知だからです。


ただ、仕方ない面もあるんですよ。


お客様から見たら私も作業員も同じ会社の構成員ですからね。少なくとも私が何かやってしまったときに誰かが代わりにサンドバッグにならないように、やることをキチンとやるくらいしかないんですよね。


会社という単位で見られる以上、誰かがミスをしたらシビアに見られるし、そこは割り切って受け止める。いちいちそれを理不尽だと思っていたら心がすり減ってゼロになってしまいます。


ただ、一方でちょっとこれ怒りすぎじゃないのかなと感じることも少なくありません。


感情をぶつけられるのって本当にくたびれるんですよ。自分がされるとそのことを骨身に染みて感じるのですが、自分が不利益を被った立場になるとそのことをキレイサッパリ忘れていて。


いや、人によっては意図的に忘れたことにしているケースすらあります。大きく騒いだほうが問題化しやすくて、迅速に、そして例外的な対応をしてもらいやすくなりますからね。


確かにその側面はあるし、サービスを提供してもらう側の立場としてどうしても譲れない何かがある時は仕方ない面もあります。


ただ正直なところ多くの場合はそれほどインパクトが無い、そして自分にも多少なりとも非があるのに正義を主張されると、会社員としては鉾を収めるまでは向き合わざるをえない。


このモードになるとありがちなのが、原因の究明と対策の実施。そして報告書の作成です。


これはもう‥本当に時間が掛かりますし、正直なところ大抵の場合がやらかした人の個人的な資質に依るところが大多数で、でも100%同じミスを無くせ!と言われるとマニュアルや工程を変更せざるを得ない。


で、出した対策を実際にやると工程が1つ増えるからそこでミスが起きる可能性が出るんですよ。ミスが出ないようにしたつもりが、ミスが出やすくなっている。これ、案外あるあるなんですよね。


報告書なんて作ってもやらかした会社として義理を果たしたっていう体裁と、これからやらかすんじゃねえぞっていう一つの様式でしかないと個人的には思うんですけど、こういうのがサービスを提供する側を追い込んでいるように感じることもあります。


私もやっちゃうことがありますけど、やらかされた時ってその人が問われる部分があるとも思います。勿論不利益を受けたところは正しく追求しなければならないときもありますからね。そこはケースに依ると思います。


ただ、やらかした後の戦後処理をしている立場で考えると、自分の不利益と今後のことを天秤に掛けると騒がない方がスムーズということもあります。


それは騒いだ後に待ち受ける膨大な工数と、実になりにくい対策が品質向上に寄与しづらいこと、更には多くの人を巻き込み追い込む可能性があるからです。


自分がサービス提供される側になると、厳しくなっちゃうんですよ。SNSで晒しちゃう人も居ますけど、あれはサービス提供する側も悪いんですがあれすることで単に問題を深刻化させているだけですからね。何がしたいんだろうと思うこともあります。全部ではないですが。


あと、これは最大の問題かもしれませんが、今の時代に会社組織で働いている人、個人で働いている人、本当に肉体的にも精神的にもしんどいんですよ。


昔のコカ・コーラのCMみたいにキラキラした社会生活を送れているということは少ないです。SNSでは良い部分を出していますけど、その陰には地味で、誰かに責められて、あくせく生きている面もあります。


そういう中で家族のためにも会社のためにも、そして社会のためにもと考えて一人一人が役割を果たしている。結構ギリギリなところがあると思います。



だから、私は社会人が目が死んでいるとか言いたくないし、そんな中で社会を成り立たせていることに感謝しています。


ただそのギリギリを生み出しているのがサービスに対する厳しい目線であり、何かが起こってしまった後の処理だったりします。


それでも全てのミスやクレームには真摯に向き合え!なぜなぜで100%サービス品質を向上させろ!という意見を求めるのであれば、自分がサービス提供者としても同じことが求められるということを肝に銘じなければならないと思うんです。


全部、自分に返ってくるんですよ。
こういうのは。


考えてみるとコンビニで働くようになってから店員さんには優しくなったし、レジでバーコードを読み取りやすいように商品を出すようになったし、相手の目線も考えるようになったのかなと思います。


何かが起きたあとに大事なのは、感情的なものを一旦抑える余裕と、自分が要求した先に何が待ち受けているかを考えることなのかもしれないと思いました。


とりあえず、世の中の全てに厳しくしないことからなのかなぁと思います。譲れないところを除いて。

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