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がん患者さんの気持ちを考える

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記事一覧

実世界で自分に似たような患者さんに出会うのは難しい (がんの場合)

実世界で自分に似たような患者さんに出会うのは難しい (がんの場合)

がんを体験する確率は二人に一人です。そう言われるとがん患者さんはたくさんいるような気がしますが、実際にがんになってみると周りに同じようながん患者さんがいない不思議について、乳がん患者数の統計を使って解説します。がん患者さんたちがSNSやネットで検索したくなる気持ちを納得してもらえるはずです。ネットを使うメリットを理解した上で、便利なネット情報を上手に使うための注意点についてもお伝えします。

乳が

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理解されない後遺症 がん治療後も続く倦怠感に悩む方と周りの方へ

理解されない後遺症 がん治療後も続く倦怠感に悩む方と周りの方へ

こんにちは。がん患者さんが困ることを減らして暮らしやすくしたい会社PEERのさとうです。普段はがん患者さんのお話を聞いたり、その困ったことを解決する仕事を作っています。今日は、治療が終わったのに身体の感覚が戻らないだるさについて、個人的な経験も含めてご説明します。

治療は終わったのに、まだだるい。元気がでない。治療も終わったし、もう元気に仕事や家事などいつものことが前みたいにできると思っていたの

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がんと統合医療〜代替療法、伝統医学療法を上手に活用するには

がんと統合医療〜代替療法、伝統医学療法を上手に活用するには

がん患者さんとお話をしていると、約半分くらいの方が何らかのサプリメントを飲んでいます。そこで、サプリメントや針・きゅうなどの身体療法は、どう使うと効果的なのかを考えてみました。

実際のところ、半分以上の人がチャレンジしている。統計情報を調べてみると、厚生労働省の統合医療に関する情報ページ「eJIM」(いーじむ)によると、65%の人が何らかの補完療法を使用したことがあるそうです。これは海外の研究結

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抗がん剤の副作用、脱毛。髪が抜けるが辛くて、生えてきたらめんどくさいのです。

抗がん剤の副作用、脱毛。髪が抜けるが辛くて、生えてきたらめんどくさいのです。

こんにちは。がん患者さんの日常生活を豊かにしたい会社PEERの創業者です。患者さんの話を聞きながら、みんなの気持ちをまとめて発信しています。今日は、生えてきたら嬉しい、でもちょっと大変な髪の毛の話です。

抗がん剤には、脱毛するもの、しないものがある抗がん剤治療のお薬には、脱毛の副作用があるものがあります。全部の抗がん剤で脱毛があるのではないのですが、抜ける副作用があるお薬もあります。抗がん剤と副

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抗がん剤について優しくて詳しい解説 よく知って正しく対応しよう

抗がん剤について優しくて詳しい解説 よく知って正しく対応しよう

がん治療で広く使われる「抗がん剤」という治療方法について、みなさんはどのくらい理解していますか。ここでは抗がん剤についてもう一度おさらいして、抗がん剤の副作用との付き合い方を考えてみましょう。

目次

1. 抗がん剤は、「がん薬物療法」に使用される薬のひとつ。

2. 多くの人が体験する嫌な副作用と対策

3. ネットで見た対策、チャレンジする前にに看護師に相談してください。

4. 大切なこと

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20代、30代のがん患者さんの人生がハードモードな件 2 ハードなポイント

20代、30代のがん患者さんの人生がハードモードな件 2 ハードなポイント

こんにちは。がん患者さんの日常生活を豊かにしたい会社PEERの創業者で代表の佐藤真琴です。がん患者さんの話を聞いて、それを解決する事業を作る仕事をしています。今回は、以前に書いたこちらの記事の続きです。

確認:AYA世代とは、15〜39歳のことです。AYAとは、Adolescent and Young Adultの頭文字をとった言葉で、思春期と若年成人のことです。日本では15−39歳のがん患者さ

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20代、30代のがん患者さんの人生がハードモードな件

20代、30代のがん患者さんの人生がハードモードな件

こんにちは。がん患者さんの日常生活を豊かにしたい会社PEERの創業者で代表の佐藤真琴です。がん患者さんの話を聞いて、それを解決する事業を作る仕事をしています。ここでは特に15−39歳の多感な年齢のがん患者さんたちの辛さについて解説します。

AYA世代とは、15〜39歳のことです。AYAとは、Adolescent and Young Adultの頭文字をとった言葉で、思春期と若年成人のことです。日

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友人ががんになったら 関係性から考えるお見舞いのマナーと言葉の選び方

友人ががんになったら 関係性から考えるお見舞いのマナーと言葉の選び方

こんにちは。私はがん患者さんの日常生活を豊かにしたい会社で働いています。そのため、表題のような相談をよく受けます。月2−3回は受けます。私に個人的に聞いてきてくれる人がこんなにいるなら、困っている人もさぞかし多いだろうと思いますので、がんになった本人に負担になりにくい、でもあなたの気持ちも伝わるコミュニケーションについて書いてみます。

そんなに気負わないで。基本的にはいつもと同じ感じでお願いしま

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がん患者さんに人気のヨガについて、効果を調べてみました。

がん患者さんに人気のヨガについて、効果を調べてみました。

がん治療中やその後の運動メニューで人気のヨガについて、乳がん患者さんを対象にヨガの効能について調べた論文をご紹介します。これを読んだら、まずはヨガでもやってみるか、くらいの気持ちで軽く始めてみてはいかがでしょうか。

ヨガについてヨガはゆっくりとした流れの中で行われる呼吸とストレッチを組み合わせ、心身をリラックスさせる効果が期待できる運動メニューです。

一般的にはスポーツとしては分類されないこと

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休むことに罪悪感を感じるがん患者さんへ

休むことに罪悪感を感じるがん患者さんへ

がん治療をしている患者さんの中には、仕事や普段のやることをお休みしていることに罪悪感を感じる人がいます。この気持ちについて、先輩患者さんたちとの対話から、私なりのアドバイスをお伝えします。結論は「自信を持って休んで。いまは、それが仕事。」です。大丈夫です。あなたのことをみんなが待っていますよ。

がんは病気。病気は、誰のせいでもありません。みんなが働いているのに、私がいない分を誰かがやってくれてい

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がんになって仕事を続けられるか悩む気持ちについて解説します【仕事を辞めるなど、大きな決断は、落ち着いてからにしましょう】

がんになって仕事を続けられるか悩む気持ちについて解説します【仕事を辞めるなど、大きな決断は、落ち着いてからにしましょう】

がんになった患者さんたちと、働くことについてのお話をすることがあります。治療と働き方について、一般的な情報と患者さん側の感覚を共有したいと思います。もうだめ、やめちゃう、という勢い退職は後で後悔する方もいます。

がん患者さんの3人に1人は「働き世代」なんです。がん患者の約3人に1人は、20代から60代です。働き世代のみなさんなので、がんと言われると仕事をどうするのか、という話題が出やすいです。

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がん患者さんの感じる「取り残される感じ」について その正体と、周りの人ができること

がん患者さんの感じる「取り残される感じ」について その正体と、周りの人ができること

がん患者さんが話してくれる「私だけ取り残される感じ」。これって何なのか、そして周りの人たちは何ができるのかについて考えてみました。周りから想像することと、患者さんの感じていることのギャップについて考えるきっかけにどうぞ。

取り残されている感じ、これを分析してみた。がん患者さんが経験する「取り残される感じ」という感情について、5つの側面から考えてみました。

身体的な変化: がんと治療で体調が変化

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がん検診を受けていたのに、乳がんが見つからなかったのはなぜですか。 →乳がん検診と発見率を調べてみました

がん検診を受けていたのに、乳がんが見つからなかったのはなぜですか。 →乳がん検診と発見率を調べてみました

がんと診断された患者さんたちとお話をしていると、検診をうけて、健康的な生活をしていたのに、なぜ私が!?というやるせない気持ちと怒りの言葉をお聞きすることがあります。検診をうけていたのに、どうしてがんは進行したのでしょうか。だから受けても無駄ということでしょうか。いえいえ、そんなことはありません。残念ながらがん検診は万能ではありませんが、検診には目的と効果があります。検診の目的と効果について、乳がん

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