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がんと診断されてから治療まで どう進むのか何が起きるのか、超ざっくりと大まかに知りたい方へ

これは、がん治療をこれから始める方や、周りの人ががん治療をするらしい、と聞いた方が、これからどうなるのかを何となくイメージしてもらえるように、患者さんたちの目線からのエピソードをまとめました。


初回受診から、がんと診断されるまで

がんと診断されるまでが結構長い

受診したらその日にがんと診断されることはあまりなく、一般的には検査のを予約して、後日検査に行って、さらにその後にがんと診断されます。

ただし、ものすごくお腹に水が溜まっていたり、がん細胞が皮膚を突き破って出てきていたり、がんと診断できないけれどとにかく治療が必要な場合は、まずはその治療が始まることもあります。(それはかなり進行している場合)

ですので、検診などで要検査になって受診した、今は何も自覚症状のない方が、いきなり今日がんですと言われて急に入院になるということは、限りなく考えにくいケースです。(個人的な経験値より)

早い人でも1週間くらいはかかります。長い方ですと、検査だけで1ヶ月くらいかかる方もいます。ですから、まずは、落ち着いて検査に行ってください。

がんと診断されてから

病気と治療について説明を受ける

がんと診断がつくと、病気のことと治療についての説明を受けます。この日は時間がかかる場合があります。ここはちょっとぐったりする日になります。

  • 医師から病気と治療の説明を受ける

  • 看護師から治療の注意点や補足説明を受ける

  • 手続きが必要な場合は窓口に行って書類をもらう

すぐに判断しなくてもいい

説明を受けたらその場で治療を受けることを決めなくても大丈夫です。家族で話し合ってからでも良いです。乳がんでは、1ヶ月単位で悩んでもOKと言われる場合もあります。がんの種類によって進み方や治療方法は異なるのですが、基本的には考える時間があると思っていただいて良いかと。

病状により、とにかく今日何がなんでも治療したい、一刻も早く治療をスタートした方が良い、そんな場合は急いで決めて欲しいと言われます。

病気の話は、1人で聞いても、家族と聞いてもいい

本人が一番快適な方法で聞いてください。

治療の準備をする

抗がん剤治療から始まる方は、初回の抗がん剤の日から1週間くらいお休みをすると楽かもしれません。2回目以降は様子がわかるので、調整しやすくなります。

治療を受ける

実際に治療が始まったら、体調を整えながら、治療スケジュールに沿って進めていきます。

入院することは意外と少ない

がんというと入院して治療してベッドの上でずっと過ごすと考える方もいます。しかし、実際には入院は手術や一部の抗がん剤の点滴などで、本当に必要な場合に一時的なものになってきています。患者さんたちとお話ししていると、意外と入院しないのね日帰りだわ、と言われます。

例えば、抗がん剤の治療はほとんど外来で行われます。入院しません。指定時間に病院に行って、採血や点滴をして、ちょっと休んで帰ります。薬の種類によりますが、病院滞在時間は3−4時間くらいです。

初回の抗がん剤や、前回体調が悪くなった方など、事情がある場合は入院します。その場合でも3−5日くらいがほとんどです。

治療で痩せるがん、痩せないがんがある

がんになったら痩せる、治療を始めると痩せる、食べられない、と思われがちですが、人間はそう簡単に痩せないようです。

食道や胃のがんなど、消化管のがんの方は、食事が変わることで痩せやすくなります。また、吐き気が強く出て食べられない日が続き数キロ痩せる方もいます。

しかし、それ以外のがんの方は、ドラマのようにガリガリに痩せていくことはほぼありません。ほぼないというのは経験則ですが、20年ほどがん患者さんたちに会い続けていて、ほとんど痩せません。ダイエットになると思っていたのに(笑)と笑ってくれる患者さんがほとんどです。現代、カロリー不足にはなりにくい世の中ですので、おやつやご褒美は程々で、適正体重の維持を心がけましょう。

ちなみに、太る理由として、以下のようなことがあげられます

  1. お薬の影響

  2. 活動量が減る

  3. みんなが美味しいものを差し入れてくれる

  4. 家にいるとついつい食べちゃう

  5. ちょっとご褒美で食べちゃう

患者会やがん友達が必要な人と、そうではない人がいる

がんになっても自分の個性はそんなに急に変わりません。コミュニティや人付き合いが苦手な人は、いきなり頑張って患者会に参加したり、がん友達を探す必要はありませんので、安心してください。

毎月お金がかかる。保険適応の自己負担額ギリギリくらいかかる。

保険診療でも自己負担はかかります。抗がん剤は高いので、その上限額くらいはかかります。多くの方は、最初の3ヶ月は7万円くらい、そこからは4万円くらいになります。自分の自己負担金額を知りたい方は、院内の相談室や社会保険事務所に確認すると目安を教えてもらえます。

一定の自己負担金額を超える場合は、先に限度額適応申請をします。これも、教えてもらえます。マイナナンバーカードを使えば手続きなしで自己負担額までの支払いで済みます。

終わりに

最初はとにかくショックで、自分のがんのことを一生懸命調べると思います。その後、ちょっと落ち着いてくると、現実の生活でちゃんとやっていけるのかどうかを不安に思ったり、自分の明日が不安になると思います。最初のわからない時期は、誰もが経験することです。ですから、看護師はじめ関わる医療チームの皆さんに、遠慮なく色々聞いてみてください。

変なこと聞いてる?なんて、心配しなくて大丈夫です。

参考URL


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